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「思想・哲学」関連書のレビュー

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「思想」「哲学」関連のレビューを紹介します。
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2024年10月の記事一覧

斉藤佳苗 『LGBT問題を考える 基礎知識から海外情勢まで』 : うんざりだ。

書評:斉藤佳苗『LGBT問題を考える 基礎知識から海外情勢まで』(鹿砦社) まずは、タイトル…

年間読書人
3か月前
35

映画 『バニシング・ポイント』 : 北村紗衣の「消失点」

ぬ映画評:リチャード・C・サラフィアン監督『バニシング・ポイント』(1971年・アメリカ映画…

年間読書人
4か月前
33

小川哲 『スメラミシング』 : これは私たち自身の戯画である。

書評:小川哲『スメラミシング』(河出書房新社) 本書は、「宗教」をテーマにした短編集だが…

年間読書人
4か月前
25

マックス・オフュルス監督 『忘れじの面影』 : 見返りを求めないという「美徳」

映画評:マックス・オフュルス監督『忘れじの面影』(1948年・アメリカ映画) 1948年だから、…

年間読書人
4か月前
14

アビゲイル・シュライアー 『トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療…

書評:アビゲイル・シュライアー『トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が…

年間読書人
4か月前
38

アレックス・ガーランド監督 『シビルウォー アメリカ最後の日』 : 本当は「難解」…

映画評:アレックス・ガーランド監督『シビルウォー アメリカ最後の日』(2024年・アメリカ映…

年間読書人
4か月前
27

マフムード・ダルウィーシュ 『パレスチナ詩集』 : 届かない声

書評:マフムード・ダルウィーシュ『パレスチナ詩集』(ちくま文庫) 詩歌オンチを自認している私が、どうして本書『パレスチナ詩集』を読んだのかといえば、ひとつには「パレスチナ問題」については、もう30年来、興味を持って見守ってきたからであり、もうひとつは、尊敬する、故・エドワード・サイードが、この詩人に触れていたのを、かつて読んでいたからである。 ダルウィーシュの「詩」そのものを理解することはできなくても、その作品に触れることによって、その息吹に触れられれば、それで十分だと考え

北村紗衣 『シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち』 : シェイクスピアの研究書ではな…

書評:北村紗衣『シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち 近世の観劇と読書』(白水社) 「武蔵…

年間読書人
4か月前
41

風呂前有 『ぺし』 : さかさ眼鏡と異界

書評:風呂前有『ぺし』(全4巻・講談社・2005〜2007年) 【旧稿再録:初出「アレクセイの花…

年間読書人
4か月前
11

エリア・カザン監督 『エデンの東』 : 薄っぺらい「建前と本音」の逆転劇

映画評:エリア・カザン監督『エデンの東』(1955年・アメリカ映画) 本作は、なかなか評価の…

年間読書人
4か月前
26

マーク・トウェイン 『トム・ソーヤーの冒険』 : 「差別者」とは誰か?

書評:マーク・トウェイン『トム・ソーヤーの冒険』(土屋京子訳・光文社古典新訳文庫) 私の…

年間読書人
4か月前
45

前嶋和弘 『キャンセルカルチャー アメリカ、貶めあう社会』 : 北村紗衣とキャンセ…

書評:前嶋和弘『キャンセルカルチャー アメリカ、貶めあう社会』(小学館) 「キャンセルカ…

年間読書人
4か月前
37

北村紗衣 『批評の教室』 : 作品批評【実践編】(第2回)

書評:北村紗衣『批評の教室 チョウのように読み、ハチのように書く』(ちくま新書) さて、…

年間読書人
4か月前
26

尾崎一雄 『新編 閑な老人』 : 「文士」の志操

書評:尾崎一雄(著)・荻原魚雷(編)『新編 閑な老人』(中公文庫) 10年以上も前だろうか、よく立ち寄っていた文芸書に強い古本屋の主人と雑談していて、私が主人に「どんな作家が好きですか?」と尋ねたことがある。 古本屋の主人と言っても、その人はたしか二代目で、私よりも十も若かったと思う。 私がどういう作家を好きなのかは、無論、その主人は知っていた。なぜなら、同じような本ばかり買うからだ。 簡単に言えば、澁澤龍彦・中井英夫系の幻想文学系の作家ということになるだろうか。読む本は