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「思想・哲学」関連書のレビュー

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「思想」「哲学」関連のレビューを紹介します。
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2024年5月の記事一覧

ジョナサン・グレイザー監督 『関心領域』 : 本作のレビュアーたちも、きっと同じこ…

映画評:ジョナサン・グレイザー監督『関心領域』(2023年、イギリス・ポーランド・アメリカ合…

年間読書人
9か月前
30

川野芽生 『かわいいピンクの竜になる』 : 「みにくい凡獣の価値観」に抗する。

書評:川野芽生『かわいいピンクの竜になる』(左右社) なかなか強烈なエッセイ集だ。やはり…

年間読書人
9か月前
21

ジョルジョ・アガンベン 『瀆神』 : 「瀆神」と「瀆聖」の違い

書評:ジョルジョ・アガンベン『瀆神』(月曜社) 難解な書物である。哲学書なのだから、それ…

年間読書人
9か月前
12

小津安二郎監督 『戸田家の兄妹』 : 「肉親でさえ冷たい」という怒りの、真の矛先

映画評:小津安二郎監督『戸田家の兄妹』(1941年・モノクロ映画) 本作は、小津安二郎が「日…

年間読書人
9か月前
11

蓮實重彦 『ショットとは何か』 : 蓮實が不得意な アニメから見た 「実写ショット」…

書評:蓮實重彦『ショットとは何か』(講談社) とても面白かった。何が「面白かった」と言っ…

年間読書人
9か月前
41

吉村萬壱 『みんなのお墓』 : 開放と死

書評:吉村萬壱『みんなのお墓』(徳間書店) どう評していいのか、困ってしまう作品である。…

年間読書人
9か月前
7

マルコ・ベロッキオ監督 『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』 : 何が「元凶」なのか?

映画評:マルコ・ベロッキオ監督『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』(2023年、イタリア・フランス・ドイツ合作) 本作は、実話である「エドガルド・モルターラ誘拐事件」をもとにして作られた映画であり、特定の原作があるわけではない。同事件に関するヴェットリオ・メッサーリの著作(未訳)を読んだ、マルコ・ベロッキオ監督が、この歴史的な事件に興味を持ち、自分でもいろいろ調べて書き上げたオリジナル脚本を映画にしたのが本作なのだ。 本作の宣伝文句にもあるとおり、ベロッキオと

クロード・シャブロル監督 『美しきセルジュ』 : 意外に褒めてもらえない「ヌーヴェ…

映画評:クロード・シャブロル監督『美しきセルジュ』(1957年・フランス映画) 本作は『ヌー…

年間読書人
9か月前
9

古田徹也 『謝罪論 謝るとは 何をすることなのか』 : 人の振り見て、わが振り直せ

書評:古田徹也『謝罪論 謝るとは何をすることなのか』(柏書房) 本書の「プロローグ」は、…

年間読書人
9か月前
19

サミュエル・R・ディレイニー 『ノヴァ』 : オリエンタリズム的「文学性」の勘違い

書評:サミュエル・R・ディレイニー『ノヴァ』(ハヤカワ文庫) サミュエル・R・ディレイニー…

年間読書人
9か月前
12

リンク集 「漫画 (生きづらさ・女の子と男の子・オタク・本好き・カワイイ系)+α」…

【主たる収録作家】 (生きづらさ系) 模造クリスタル、藤生、長崎ライチ、平方イコルスン、三…

年間読書人
9か月前
13

リンク集 「〈心って何?〉 ロボット・AI系 漫画・アニメ・小説・批評研究書」関連レ…

【収録作家(作品)】 (ロボット系漫画) 矢寺圭太『ポンコツぽん子』 池辺葵『私にできるこ…

年間読書人
9か月前
11

シドニー・ルメット監督 『十二人の怒れる男』 : 理想を信じた時代の「アメリカの良…

映画評:シドニー・ルメット監督『十二人の怒れる男』(1957年・アメリカ映画) 本作は、子供…

年間読書人
9か月前
25

小林秀雄 『戦争について』 : 戦時における「時局迎合と 俗情との結託」

書評:小林秀雄『戦争について』(中公文庫) これまでは「小林秀雄の恥部」として、全集には収められていても、文庫化はされなかった「戦時中の文章」を、セレクトしてまとめたアンソロジーが本書である。 小林秀雄が、いかに「低レベル」の人間かが、とてもよくわかるので、小林秀雄批判派は無論のこと、擁護派にも必読の一書だ。 それにしても「ひどい」。 一一かく言う「小林秀雄ぎらい」の私でも、わざわざ全集(やその端本)を読むほど小林秀雄批判に熱心ではなかったため、読むのはもっぱら、文庫本に