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「思想・哲学」関連書のレビュー

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「思想」「哲学」関連のレビューを紹介します。
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2023年9月の記事一覧

ゴダールとは何か : シリル・ルティ監督 『ジャン=リュック・ゴダール 反逆の映画…

映画評:シリル・ルティ監督『ジャン=リュック・ゴダール 反逆の映画作家(シネアスト)』(…

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ガンバレ、小谷野敦! : 私に2周回遅れで、Amazonレビューを「全削除」さる。

本稿のタイトルにあるとおり、小谷野敦が長らく「Amazon」に書いてきた書評が、全削除されたそ…

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森達也監督 『福田村事件』 : 日本人の顔をうつす「鏡」

映画評:森達也監督『福田村事件』(2023年) ドキュメンタリー映画の雄たる森達也が、初めて…

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郡司ペギオ幸夫 『創造性は どこからやってくるか 天然表現の世界』 : 理論と感情、…

書評:郡司ペギオ幸夫『創造性はどこからやってくるか 天然表現の世界』(ちくま新書) 著者…

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「第2の『けものフレンズ』」 とは何か? : 「キズナアイ問題」 あるいは「旧統一教…

まず最初に、「鑑賞する」ということについて書いてみよう。 ある作品をみて、「感動した」と…

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ウィリアム・フリードキン監督 『恐怖の報酬』 : 名作のリメイク大作

映画評:ウィリアム・フリードキン監督『恐怖の報酬』(1977年・アメリカ映画) 昨年来、よく…

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中野美代子 『なぜ孫悟空のあたまには輪っかがあるのか?』 : 学問の本来性

書評:中野美代子『なぜ孫悟空のあたまには輪っかがあるのか?』(岩波ジュニア新書) 中野美代子の『西遊記』関連書は、『西遊記の秘密 タオと煉丹術のシンボリズム』『西遊記 トリック・ワールド探訪』に続いて、これが私の3冊目となるわけだが、中野の『西遊記』関連書は他にもあって、おおむね次のようになる。 ・『孫悟空の誕生 サルの民話学と「西遊記」』(1980年) ・『西遊記の秘密 タオと煉丹術のシンボリズム』(1984年) ・『孫悟空はサルかな?』(1992年) ・『西遊記 トリ

小津安二郎監督 『秋刀魚の味』 : ありし日の、ひとつの日本

映画評:小津安二郎監督『秋刀魚の味』(1962年) 私としては3本目となる、小津安二郎監督の…

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蓮實重彦 『ゴダール革命』 : 〈主人持ち〉の批評

書評:蓮實重彦『ゴダール革命』(リュミエール叢書、ちくま学芸文庫〔増補決定版〕) 私が読…

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F・W・ムルナウ監督 『最後の人』 : 鵜呑みにして良いのか?

映画評:F・W・ムルナウ監督『最後の人』(1924年・ドイツ映画) 『吸血鬼ノスフェラトゥ』(…

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村上靖彦 『客観性の落とし穴』 : ズレた思考様式による誤解

書評:村上靖彦『客観性の落とし穴』(ちくまプリマー新書) この本、とてもよく売れているら…

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ロバート・アルトマン監督 『M★A★S★H マッシュ』 : 笑うな!

映画評:ロバート・アルトマン監督『M★A★S★H マッシュ』(1970年) 「反戦映画」の名作で…

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『アステリズムに花束を 百合SFアンソロジー』 : 造反百合は有利であるか?

書評:SFマガジン編集部編『アステリズムに花束を 百合SFアンソロジー』(ハヤカワ文庫) 20…

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ロバート・アルトマン 傑作選 『ロング・グッドバイ』 『イメージズ』 『雨に濡れた歩道』

映画評:ロバート・アルトマン監督『ロング・グッドバイ』(1973年)、『イメージズ』(1972年)、『雨に濡れた歩道』(1969年) 一昨年に退職してから映画をよく観るようになった。それまでは、せいぜい年に4、5本といったところだったが、大阪・十三の「第七藝術劇場」というミニシアター系の映画館でやっていた「ジャン=リュック・ゴダール追悼特集」だとか「タルコフスキー、アトモスフェア」と題されて特集上映などで、それまで観ることのなかった「非エンタメ系映画」も観るようになって、「