『松本清張推理評論集 1957-1988』 : 清張・ ミステリ・ 巽昌章、 そして私
書評:『松本清張推理評論集 1957-1988』(中央公論新社)
1962年(昭和37年)生まれの私は、いわゆる「新本格ミステリ」ブーム世代である。それを後から読んだ世代ではなく、そのムーブメントの発生から共に歩んだ世代。
年齢で言えば、綾辻行人は私の2つ上、法月綸太郎は1つ下、我孫子武丸は同年、有栖川有栖は3つ上、ということになる。
しかし、こうした「ミス研」出身の作家たちとは違い、当時の私は、生粋の「ミステリマニア」というわけではなかった。つまり、幼い頃から、ドイルの