ポール・ヴァーホーベン監督 『ベネデッタ』 : 「映画」の常識を超えた リアリズム
映画評:ポール・ヴァーホーベン監督『ベネデッタ』
昨年(2022年)7月末の退職以来、映画を観まくってきた私だが、これは「楽しみだ」と思って観に行った映画は、それほど多くない。大半の作品は「ちょっと気になるから、これも観ておこう」とか「教養のために観ておこう」といった感じが多かった。
そんなわけで、それほど多くもない「期待作」であっても、しかし、結果として「期待どおりに面白かった」という作品は、ほとんどない。期待が大きければ大きいほど、並みの作品では満足できないというのが人