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「思想・哲学」関連書のレビュー

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「思想」「哲学」関連のレビューを紹介します。
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2023年1月の記事一覧

樋口毅宏 『タモリ論』 : 信仰を欲する、無神論者の屈折

書評:樋口毅宏『タモリ論』(新潮新書) タモリには興味がない。そんな私が本書を読んだのは…

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大塚康生 『作画汗まみれ』 : 〈職人〉という イデオロギー

書評:大塚康生『作画汗まみれ 改訂最新版』(文春ジブリ文庫) いささか、大塚康生という人…

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『スクリーマーズ』 ほか : フィリップ・K・ディック原作映画について

映画評:クリスチャン・ドュケイ監督『スクリーマーズ』ほか 『スクリーマーズ』は、フィリッ…

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笠井潔・ 絓秀実 『対論 1968』 : 笠井潔における 「道具としての他者」

書評:笠井潔・絓秀実『対論 1968』(集英社新書) 本書は、「1968年」を頂点とした「民衆蜂…

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樋口毅宏 『民宿雪国』: 「知られざる傑作」の、 モラルと批評性

 書評:樋口毅宏『民宿雪国』(祥伝社文庫) 本当に素晴らしい小説を教えてもらったと喜んで…

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『今を生きる思想 ショーペンハウアー 欲望にまみれた世界を生き抜く』 : 自分の…

書評:梅田孝太『ショーペンハウアー 欲望にまみれた世界を生き抜く』(講談社現代新書) 講…

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フィリップ・K・ディック の 「人間らしさ」について : ジョン・ブラナー編 『ザ・ベスト・オブ・P・K・ディック 〈2〉』

書評:ジョン・ブラナー編『ザ・ベスト・オブ・P・K・ディック〈2〉』(サンリオSF文庫) 「ヒューマニズム」とは「ヒューマン・イズム」、つまり「人間主義」のことである。 そして、「人間主義」とは「人間・中心主義」のことであり、この言葉が生み出される背景にあったのは、キリスト教世界における「神・中心主義」だ。 つまり、「神殺し」の行われた「近代」西欧において、初めて「人間」が世界の主役に躍り出た。 それまでの長らく、人間とは、神に仕えるべき存在、神の望むところに従って生きな

ドキュメンタリー映画 『セールスマン』 : 売上競争に喘ぐ、聖書セールスマンのリアル

映画評:メイズルス兄弟、シャーロット・ズワーリン監督『セールスマン』 本作は『アメリカン…

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原一男監督 『全身小説家』 : 井上光晴という 「弱い男」

映画評・書評:原一男監督『全身小説家』、原一男著『全身小説家 もうひとつの井上光晴像』(…

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カール・バルト 『教会教義学』における 教会論 : 地上を旅する神の民

書評:井上良雄編『地上を旅する神の民 バルト「和解論」の教会論』(新教出版社) 本書は、…

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リドリー・スコット監督 『ブレードランナー』 :  レプリカント殺しの 警察官

映画評:リドリー・スコット監督『ブレードランナー』 言わずと知れた「SF映画の金字塔」。 …

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水谷緑 『私だけ年をとっているみたいだ。 ヤングケアラーの 再生日記』 : ある警察…

書評:水谷緑『私だけ年をとっているみたいだ。 ヤングケアラーの再生日記』(文藝春秋) 「…

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