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「思想・哲学」関連書のレビュー

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「思想」「哲学」関連のレビューを紹介します。
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2022年10月の記事一覧

鹿島茂『多様性の時代を生きるための哲学』: 社会的コントロールへの抵抗

書評:鹿島茂『多様性の時代を生きるための哲学』(祥伝社) フランス文学者で古書コレクター…

28

笠井潔 『煉獄の時』 : 十余年を費やした、 二段組800ページの力作

書評:笠井潔『煉獄の時』(文藝春秋) まったく期待していなかったのだが、面白かった。強く…

19

小谷野敦の読者は、レベルが低い。

身もふたもないタイトルだが、まったくの本音である。 小谷野敦の場合、その「人間性の低劣さ…

30

映画 『MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』: 職場で見る…

映画評:竹林亮監督『MONDAYS』 強くオススメである。 尖ったところはないが、よほどのひねく…

13

本格ミステリとは何か : 「やさしい共犯」の深層心理

本年(2022年)8月24日に亡くなった、旧友と呼んで良いだろう、ミステリ作家・光原百合につい…

16

小澤雅人監督 『ほどけそうな、息』 『一瞬の楽園』 : 「劇映画」という選択

映画評:小澤雅人監督『ほどけそうな、息』『一瞬の楽園』 社会問題を扱った中編映画と短編映…

7

小谷野敦 @jun-jun1965による、故・津原泰水への誹謗について

本年(2022年)10月2日に、59歳の若さで亡くなった小説家・津原泰水について、没後半月ほどで、早くも故人を誹謗するネット日記を、あえて公開したのが、文学研究者の「小谷野敦」である。「死人に口なし」を意識したとしか思えない、非常識なタイミングだ。 小谷野の、このおぞましい所業について、私は「昨年、私と小谷野の間で交わされたやりとりの、全ログを公開する」というかたちで、小谷野を批判する記事を、昨日アップした。 そちらにも書いたことだが、小谷野敦という著述家は、どうしようも

「故・津原泰水」を早速誹謗した男〈小谷野敦〉との、過去のやりとり「全記録」を再公…

以下にご紹介するのは、私が本年(2022年)8月1日までの約20年間開設していた電子掲示板「アレ…

19

日蓮の血脈 : 創価学会と 私の弟

【旧稿再録:初出「アレクセイの花園」2005年10月17日】 (※ 再録時註:要は「似た者兄弟」…

11

ゴダールの骸を抱いて セーヌは流れる

評論:ゴダール『勝手にしやがれ』『気狂いピエロ』    大隅正秋『ルパン三世』(テレビ1s…

16

映画 『バビ・ヤール』 : セルゲイ・ロズニツァが呼び戻した 〈歴史の闇〉

映画評:セルゲイ・ロズニツァ監督『バビ・ヤール』 私が今、最も「面白い」と思い、新作への…

14

千葉雅也、 二村ヒトシ、 柴田英里 『欲望会議 性とポリコレの哲学』: 〈畜群〉的…

書評:千葉雅也、二村ヒトシ、柴田英里『欲望会議 性とポリコレの哲学』(角川ソフィア文庫)…

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長山靖生 『日本SF精神史 【完全版】』: オタク的コレクターの精神史

書評:長山靖生『日本SF精神史【完全版】』(河出書房新社) 残念ながら、これは「日本SF精神…

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幸田泉 『大阪市の教育と財産を守れ!』: 市立高校の無償譲渡をめぐる住民訴訟の記録

書評:幸田泉『大阪市の教育と財産を守れ! 大阪市立の高校22校がむしり取られないために』(ISN) 大阪における「維新の会」の暴挙に対して行われている、現在も係争中の住民訴訟の記録(途中経過)である。 周知のとおり、「大阪市」をいくつかの特別区に分割した上で、政令指定都市としての独立性を奪い、市の財源ともども「大阪府」の管理下におこうとした「大阪都構想」は、二度の大阪市民による「住民投票」によって、二度とも否決された。 大阪市民は、大阪府に組み込まれ、利用されることを、明