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「思想・哲学」関連書のレビュー

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「思想」「哲学」関連のレビューを紹介します。
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2022年7月の記事一覧

「アレクセイの花園」より、最後のご挨拶

【転載:初出「アレクセイの花園」2022年7月30日】 (※ 本稿は、私の電子掲示板「アレクセイ…

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池上彰・佐藤優「日本左翼史」三部作:〈転向左翼〉の知ったかぶりと自己正当化

書評:池上彰・佐藤優『漂流 日本左翼史 理想なき左派の混迷 1972-2022』他三部作(講談社現代…

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井土紀州監督 『レフト・アローン』 : スカラベ・サクレか、 フンコロガシか

映画評:井土紀州監督『レフト・アローン』 【旧稿再録:初出「アレクセイの花園」2005年7月1…

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映画 『ガザ』 : 美しい風景と、 人々の日常と、 明日の保証なき〈生活〉

映画評:ガリー・キーン、アンドリュー・マコーネル監督『ガザ 素顔の日常』 ひさしぶりに「…

8

ささやかながら 貴重な 〈脅迫電話〉体験

【旧稿再録:初出「アレクセイの花園」2005年7月10日、12日、19日】 (※ 再録時註:脅迫電話…

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映画 『百年と希望』 と 日本共産党 : 組織が先か、 個人が先か

映画評:西原孝至監督『百年と希望』 今年は「日本共産党」の創立百周年ということで、関連出…

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決定版「湯浅政明論」 : 『ユリイカ 2022年7月臨時増刊号 総特集・ 湯浅政明』 をめぐって

書評:『ユリイカ 2022年7月臨時増刊号 総特集・湯浅政明 ―『マインド・ゲーム』『四畳半神話大系』から『映像研には手を出すな! 』、そして『犬王』へ』(青土社) 先日、私なりの「湯浅政明論」たる「アンチ・ヒューマンな、絵の人」を「note」アップし、湯浅政明というクリエーターに対する私なりの「疑問」については、「一応の決着」はつけた。その上で、批評誌『ユリイカ』の「湯浅政明特集号」を読むことにした。 「湯浅政明論」が多く掲載されているであろう、本誌(本号)を先に読んでし

出版不況下における、権威主義とポピュリズム

【旧稿再録:初出「アレクセイの花園」2005年7月10日】 (※ 再録時註:今では「出版不況」な…

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小川哲 『地図と拳』 : 何もかも風のやうに過ぎてしまひますわ。もうぢき。

書評:小川哲『地図と拳』(集英社) 600ページを超える大作であり、久々の長編ということで…

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セルゲイ・ロズニツァ監督 『ドンバス』 : 理想と諦観の 〈メタ・フィクション〉

映画評:セルゲイ・ロズニツァ監督『ドンバス』 ロシアのウクライナ侵攻が始まって4ヶ月あま…

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中井英夫 『戦中日記 彼方より』 : そこにこそ 詩の故郷はある

書評:『中井英夫戦中日記 彼方より〈完全版〉』(河出書房新社) 【旧稿再録:初出「アレク…

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ネタバレ〈エセ過保護〉社会の日本人

私の「note」記事を、何百人かの人が読んで(見て?)くれているはずだが、そうした中で、私が…

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湯浅政明論 : アンチ・ヒューマンな、 絵の人

映画評:湯浅政明監督『きみと、波にのれたら』他 このひと月、湯浅政明監督の仕事について考…

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いつでも世界のどこかで : 綿井健陽監督 『Little Birds イラク 戦火の家族たち』

【旧稿再録:初出「アレクセイの花園」2005年6月18日】 (※ 再録時註:「テロに屈してはならない」「言論と民主主義に対する挑戦だ」といった、紋切り型のコメントとは、すなわち「死んだ言葉」であろう。政治家の皆さんとしては、本音をそのまま語るわけにもいかない、という事情は、私にも理解できる。実際、私も、安倍晋三元首相が殺されたと聞いても、大きな衝撃などなかった。「まあ、そういうこともあるだろう。あってもおかしくはない」という感じで、人間としての一片の同情も感じなかった。なぜ