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「思想・哲学」関連書のレビュー

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「思想」「哲学」関連のレビューを紹介します。
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2022年5月の記事一覧

戦争による〈心の傷〉:柴田錬三郎『地べたから物申す』

書評:柴田錬三郎『地べたから物申す』(集英社文庫) 本書は、1974年に刊行されたエッセイ集…

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満若勇咲監督 『私のはなし 部落のはなし』 : なぜ〈差別〉は 無くならないのか?

映画評:満若勇咲監督『私のはなし 部落のはなし』 というのが、本作のリードコピーである。…

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斉加尚代監督 『教育と愛国』 : 〈洗脳教育〉の成果はすでに?

映画評:斉加尚代監督『教育と愛国』 先日、公開されたばかりの、ドキュメンタリー映画『教育…

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小川哲 『ゲームの王国』 : ゲームを葬る〈メタ・ゲーム〉

書評:小川哲『ゲームの王国』(早川書房) 私は「ゲーム」が好きではない。 と言っても、私…

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春日武彦 『奇妙な情熱にかられて ミニチュア・ 境界線・ 贋物・ 蒐集』 : 〈変態表…

書評:春日武彦『奇妙な情熱にかられて ミニチュア・境界線・贋物・蒐集』(集英社新書・2005…

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庵野秀明 & 樋口真嗣 『シン・ウルトラマン』 : いま、ウルトラマンを描くこと

いま、ウルトラマンを描くというのは、もちろん容易なことではない。なぜなら私たちは、人間の…

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信田さよ子 ・ 上間陽子 『言葉を失ったあとで』 : 〈現場で闘う〉人の 言葉

書評:信田さよ子・上間陽子『言葉を失ったあとで』(筑摩書房) 本書は、カウンセラー(臨床心理士)の信田さよ子と、社会学的調査研究に止まらず当事者対応にも関わり、それをノンフィクションとして公刊して注目されている上間陽子の、対談集である。 私は、信田さよ子と上間陽子の二人とも、読むのは初めてなのだが、これは大変面白い本だった。 何が「面白い」のかといえば、要は「ホンネ本」だということなのだ。 では、その「ホンネ」とは、どういうことに関して、どこから語られる「ホンネ」なのか。

野間宏 『青年の環』 : 長いくてしんどい物語

書評:野間宏『青年の環』(岩波文庫) いまどき、野間宏の『青年の環』と言って通じる、30歳…

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石原大史 『原発事故 最悪のシナリオ』 : 日本的な、余りにも日本的な。

書評:石原大史『原発事故  最悪のシナリオ』(NHK出版) 本書は、テレビ番組「NHK・ETV特集 …

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『現代思想』 [特集] 自由意志 : 思考主体の〈アポリア〉

書評:『現代思想』2021年8月号[特集]自由意志 脳と心をめぐるアポリア(青土社) 本書の…

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