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「思想・哲学」関連書のレビュー

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「思想」「哲学」関連のレビューを紹介します。
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2021年12月の記事一覧

佐々木チワワ 『 「ぴえん」という病 SNS世代の消費と承認』 : 一億総〈ぴえん〉化…

書評:佐々木チワワ『「ぴえん」という病 SNS世代の消費と承認』(扶桑社新書) 「ぴえん」…

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ミシェル・ド・セルトー 『日常的実践のポイエティーク』 : 〈反権威〉という誤認・…

書評:ミシェル・ド・セルトー『日常的実践のポイエティーク』(ちくま学芸文庫) 本書邦訳単…

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〈リベラル〉にしか持ち得ないもの。

書評:マイケル・フリーデン『リベラリズムとは何か』(ちくま学芸文庫) 「リベラリズムとは…

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三井誠 『ルポ 人は科学が苦手 アメリカ 「科学不信」の現場から 』 : ノブレス・…

書評:三井誠『ルポ 人は科学が苦手 アメリカ「科学不信」の現場から 』(光文社新書) 本書…

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飛浩隆 『SFにさよならをいう方法 飛浩隆評論随筆集』 : 〈ムラ宇宙〉からの脱出速…

書評:飛浩隆『SFにさよならをいう方法 飛浩隆評論随筆集』(河出文庫) 飛浩隆は、若くして…

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若松英輔・ 山本芳久 『危機の神学 「無関心というパンデミック」を超えて』 : 通…

書評:若松英輔・山本芳久『危機の神学 「無関心というパンデミック」を超えて』(文春新書) …

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若松英輔・ 山本芳久 『キリスト教講義』 : 聖フランチェスコ vs 教皇イノケンティウス3世 のプチ再演

書評・若松英輔・山本芳久『キリスト教講義』(文藝春秋) 本書の内容は、宗教に興味のある人には、決して難しいものではない。と言うよりも、より正確に言うならば、本書は「平易」に書かれている。しかし、そこが曲者であり、そこを読み取らないでは、読書の名に値しない。 対談者である、若松英輔は「霊性(スピリチュアリティ)」を強調する個人主義的なカトリック信者であり、いわばキリスト教における「修道院」的な伝統に連なる人だ。一方、山本芳久の方は、キリスト教が「反近代」に傾いた時期にカトリ

施川ユウキ 『バーナード嬢曰く。 6』 : 〈承認と否認〉をめぐる 葛藤の果てに…

書評:施川ユウキ『バーナード嬢曰く。』第6巻(REX COMICS・一迅社) 施川ユウキの作品はほ…

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『宗教問題 Vol.36 2021年秋季号 大特集 ネットが宗教を食い荒らす!』 : 〈宗教〉…

書評:『宗教問題 Vol.36 2021年秋季号 大特集 ネットが宗教を食い荒らす!』 誌名どおり「…

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嘘つきによる嘘つき批判を〈偽善〉と言う。 : 元「左翼」佐藤優のウソ

書評:池上彰・佐藤優『激動 日本左翼史 学生運動と過激派 1960-1972』(講談社現代新書) 昔…

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白取千夏雄 『 『ガロ』に人生を捧げた男 全身編集者の告白』 : 想いと現実の狭間、…

書評:白取千夏雄『『ガロ』に人生を捧げた男 全身編集者の告白』(興陽館) 若くして、伝説…

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牧眞司編 「ラファティ・ベスト・コレクション」 : 愛嬌のある〈ホラ吹き怪獣〉 R…

書評:R・A・ラファティ著、牧眞司編「ラファティ・ベスト・コレクション」全2巻:第1巻『…

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野呂邦暢 (著)、 岡崎武志、 古本屋ツアー・イン・ジャパン (編) 『野呂邦暢 古本…

書評:野呂邦暢(著)、岡崎武志、古本屋ツアー・イン・ジャパン(編)『野呂邦暢 古本屋写真…

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折口信夫 『死者の書・身毒丸』 : 〈同性愛者という貴種〉 の流離

書評:折口信夫『死者の書・身毒丸』(中公文庫) 「死者の書」と「身毒丸」。いずれも、読みやすい作品ではない。 松岡正剛が「千夜千冊」で『死者の書』を採り上げ、絶賛しながらも、次のように書いている。 松岡正剛が「読んでみろ」とすすめる相手なのだから、それなりの読書家たちなのだろうが、そうした人たちをしても、一読で理解するのは困難なのだから、私たち一般読者が、一読でわからないのは当たり前。むしろ、一読でわかったようなことを言っている人の方が、じつは(松岡正剛を含めて)怪しいの