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「思想・哲学」関連書のレビュー

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「思想」「哲学」関連のレビューを紹介します。
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2021年11月の記事一覧

長崎ライチ 『地球に生まれちゃった人々』 : 〈宇宙人〉の悲しみ

書評:長崎ライチ『地球に生まれちゃった人々』(ハルタコミックス・KADOKAWA) 初出が明記さ…

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長崎ライチ 『阿呆にも歴史がありますの』 : 濃厚きわまる〈詰め合わせ〉

書評:長崎ライチ『阿呆にも歴史がありますの』(BEAM COMIX・エンターブレイン) 長崎ライチ…

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高橋繁行『土葬の村』 : 葬送習俗における〈意味と無意味化〉

書評:高橋繁行『土葬の村』(講談社現代新書) 帯に『滅びゆく弔いの風習』『これは恐らく、…

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佐藤学、上野千鶴子、内田樹 編『学問の自由が危ない 日本学術会議問題の深層』 : …

書評:佐藤学、上野千鶴子、内田樹 編『学問の自由が危ない 日本学術会議問題の深層』(晶文…

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松竹伸幸 『〈全条項分析〉 日米地位協定の真実』 : 観念に生きる〈ネトウヨ〉、 信…

書評:松竹伸幸『〈全条項分析〉日米地位協定の真実』(集英社新書) 「日米地位協定」におけ…

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また、「自民党ネットサポーターズクラブ(J-NSC)」の会員で、菅義偉前首相の支持者…

お馴染みのネトウヨ 「hirokifujioka」さんが、私の記事「〈倫理〉としての犯罪容疑者弁護 : …

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〈倫理〉としての 犯罪容疑者弁護 : 映画 『モーリタニアン 黒塗りの記録』

映画評:ケヴィン・マクドナルド監督『モーリタニアン 黒塗りの記録』 「9.11 アメリカ同時多発テロ事件」が起こったのは、2001年のことだから、すでにアメリカの若者の中にも、この事件のことをよく知らない者が少なくないそうだ。20年とは、歴史を風化させるに十分な時間なのである。 これは日本の「戦後二十年」(1965年=昭和40年)にも言われていたと、1962年生まれの私も、なぜか記憶している。 本作、映画『モーリタニアン 黒塗りの記録』は、「9.11 アメリカ同時多発テ

簡単に言うと 〈加速主義〉とは、こういうこと。

書評:『現代思想 2019年6月号 特集=加速主義』(青土社) ちょっと長めの前置きをしてから、…

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エンゲルス 『空想より科学へ』、 浜林正夫 『エンゲルス 『空想から科学へ』』 :…

書評:エンゲルス『空想より科学へ』(岩波文庫)    浜林正夫『エンゲルス『空想から科学…

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宿命的絶対性に抗する道

昨年(平成9年)暮れの関ミス連大会のゲストは、清涼院流水だった(※ 平成9年=1997年)。 …

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二枚のカード 一一京極夏彦と清涼院流水

京極夏彦のデビュー作『姑獲鳥の夏』に対し、竹本健治は「近年勃興したミステリ・ルネッサンス…

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志村真幸『熊楠と幽霊』 :〈曼陀羅〉的な、熊楠の宇宙

書評:志村真幸『熊楠と幽霊』(インターナショナル新書) 本書は、南方熊楠研究者による長編…

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清涼院流水 『どろどろの聖書』 : 〈カトリック洗礼〉の力、 清涼院流水の「今」

書評:清涼院流水『どろどろの聖書』(朝日新書) キリスト教関連の新刊書はこまめにチェック…

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山本昭宏『原子力の精神史 ――〈核〉と日本の現在地』 : 誰でもなく、自分自身の〈忘却〉に抗して

書評:山本昭宏『原子力の精神史 ――〈核〉と日本の現在地』(集英社新書) あの東日本大震災から、そして福島第一原発事故から、早10年。私はずっと大阪在住で、阪神淡路大震災の経験者だから、東日本大震災には「最近」という印象がどこかにある。 先日、榊原崇仁『福島が沈黙した日 原発事故と甲状腺被ばく』(集英社新書)を読んで、レビューを書いた時には、今年であれから10年だとは、そこに書かれていてすらピンと来ず、本書を購入した際にもまだ気づいていなかった。その後、書店に福島原発事故