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「思想・哲学」関連書のレビュー

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「思想」「哲学」関連のレビューを紹介します。
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2021年10月の記事一覧

楊海英 『内モンゴル紛争 危機の民族地政学』 : 〈ネトウヨ〉が大喜びする 「嫌中…

書評:楊海英『内モンゴル紛争 危機の民族地政学』(ちくま新書) 著者は、日本在住のモンゴ…

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上野千鶴子 ・ 鈴木涼美 『往復書簡 限界から始まる』 : ひとりの〈男〉として応答…

書評:上野千鶴子・鈴木涼美『往復書簡 限界から始まる』(幻冬舎) 往復書簡である本書の「…

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佐高信『佐藤優というタブー』 : 〈薄く広くかつ創造性なし〉が、クイズ王・佐藤優の…

書評:佐高信『佐藤優というタブー』(旬報社) 佐藤優が、「物書き」として「二流」であると…

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青野太潮 『どう読むか、新約聖書 福音の中心を求めて』 : 誠実な信仰における 〈…

書評:青野太潮『どう読むか、新約聖書 福音の中心を求めて』(ヨベル新書) 私は、「宗教」…

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飛浩隆 『ポリフォニック・イリュージョン 飛浩隆 初期作品集』 : 〈見えているもの…

書評:飛浩隆『ポリフォニック・イリュージョン 飛浩隆初期作品集』(河出文庫) 親本を買っ…

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岡本裕一朗 『ポスト・ヒューマニズム テクノロジー時代の哲学入門』 : 〈人間〉は…

書評:岡本裕一朗『ポスト・ヒューマニズム テクノロジー時代の哲学入門』(NHK出版新書)…

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〈ポンチ絵〉と「プロのデッサン画」のごとき 格差 : 浮世博史 『もう一つ上の日本史 『日本国紀』読書ノート : 近代~現代篇』 『同 古代~近世篇』

書評:浮世博史『もう一つ上の日本史 『日本国紀』読書ノート: 近代~現代篇』『同 古代~近世篇』(幻戯書房) たいへんなベストセラーとなった、百田尚樹の『日本国紀』(幻冬舎)。しかしまた、「日本通史」を名乗るわりには、その内容があまりにも恣意的であり事実誤認の多いこと、さらには無断転用(コピペなど)の多いことまでもが問題となった「話題の書」だったが、本書は、その『日本国紀』を、学術研究の成果に照らして検証し、その誤りを懇切丁寧に正した、上下巻合わせて900ページに及ぶ、大部

ブルーハーツの遺した 〈重い荷物〉を : 陣野俊史 『ザ・ブルーハーツ ドブネズミ…

書評:陣野俊史『ザ・ブルーハーツ ドブネズミの伝説』(河出書房新社) 本書は、音楽評論で…

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藤永茂『ロバート・オッペンハイマー 愚者としての科学者』 : 「原爆の父」という…

書評:藤永茂『ロバート・オッペンハイマー 愚者としての科学者』(ちくま学芸文庫) 「原爆…

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小畑健、 大場つぐみ 『DEATH NOTE 短編集』 : DEATH REVIEW あるいは 「Cキラ」と…

書評:小畑健、大場つぐみ『DEATH NOTE 短編集』 (ジャンプコミックス・集英社) 「キャラク…

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中西嘉宏『ロヒンギャ危機 「民族浄化」の真相』 : 彼らは、私たちの〈似姿〉である…

書評:中西嘉宏『ロヒンギャ危機 「民族浄化」の真相』(中公新書) 「ミャンマー国軍による、…

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谷岡一郎は 〈ネトウヨ御用達 (三流)学者〉であるか? : 『悪魔の証明 なかった…

書評:谷岡一郎『悪魔の証明 なかったことを「なかった」と説明できるか 』(ちくま新書) …

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伊藤典夫 編訳、 ガードナー・R・ドゾア 他 『海の鎖』 : 古びない〈古き良きSF〉ア…

書評:伊藤典夫編訳、ガードナー・R・ドゾア他『海の鎖』(国書刊行会) 〈未来の文学〉シリ…

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島田裕巳 『捨てられる宗教 葬式・ 墓・ 戒名を捨てた 日本人の末路』 : ここまで来ている 〈葬礼意識〉

書評:島田裕巳『捨てられる宗教 葬式・墓・戒名を捨てた日本人の末路』(SB新書) 数ヶ月前、会社の後輩が法要のことで嘆いていたので、助言してあげた。 彼岸法要の開催について、寺から連絡があったのだが、その日は仕事で参加できないと返事したところ、住職から「法要代だけ支払って」欲しいと言われ、それが5万円だかなんだかするというのだ。 私は「宗教」を捨てた人間だから、もちろんそういう法要は一切しないし、元創価学会員だから、定例法要の連絡をしてくる寺などもないので、そういうことは