山竹伸二 『人はなぜ 「認められたい」のか 承認不安を生きる知恵』 : 不徹底な還元主義と 〈医者の不養生〉
書評:山竹伸二『人はなぜ「認められたい」のか 承認不安を生きる知恵』(ちくま新書)
本書に書かれていることは、「基本的な考え方」としてなら、決して間違ってはいない。と言うか、ごく「常識的・一般的」な意見だと言っていいだろう。したがって、本書前半で語られる、現代社会において顕在化している「承認欲求不全」の問題についての、著者の分析・解説などは、聞くべきところも多々あって、たいへん参考になる。
だが、いささか「万人受けしやすい」著者の論法には、警戒すべき点がある。本書著者には、