そうか、もう君はいないのか。
そうか、もう君はいないのか。
ふと思ったんだ。
そんなに遠くにはいないけど、
記憶の片隅にもいなくなってしまったんじゃないかって。
私は元気です。
あなたがいない日々もまあ笑顔で過ごしています。
コロナになって一年は経ちました。
生活は変わったようであまり変わっていなくて、
大切にしたいものの欠片も変わっていないと思います。
変わったところで言うと、自分を大切にするようになった。というところでしょうか。
なんで自分が不機嫌なのか。なぜ辛くて涙が溢れてしまうのか。
あなたに愛されなくなってから自分にずっと問いかけていました。
あなたは元気にしていますか?
今はどの国の景色を思い出していますか?
その隣には誰がいるでしょう。
私が人を好きになる瞬間の一つに、”匂い”があります。
あなたの牛乳石鹸の匂い。陽に干した後の、ちょっと厚手の白いコットンTシャツを着たあなたの匂い。
寿司を食べてて匂いがまとわりつくと、匂いに敏感なあなたでしたが、
あなたはいつも私の中で”いい匂い”がしていました。
人に対して優しいところ
どこか気にしいなところ
疲れすぎてお風呂に入れずちょっと酸っぱい匂い
お皿洗いが嫌いでヘドロみたいにすごく臭いって言って
傷ついた時の匂い。
あまりあなたから抱きしめてもらうことはなかったけれど、
一度知った強くギュッと抱きしめてくれた時のちょっと肉厚な匂い。
私の思い出にあなたの匂いは欠かせませんでした。
いま、あなたがどんな日々を過ごしていて、何に感動して、
何をしたくて、何をしているときに笑っていて、
何をしていると傷つくのか。
次にどんな景色を見たいのかは、私はわかりません。
でも、なんとなく元気なんだろうなあって思っています。
私のことを思い出してなんて言わないけれど、
私はあなたのことを時々思い出しています。
2021.2.5
nengyuan
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