博論日記22/365:本にまみれている
一昨日ようやっと日本の自宅への帰還を果たしたわけだが、改めて思う。本が多い。非常に多い。ロシアの自宅もそれなりに本が多い生活を送っていたが、日本の自宅は本が多すぎて床が少ない。
「床が少ない」の出典はこちら。
ロシアにいる間にもAmazonで本を注文していたりした。品切れになってしまうと二度と買えない本や、中古市場で手頃な値段で売っているのが一冊しかない本が多いからだ。本は一期一会の存在であるという真理を、大学で知り合ったロシア音楽を専門とする先生に教えてもらった。それからおおよそ10年が経つが、本当にそのとおりだと思わされることばかりだ。あるときに注文しないと、本は私の手をするりとすり抜けて誰かの手へと渡ってしまう。こうやって人は散財を繰り返していき、部屋にはろくに読みもしない積ん読本が増えていく。
最近買った、いずれ使いそうだが一番使わなそうな本は、1885年にパリで刊行された『鯉の牧人/プリンセスワタナベ Le Pasteur Carpes. La Princesse Vatanabe』の古本。二作の短編が収録されている挿絵付きの冊子である。
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