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『行きたくない!』 “何が”しんどいかなんてもう分からない!もう全部。もうとにかくしんどかったの。 / ブラック企業を辞めてきましたVol.2

ブラック企業脱出をした私が立ち向かった“何か”


新卒3年目だった私が、アレルギー・鬱を発祥し、闘い、ブラック企業を脱出するまでのお話をしながら、“もう少し生きやすい社会にするために”、“もう少し自分を大切にするために”、私なりの気づきを綴って行きます。



前回の記事 / これまでの経緯を簡単に書いています。




今回は、自分が“何に”苦しみ、どう向き合うかについてお話します。


絶望の毎日

入社1年目、始業前、先輩や上司が出社するまでに掃除や雑務をすることから業務はスタートします。大きな機械音が響き渡り、木屑や埃が舞い、空調設備の無い木工場での大工仕事、力仕事をするのが私の仕事でした。学生の頃から運動は苦手で、体も小柄、体力に自信があった訳ではありません。体中に切り傷や痣を作りながら仕事を覚えていきました。着衣泳をしたのかと思うほどの汗をかきながら、ある時はジリジリと刺すような直射日光に当たりながら、またある時は土砂降りの雨の中での業務、そんな日々が続き体力は消耗していきました。束の間の休日は倒れるように寝込むのが習慣となっていきました。
そして、業務の中には実際にイベントが行なわれる会場に出向き“施工管理”をするシチュエーションがあります。資材など物の管理、安全管理、指示出しなどで工程管理をして現場コントロールをする業務です。クライアントの意向を読み解く、または促す力、それを大工やアルバイトへ指示するためのコミニケーション能力も重要です。そして現場では予想外のハプニングや、不可抗力的なアクシデントがつきもので、その責任と主導権は現場管理者の自分にあり、臨機応変な対応力が必要とされていました。私は人の顔色を伺う性格と経験値の少なさから対応に苦しんでいました。それが伝わっていたのか、何か起る度に大工や周りの業者などに『だから舐められるんだよ。』『はっきりしろよ。』と責められることが多くなり、精神的にも追い詰められていました。


毎朝毎朝、『今日が来てしまった。』と目を覚ましました。
毎晩毎晩、『明日が来ませんように。』と祈りながら目覚ましをセットしました。


そんな絶望感でいっぱいの毎日でしたが、人前に立つと自分の顔は笑顔に変わりました。悟られたくなかったのか、強がっていたのか、自分にも分かりませんでしたが、不思議と感情と反する顔を反射的に作っていました。
そして、段々と自分の感情が分からなくなって行きました。


そして、崩壊。


ある夏の仕事中に急な目眩いと過呼吸を起こしました。病院に行くとアレルギーによるアナフィラキシーショックと診断されました。元々、軽度の喘息やアトピー性皮膚炎を患っていましたが、木屑やハウスダストなどの粉塵、生活習慣の乱れ、過度なストレスなど、労働環境が大きな原因で症状が現れてしまったということでした。その旨を上司に伝えることが仕事から逃げるための口実のような気持になり苦しくなりましたが、診断書を持って相談しました。
そこで、業務が辛いときには申し出るように言われ、苦しさと恐怖を抱えながらも、マスクと手袋を着用して出来る業務を行ないました。
ですがそれから数週間、繁忙期を迎え、私のアレルギーの存在が忘れ去られるかのように業務は溢れてきて、残業時間も更に増えていきました。
そして、私自身も自分の体の悲鳴を無視し始めてしまいました。



しんどいの正体は“何か”

当時の私はただガムシャラに目の前の仕事を頑張っていました。労働環境が自分をしんどくさせていて、それはどうしようもないと諦めてしまったのだと思います。ですがそれは、自分自身が抱えているしんどいを、会社の問題にすり替えていました。


・力仕事/残業時間
・あたりの強いクライアントや大工
・アレルゲンの多すぎる環境

これらは、確かに私をしんどくさせていた要素です。ですが問題の本質は違います。

・力仕事/残業時間=体力と仕事内容が不釣り合い
・あたりの強いクライアントや大工=経験や知識と信頼関係の不足
・アレルゲンの多すぎる環境=適応環境の不一致

この状況をただしんどいと感じているのは私自身であり、問題なのはしんどいを受け入れてしまったことです。私がいくらしんどいを感じていても、その環境が変わることはありません。
ストレスや考えることが散乱する社会の中では、このことに気づけなかったり、忘れてしまうことが多いと思います。そして環境は簡単には変えられません。だからこそ自分と向き合うことがとても大切なのだと思っています。




“しんどい”の正体を知ること

私は与えられた仕事を遂行することこそが誠意だと感じ、アレルゲンに溢れた場所で耐えていましたがそれは間違いでした。自分にできる仕事を探して、出来ないことは助けてもらう。それも1つの大きな気づきでした。周りとコミニケーションをとって助け合いながら環境を変えて行きました。
アレルギーの発作に繋がるアレルゲンを知るのと同じように、自分がしんどくなる原因の一つ一つを具体的にする。そうすれば、具体的な対応が出来ます。具体的な対応をすると、具体的に環境は変わります。何事もまずそこから始まるのだと実感しています。

次の記事では、“コミニケーション”をテーマに誰もが感じたことがあるであろう“しんどい”をより具体的にしてその具体的な対応のお話をしていきたいと思います。


今後も、“自信” “承認欲求” “慣れ” “コンプライアンス”などなど、会社の中で感じた“しんどい”と、その具体的な対応方法をお話させていただきます。

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