心と体がバラバラに動いている
今日は仕事場に二人だった時間がいつもよりあって、
普段より話す機会が多かった。
たわいもない会話をしながら、
頭の中でふともう一人の自分が
お前は誰だ?と言っていた。
彼と、他の人と同じように
張り付いた笑顔で話しているわたしは
一体誰なんだろう。
たまに、こんな自分が怖くなる。
話すときは決して無理はしてなくて、
普通に楽しく話せている自分の心がどこにあるのか。
夫婦だったときより、仕事の話が明瞭にできるようになって、お互い協力的に相手を思いやる仕事のやり取りになったと思う。
なのに、
家に帰るとなんだか本当の自分に戻るかのように、彼と話す時間が多かった日は、
なぜだか涙がたくさん流れてくる。
頭と心が体が繋がっていないみたいに。
なんだか、考えてしまいそうな頭と
なんだか、痛んでしまいそうな心に
気づかないふりをして、
レモンサワーを喉に流し込む。
それなのに、涙が止まらないのは、
最近笑ってくれるようになったからだと思う。
最後の方は全然笑いかけてくれなかった彼が、
他人になったわたしに笑いかけてくることが、
嬉しいようで哀しいようで、
よくわからないけれど。
彼が幸せに暮らしてくれると、
少しほっとするんだ。
別れたことで、彼が楽になれたのなら。
他の誰かでも彼が一人で寂しく生きないように、幸せにしてもらっているなら。
この別れが、なくてはいけなかったものと、
自分に確認ができるから。
わたし、彼の笑った顔が本当に好きだった。
彼が笑うと、わたしもなんだか幸せな気持ちになれたの。
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