持ち物は少ない方がいい
欲張らない方がいい。
持ち物は少ない方がいい。
一人の生活に慣れてしまえば、
本当に自分はこっちの生活の方が
向いているんだなと日に日に実感する。
誰かのことで胸を痛めることも
誰かのことで感情がぶれることもなく
自分の気持ちだけで行動ができる。
誰かのせいにしなくて済む。
誰かを傷つけることも
誰かを哀しませる不安もなく
自分の好きなように生きれる。
自分の気持ちを偽らなくて済む。
あまりにもたくさんのものを持ちすぎていたのかなとも思う。
身に余るくらいいっぱいいっぱい持って
ないもの欲しがって。
苦しくなって。わからなくなって。
持っているものは少ないけれど、
今の方がよっぽど心穏やかで、幸福度が高い。
手に入るものは全部自分が手に入れたもので。
わたし、きっと彼の周りの人たちが怖かった。
いい妻にみられよう、彼の大切なひとを大切にしよう、
仕事上、人間関係まで全て彼に合わせていた自分がいた。
いつの間にか、わたしは何者かわからなくなった。
彼を狭間にした一枚壁の向こうの人間関係ばかりになって、
いつだって彼の付属品な気がしてた。
「わたし」という人間と関わりたいのではなくて、
彼の妻だから、が、いつだってついてくる気がした。
勝手に自分がそんなことに振り回されていて、
いつもどこか息苦しかった。
自信もどんどんなくなって、うまく笑えなかった。
けど、今は
わたしが会いたい人だけに会えて
わたしが欲しいものだけを選べて
わたしをわたしとして見てもらえるようになって
前よりずっと少ないけれど、
前よりずっと持っているような気がする。
持ち物は少ない方がいい。
持ちすぎたら、本当に大切なものはわからなくなる。
少なくていい。
自分にとって大切なものだけに溢れていれば。
今、わたしには何もないけれど、
今を生きるというこの瞬間に関しては
離婚する前よりずっと自分らしく生きているということ。
息がしやすくなったということ。
彼と本当はこういう風に幸せになりたかった、
が一番の願いと後悔だったし、それはきっと
ずっと変わらないし消えないけれど、
楽になったのは本当。安心したのも本当。
もうわたしは、わたしとして生きるしかないのだと。
自由と責任はいつも紙一重。
自分の人生、自分で選んで自分で責任をとる。
そんなことが、とても怖いこともあるけど
尊く感じてる。
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