少女レイ・考察もどき 〜俺はこういう解釈が好き〜
こちらはガチ考察ではありません。
そして、公式MVから得られるの情報のみで考えたものです。
初めにこの音楽を聴き歌詞を見た時にパッと思い付いた「ここワンチャンこういう意味なんじゃね?」「こうだったら面白い」といった可能性をTwitterで長々話してしまったので、折角だし加筆修正して纏めて書いておこう!っていうやつです。
なので「ここおかしくない?」みたいな部分があるかも知れませんし、文が整っておらず分かりづらいかもしれません。謝罪しておきます。
⚫︎どのパターンでも共通する解釈の話
大まかなストーリーライン
「僕」は「君」が好きである。
「僕」は「君」の1番になりたかった。
→虐めの標的になる様仕向け「君」を孤立させようとする。
結果として、ある夏の日に「君」は自ら命を絶ってしまう。
その後、後を追う様にして「僕」は踏切で電車に轢かれる。
そうして最終的に、2人とも死んでいる。
『本能が狂い始める』
生存本能が。
『ハツカネズミ』
弱い者、簡単に潰されてしまえる状況の例え?
『永遠に千切れてく お揃いのキーホルダー』
二度と戻らない、取り返しが付かない事の表現。
『哀しい程 とり憑かれて仕舞いたい』
自分が「君」にした仕打ちを赦さないで欲しい。
呪いでも亡霊でも良いから、「君」にもう一度会いたい。
実際に物理的に取り憑かれている訳では無い。
もし呪いがあるとしたら「僕」が「僕」に掛けているもの。
『九月のスタート』
夏が「君」の命日なら、約1年間耐えた訳だ。すごいね。
『次の標的に置かれた花瓶』
つまり、前に的になっていた人物が居る。
『仕掛けたのは僕だった』
「君」を孤立させる為。
自分に依存して欲しいと思ったのか?
どんな形でも良いから「君」の唯一になりたかったのか?
『不揃いのスカート』
「君」を虐げる者達のスカート丈がそれぞれバラバラである
それからこれは個人の感じ方の問題なのですが、不揃い(バラバラ)と言われると少なくとも4ぐらい数がある状況を想起する人間なので、人数多いんかな……と思ったりしています。
「君」のスカートが切り裂かれて不揃いである、の可能性も有り。
『 君は友達 』
「僕」がいつか「君」に言われた言葉のリフレイン説。
「僕」が自分に言い聞かせている説。
『透き通った世界で』
死後の世界で。
同時に、悪意も嫉妬もドロドロした良くない感情全部、そういうのが何もない綺麗な世界で、というのもあるのでは。
『愛し合えたら』
貴女と恋人になりたい。どうか貴女も僕に恋をして。
↑これでも良いが、
自分とは形が違うとしても、君に好かれていたい。我儘を言わず、死ぬまで親友として愛し合えていたら良かった。みたいな、叶わなかった幸せな未来についてや、やり直せたら次は……の様な後悔だったらわたくしが喜びます。
⚫︎踏切へ飛び出したのは誰なのか?
この部分のシーンで踏切へ入って居るのはどちらなのか。
また、そう考える場合時系列はどうなのか。
3パターンある内、筆者の好みはパターン②です。
「君」である場合。
◇パターン①
過去のあの日の記憶であり、踏切へ飛び出した「君」を引き戻そうとする「僕」のシーンである。
時系列:虐めの描写がある2番の後。物語中盤辺り。
虐めを苦に、「君」は自死を選んでしまった。
Q. ここの歌詞に「僕」が焦ってる感じが無くて違和感があります。それに、悠長に言っている暇があったら力尽くで引き戻せそうな気がしますが……。
A. ちょっと思った。考えられるものとしては、
・そもそも「君」が自死を選んだ時は心中する気でいたので、そこまで焦りが無い。
・物理で引き留めようとは思ったが、手を伸ばす他に身体が動かなかった。
・実際は「君」は電車が来ると同時に飛び込んでおり引き止める猶予など無く、〇〇は考えた[この間0.1秒] みたいなやつ(伝わるだろうか、この例え…)だった。
「僕」である場合。
◇パターン②
現在進行形であり、後悔や罪悪感諸々に耐え切れず後を追おうと踏切へ入った「僕」のシーンである。
時系列:2番を経て「君」が居なくなった後。物語終盤。
今から君の元へ行くよ。僕は踏切の中に入り、電車を待った。
どうか、僕を死へと引き摺り込んで欲しい。
きっとそっちの世界でだって独りぼっちなんだろう。
◇パターン③
過去の回想であり、踏切へ飛び出した「僕」を引き戻そうとする「君」のシーンである。
時系列:物語の発端。
「急に何言ってんだお前」と思った方、一旦聞いてください。
「僕」が元々虐められていた、って解釈もなかなか面白いんじゃないか?という話。そもそも虐めの的になっていた人物が、『次の標的に〜』の項目で言った “前に的になっていた人” が、「僕」である、という可能性の話。
「僕」は虐めを苦に踏切へ入った。しかし、 そこに偶然通りがかった「君」に引き止められるのです。私が友達になるよ、居場所が無いなら私が居場所になってあげる、と手を差し伸べられて。
ここから「君」に惹かれて狂っていって欲しいですね。 「君」には他にも友人が居ますから、同じ状況に引き摺り込んで、「今度は僕が君を助けるよ、僕だけは君の側に居るよ」と、鳥籠の中に二人きりみたいな状況を目指すのですよ…… 。
このルートの場合、虐めのやり方がそこまで派手では無かった事、「君」が悪意に鈍感である事が前提条件として必要にはなりそうですが。
あと、ちょっと飛んで終盤の歌詞に触れますが、
のくだりが、心理的なものだけでなくガチのやつになりそうです。
⚫︎「君」の死に場所は本当に踏切なのか?
まずはこちらの歌詞をどうぞ。
学校の屋上からの飛び降りである可能性。
少女レイの考察ですと、「君」の死因は踏切への投身、という解釈が主流な様に思われます。
が、わたくしはどうしても、この可能性が拭えないのです。
だって、ちょっと違和感ないですか、仕打ちに対する反応の悲鳴としては。
悲鳴を上げさせる程の仕打ちをしているなら音がある筈で、静寂から急に、というのが引っかかる。
個人差はあるだろうが、悲鳴を上げるにしてもいじめられっ子が切り裂く様なと言わしめる程の大きな声を出すイメージが無い、というのもあります。
それから、この後窓に視点が行ってるのも気になるのです。
なので私の考えとしては、
授業中、ふと窓を見た誰かが「君」が落ちていく姿を見てしまい悲鳴を上げた。飛び降りと知って「僕」が窓の外を見る頃にはもう人影はなく、怖いくらいに澄んだ青空が広がるばかりだった。
この場合、何故「僕」は踏切を死に場所に選んだのか?
屋上飛び降り解釈で考える場合、1番のAメロ部分で踏切inしたのは確定で「僕」であるという事になりますが、じゃあどうして踏切で命を断とうと思ったんだいという問題が出て来る気がします。「君」と同じ場所で……という線は消えますからね。
・あの日以来屋上は閉鎖→同じ場所でというのは不可能。じゃあ他に何処だ、と考えたところ手っ取り早いのが踏切だった。
・何かしら「君」との思い出深い場所だった。
・ただ生活してるうちに通り掛かっただけだが、色々限界だったので、もう今ここで……となった。
……あたりでしょうか、考え付くとしたら。
⚫︎蝉の声は現実か
蝉の声はリアルで鳴っているものなのか、フラッシュバックの一部なのか。私は後者がいいです。 夏である事すらフラッシュバックに含まれた幻覚だとなお嬉しいです。
この時、本当は蝉なんて鳴いていないかも知れない。
MVは晴れ渡る昼の夏空だけど、「僕」が踏切へ足を踏み入れたのは、本当は夕暮れだったかも知れないし、夏ですら無いかも知れない。
君が居なくなったあの瞬間の時間や景色ごとこびりついてしまっているだけで。
全部フラッシュバック、もしくは、今際の際の走馬灯。
……とかだったら面白いね。
⚫︎そしてエンディングへ
「僕」が無事電車に轢かれ、「君」と同じ場所へ向かう。
メリーバッドエンドなんじゃないかなぁと思ってみたり……。
君が指差す先は。
こちらも色々意見ありそうですよね。「お前が悪いんだ」「お前が仕向けたと知っているぞ」「ざまぁみろ」とかね。 マジで幽霊なのか幻覚なのか問題もある 。
『マジ幽霊&「僕」の背後に迫る電車を差しており、「僕」に死んでほしくないと思っていた』が私の趣味の解釈です。
結局「僕」は死んだのか
初っ端「大まかなストーリーライン」の項で書いた通り、筆者は「僕」は死んだと考えています。何故なら後追いエンドが好きだから。
まぁ死んでいない可能性も勿論あるとは思いますが、電車に轢かれたのは確実なんじゃないでしょうか。
後奏終盤の、ぶつかったとも取れる様な、電車の走行音であろう音と共に暗転する画面、シャンと放り投げられた様な鈴の音(キーホルダーに付いてた説を推します)、じわじわと音が下がり歪んでいく遮断機の音。
死にゆく人間が最後まで保っていられる五感は聴覚だといいます。
視界も消え、薄れゆく意識の中、放り出された地面の上で音だけを聞いている状態なんじゃないでしょうか。
最終的にその音さえも不安定になり、耳鳴りにも似た蝉の声の中、動画は終わります。
生存ルートで考えるなら、上記のくだりはフラッシュバックなんじゃないかなぁ。
なんにせよ、次は素直なハッピーエンドになれると良いですね。
⚫︎後書きとオマケ
ここまで全て読み切った貴方、長々お付き合い頂きありがとうございました。
良ければ、どの解釈が面白かったとか、自分はこう考えてます!とか、コメントで教えて頂けますと嬉しいです。
質問も歓迎しております。
この先はおまけになります。特に2つ目の歌みた紹介。
追加情報:MV絵依頼シート・元ネタ・2番サビ後の語り
さて、最初にも言いました通り、これまでの語りは全て『公式MVから得られる情報のみで考えた解釈』の話です。
「ニコニコ超会議2023超絵師展 IFの楽曲世界展」で展示されていたイラストオーダーシートの情報を加味すると、学校屋上投身自殺説とか可能性無くなりますからね……。
こちらの方のツイートで全文見る事ができますが、
とはっきり書かれております。
Bはこの記事中で筆者が「君」と呼んでいた子です。
また、元ネタはドラマだそうです。
余談ですが、ドラマの方は少年愛です。
少女レイ、みきとP 本人による歌ってみた動画が存在するのですが、この本人歌唱バージョン、原曲(ボカロ版)には無い語りが入っています。2番サビ後、「君は友達」と台詞が入る前に。
イヤホンで聴くと右側から聞こえます。
夏になると思い出す
それが、愛だと分かり合えないまま
君に、呪い殺されて仕舞えばよかった
なにせ聞き取りづらい(ラスト部分なんか特に。呪い殺されて仕舞えばいい、の様にも聞こえるし、仕舞えばよかっ……で途切れている様にも聞こえる)ので違う可能性は全然ありますが、大体こんな事を言っています。恐らく。
上記3つ全部まで手を回して考えたら、また違った解釈が生まれる事でしょう。
歌い方の解釈の話と、歌みた紹介させて欲しいって話
原曲こそ至高であり、歌ってみたなど邪道だ!
……という方もいらっしゃるかと存じますが、あまりにもわたくしが求めていた歌い方だったもんだから……。
数々の「歌ってみた」が存在する少女レイ。
原曲のミクさんと同じ様に、どこか儚く落ち着いた、小さな声で独りごちている様な、諦観や虚無を強めに感じる様な、そんな歌い方が殆どではないでしょうか。
だが私は! 叫ぶ様に歌ってるやつが聞きたいんだ!!
諦め、後悔、絶望感、やるせなさ、哀しみ、自分に対する嫌悪や怒りもあるかもしれません。そういう感情がぐちゃぐちゃにないまぜになった、どうにもならなくて、もう言葉にならず叫ぶしか出来ない様な、そんな想いをはらんだ曲なんじゃないかなぁと勝手に感じているので。
何というか、静かな慟哭とでも言いますか。そういう感じで歌います、自分なら。
同じ解釈の方、握手しましょう。
そんなわたくしが最近ふと出会いましたのがこちらのカバー動画。
にじさんじ所属バーチャルライバー兼加賀美インダストリアル代表取締役の、加賀美ハヤトさんが歌う少女レイです。
ほんとに解釈一致の歌い方でとても良かったんですよ。
筆者と同じ様に叫びに近い歌い方を求めている方、良ければ是非。