見出し画像

ただ会社を辞めたかった


どうも、10月1日から人生の夏休みに入らせて頂いています。
有給消化が今日で終わって、晴れて明日から無職です。

10月初めはいろんな考えが頭を巡って、思考が止まらなくて今までの自分の仕事生活を振り返って、
失望したり、怒ったり、落ち込んだりしていた。

なぜ私は会社を辞めたのか 
の本当の理由をずっと考えていた。

言葉が溢れてnoteに書き留めたかったけどページを開けなかったのは、自分の心の整理がついていなかったからだと思う。

結局のところは
『とにかくこの会社を辞めたかった』
この結論に落ち着いた。
これが一番飾らなくて、自分も納得して、今の正直な気持ちだと思う。

もう、続けられない、と思った。
それだけだった。
自分を取り巻く全ての環境を変えたかった。
だから、この会社と土地を離れることにした。

こんなにシンプルなことだったのに
不思議なもので、退職するまで毎日会社に行っていた時はこれに気付けなかったんだよなあ。

理由があるだろう、意味があるだろう、
そんなワケもなく君は会社を辞めるって言わないだろう
辞めるからには何か成し遂げたい夢や誰かと幸せになる未来があるんだろう
だから君は退職するんだろう

そんな言葉が聞変えたような気がして
結婚するとか、
やりたい仕事がある、とか言って笑って返した。
なぜ退職するのかと理由を説明する場面で
「おめでたいことだから、残念だけど、仕方ないね」と言われる度に
おめでたくねーよ、勝手に安心してんじゃねーよ、と
心の中で悪態をついていた。
これは幸せな退職なんかじゃない、と思っていた。

公の場で伝えた自分の退職理由に『そうじゃない』と思い続けながら、これみよがしにHAPPYオーラを振りまいて、何百人以上もの人におめでとうと言われて師走のようなスピードで春から夏を、夏から秋を駆け抜けていった。よく走ったよ、本当。

みんな、耳障りの良い言葉でしか退職をゆるしてくれないと思っていたし、理由がないと退職をゆるしてくれないと思っていた。そして、自分が一番理由を探していたんだなと思った。
どうにか良い思い出にしたくて、沢山の言葉で塗り重ねようとしたけど『とにかくこの会社を辞めたかった』本心はそれだった。
この組織に居続けることは、自分が好きな自分でいられなることだ、と思ったから辞めた。
私は、成長したんだ。この大好きで入ったはずの会社を辞める、という選択肢ができるようになったから。
組織はひとがつくる、本当にそうだな、と、その言葉を噛み締めながら本日をもって退職する。

同僚からメッセージが届く。
『退会するなよ』
会社のLINEを抜けたからだ。そりゃ退会するでしょうよ!きっと今頃、オフィスで残業をして他の人と喋りながらこのメッセージを打っているんでしょう。そこに残された人間のどうにもならない気持ちが刻み込められているような気がして、どろついてベタついていた。
つまんねーの、そう思いながら、何も言葉を返さずトーク画面を消す。構っている時間が惜しかった。会社という紐帯がなくなると、途端にひとりの人間になって自分にとって大切なものだけが浮かび上がる。それでいいのだよ。

甘酸っぱく楽しく弾ける思い出も、どうにもならないような苦い思い出も、全てが一緒くたになって私を11月に追いやる。

おめでたい退職だった。
私の自由な師走はこれからだ。


いいなと思ったら応援しよう!