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才能ある人の早世
この頃、何かの話題を調べていると「ギョーカイの人の早すぎる死」みたいな話にでっくわすことが多く。ついこの前も知人とそんな話をしたところです。
まぁそれは単に自分が歳をとって、そういう話題に敏感になったことの反映にすぎないのかもしれませんが。
この頃、人の運命、みたいなことにいささかの思いを馳せることが増えているかもしれません。
「業界人さん」の話がとりわけ目につくように思われるのは、無論そういう人の死去の情報には触れる機会が多いからに決まっています。が、それ以外の理由も考えられそうには思います。
趣味が嵩じて入る的世界は、生存競争も激しく、なかなか体をいたわっている暇もないのかもしれない、とか。
あるいは、そもそも「体をいたわって安全運転を心がける」という方向性で生きていない人だからこそ、「業界」に飛び込むというバイアスがあるのかも、とか。
そういった要因です。
さらに連想は飛び。
才能ある人が短命で散っていくのは惜しいけれど、短い生涯でも才能を開花させて、いわゆる「太く短く」生きるのは──日本人がソメイヨシノに思い入れる理由だという「華やかに咲き、パッと散る」のを良しとする美学に照らせば──必ずしも不幸ではなかったりするのだろうか?とか。
個人的にはあまり好きな考えではないけれど(そのせいか私にはあまりソメイヨシノへの思い入れもない)、そんなことを考えたりもするのです。
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で、こういうことに意味があるかどうかは分かりませんが、冒頭書いた、私が最近「でっくわした」早世した人の名を挙げてみます。
藤原啓治さん。55歳没は短命とまでは言えないでしょうが、やっぱり「早すぎる」印象。
本note第1回で軽く取り上げた「劇場版ハートキャッチプリキュア」。サラマンダー男爵の演技は素晴らしいものでした。
個人的に印象が強いのはココロコネクトの後藤先生/ふうせんかずら。
「スカイガールズ」の冬后もこの人だったのだなぁとか。
前田健さん。44歳没。この方もハートキャッチプリキュアの調べごとの関係で知りました(私は芸能関係の知識は壊滅的に乏しく……というか、ほぼゼロなのです)。
プリキュアのEDダンスの振り付けをされた方、という程度の知識しかありませんが、Wikipediaを見るといろいろな方面で活躍されていたようですね。
吹原幸太さん。37歳没はあまりに若い。
ウルトラマンZのシリーズ構成・脚本を担当の方。作品を見るに、さぞ才能ある方だったんだろうと思うのですが。
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知人と話すとき私がよく引き合いに出すのは美空ひばりと石原裕次郎。お二人とも52歳没。
こう言ってはなんですが。私が子供のころのイメージでは、美空ひばりとは自分の爺さん婆さん世代が好きだった、およそ自分とは縁のない、大昔の大歌手、みたいに思っていました。
それが、亡くなった時でも50代はじめだったとは。昔の人は老けるのが早かった様子ではあるけれど、それにしても今の私からみて「こんなに“若かった”のか」と、自分のイメージと実際のお年とのズレには驚かずにいられません。
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私の好きなコミック「かの蒼空に」(坊っちゃんの時代 ・第3巻)に、石川啄木が「君みたいに才能のある人はすぐ死ぬ。自分のように中途半端な才能だと、やたら長生きする」なんて言うシーンがあります。
もちろん、実際には啄木は26歳で夭折してしまうわけで、一種の伏線になっているわけですけれど。
この論理でいうと、私は長生きする方? まぁここまでなんらの才能も開花しなかったのだから、せめて長生きくらいはしたいものです。
補足:トップ画像はサラマンダー男爵(本文参照)