同人女が小説を書く時に気を付けてる4つの事
まず初めになんですが、ちゃんと勉強したわけではないただの素人文字書きです。鵜呑みにはしないでくださいね。私はこうしてるよってだけなので、フーンくらいで読んでください。「適当なこと書くなよ素人が!!!!」って刺さないでくださいね。
私の過去作品は全然この記事のこと気を付けられてないもの多数です。お恥ずかしい。
これから二次創作小説書いてみたい!!って方の助けになれば幸いです。
ネタの出し方、プロットの作り方、表現の方法は私の方が聞きたいくらいなので何も書きません!!!!
本題です。私が気を付けてるのは
・禁則を守る
・視点がブレないようにする
・映像を脳内で補完しない
・意味なく繰り返しの文体を使わない
このあたりです。細かく説明していきますね。
1つ目、「禁則を守る」話です。これを守ると文が読みやすくなる気がするな〜というやつがいくつかあります。
私が意識しているのは以下の6点。
①段落の頭は1マス下げる
②縦書きの時は数字を漢字にする
③「!」や「?」や「♡」等の後は1マス開ける
④「…」は2個以上繋げる
⑤「、」と「、」の間隔を狭く又は極端に広くしない
⑥改行を多くしすぎない
これはどんな小説を書く時も共通するかと思います。⑤、⑥に関しては好みでもあるので書き手さんの自由にしても全然良いとは思いますが、私的に気を付けてるよ、という所です。
③も小説ではないときは大体気にしません。この記事もそうです。そして"」"の前のものは対象外です。「貴様! 卑怯だぞ! 」にはしないってことですね。
私は本にする場合表記揺れのチェックもします。「身体」と「体」や、「掌」と「手のひら」が混ざらないように…ってやつです。
次は「文章の視点がブレないようにする」です。これは出版社がやってる新人賞への投稿でもめちゃめちゃあるそうです。
文章には大まかに分けて「一人称視点」と「三人称(俯瞰)視点」がありまして、簡単に言うと登場人物がAとBの場合。
「俺は〜した。Bはそれを聞いて〜している」がAの一人称
「Aは〜した。Bはそれを〜している」が三人称(俯瞰視点)です。
その小説を「Aの一人称視点で書く!」と決めたらそこからずらさない、「三人称にする!」と決めたら「俺は〜」と書かない、と徹底しています。(多分)
三人称一元視点というのもありますが、難しいので一旦置いておきます。
もし視点を変えたい場合は、「章ごとに変える」とかの方法があります。初心者に書きやすいのは一人称だそうです!
ただ、一人称だと「語り部が居ないシーンが書けない」「語り部以外の心情が書けない」という欠点があります。
Aの視点で書き始めると、別の場所でBが出かけてるシーンなどは書けません。なので章を分けてBの視点に変えるか、初めから三人称視点で書くことが必要になります。
また、Aの視点だとBが何考えてるのかって分かりませんよね。なので書けません。「俺の言っている事が分からない、というような顔をしている」とか、Aの推測のみになります。
なので複雑な展開になる長編だと完全な一人称はちょっと難しいなと思います。もちろんネタやプロットによっては可能ですが!
他にも「語り部がバカなら難しい表現が使えない」とかもありますかね?
分かりやすい視点のブレはこんな感じです。登場人物がAの場合。
俺は散歩に出た。足が棒になるまで歩き、気が付くと見知らぬ街まで来ている。Aは持ってきていた水筒から水を飲んだ。
「俺は〜」から始まる一人称視点と、「Aは〜」から始まる三人称視点が混ざってます。これが視点のブレです。
この場合は登場人物がAしかいないので、「A」を「俺」に変えれば一人称視点に、「俺」を「A」に変えれば三人称視点に固定できます。
他の例として以下の文をなんとかしようとしてみます。登場人物はAとB、という話です。
「わっ……」
ドン、とぶつかられ、床に倒れ込んでしまった。頭や肩を打ち付け、顔を歪めている。それを見て慌てて駆け寄り、心配そうな顔で撫でてくる。
「大丈夫?」
上の文でいくつか問題点があると思うので、それぞれ書いていきます。
問題点① どっちがどっち!?誰が何した!?
この文だけだとマジで何?ですよね。これは視点の話だけではなく、「映像を脳内で補完している」にも当てはまります。どれが誰の行動なのか、どの文が誰の視点なのか、全て書き手が脳内のイメージで補完してしまっています。
分かるようにするにはどうしようか、という所です。いくつか方法があると思います。
倒れ込んだのはAだという前提で話していきますね。
1.「俺」や「名前」を入れる
「ぶつかられ、俺(A)は床に倒れ込んでしまった」「Bが駆け寄ってきて……」とかにしたら分かるんじゃないでしょうか。
ただ、「俺は床に倒れ込んでしまった。Bが駆け寄り……」だと1文目がA視点、2文目が俯瞰視点になってしまうので細かく入れりゃいいだろって事でもないですね。
視点がAなのか、Bなのか、俯瞰視点なのか……で入れる名前、場所、文末が変わってくる感じです。
2.前や後の文で説明する
「わっ……」の前に「通行人が足を踏み外し、俺(A)にドンとぶつかってきた」を入れたらどうでしょう。重複する文言を調整し、Aの一人称視点で書くとこうなります。
通行人が足を踏み外し、俺にドンとぶつかってきた。
「わっ……」
床に倒れ込んでしまい、頭や肩を打ち付けてしまう。顔を歪めていると〜〜……
いかがでしょう。他にも色々工夫できるかと思います。
問題点② 文の途中で視点が変わっている。
「わっ……」
ドン、とぶつかられ、Aは床に倒れ込んでしまった。肩や頭を打ち付け、顔を歪める。それを見たBが慌てて駆け寄り、心配そうに撫でてくる。
「大丈夫?」
名前を入れて俯瞰視点に書き換えたんですが、なんとなくまだ違和感があります。
最後の一文、「Bが慌てて駆け寄り」は俯瞰視点ですが、「心配そうに撫でてくる」だけ、Aの視点になっているような気がします。私だけだったら申し訳ないですが……。
「心配そうに撫でた」が分かりやすくてシンプルかな〜と思います。
問題点③ どこを撫でた?
これは視点ではなく、「映像を勝手に補完しない」にあたります。
書いてる側は頭の中でイメージがあると思うので補完できてしまうんですが、読み手は書かれている事以外分かりませんよね。この文だと撫でてるのは頭なのか肩なのか、全体なのか、頬なのか……どこだよって感じです。
上記を踏まえ、三人称(俯瞰視点)にするなら私はこう書き直すな、というのが以下の文です。
「わっ……」
ドン、とぶつかられ、Aは床に倒れ込んだ。頭や肩を打ち付け、痛みに顔を歪めている。それを見たBは慌てて駆け寄り、心配そうにAの肩を撫でた。
「大丈夫?」
肩より頭を心配しろって感じかもしれませんが、もしかしたらこの出来事の前に肩を怪我してるかもしれませんし、この文の後に「思いっきり肩ぶつけた……」とAのセリフが続くかもしれませんからね。頭はコツン程度かもしれませんからね。屁理屈です。
これはとてもシンプルに書きましたが、表現はもっと追加できると思います。「ゴツンと音がした」とか「床にAの髪が散らばった」とか「眉を下げて心配そうに」とか……まあ、入れ過ぎたらうるさいんですけどもね。
どっちが何をしたのか分からない、視点がごちゃ混ぜになっている……というのはスケベシーンでよく発生する気がします。私はスケベ書きなので、スケベに力を入れたい。違和感なく勢いのまま読んでほしい!!
なので、結構気をつけています。
「(自分が)する」「(自分が)してやる」「(相手が)する」「(相手に)される」「(相手が)してくる」の使い分けが大事だと思っています。誰が何をしたのかスルッと頭に入ってほしいな、という気持ちです。
そして、脳内で補完してしまい、読み手に伝わらないというのは書き出しにもあったりします。
例えばAとBの話を書く場合。
ネオンの光る道を歩いていく。歓楽街は、ガヤガヤと騒がしく耳障りだ。
今日は自分のミスでもないのに上司に怒鳴られ、炎天下の中汗を垂らし外を歩く羽目になった。
この書き出しだと語り部がAなのかBなのかが分からないですよね。この先を読んでいくとそのうちわかるかと思いますが、それまでの間、読み手はよく分からないままだと思います。
書いている人は脳内にイメージがあるから分かるかもしれませんが、これも補完してしまっているだけで読み手には伝わらない。
では、Aが歩いているという前提で話していきますね。
「俺はネオンの光る道を歩いていく」「Aはネオンの光る道を歩いていく」だと単純で簡単で分かりやすいです。前者だと、とても「俺の1人語り感」が強いですね。
また、名前を出さなくても判断できるようにすることもできるかなと思います。Aは長髪、Bは短髪という設定だということにします。
そうだとすると、二文目が始まる前に「汗で湿った髪が首に纏わり付き鬱陶しい」と入れると語り部はAだなと分かると思います。Bは髪が短いので首に纏わり付くことはないな、と読み手にも伝わるんじゃないでしょうか。
喫煙者であればタバコを吸っている描写を入れたりもできますね。
Bにはない、Aだけの特徴を入れると「これはAなんだな」と特定できる気がします。
たくさんキャラが出てくる話や一次創作なんかじゃこんな簡単にいかないとは思いますが……。
(私は現在金カムで書いているので、尾形なら前髪のちょろ毛や顎髭、頬の傷などに言及すると「あ、尾形だ」とわかるな、と思います)
そして文章に入れる情報です。書き手のイメージしているものが読み手にスルッと伝わるのも大事かなと思っています。
例えば、二段落目の「炎天下の中〜」を読めば「夏なんだな」と分かりますが、一文目の最初に「蒸し暑い空気の中〜」と書けばすぐに語り部がいる場所の温度や湿度が分かります。
・「歓楽街は」を「夜の歓楽街は」にすれば時間帯が分かり
・「夜の歓楽街は、金曜ということもあってガヤガヤと騒がしい」にすれば曜日が分かり
・「夜の歓楽街は、金曜ということもあって騒がしい。雑踏の中は浮かれた気分が漂っていて、余計に耳障りだ」にすればその場がどんな環境なのか大体わかります。
以上のことを踏まえ、書き出しを私風に書き直すとこんな感じです。
蒸し暑い空気の中、ネオンの光る道を歩いていく。汗で湿った髪が首に纏わり付き、肌に張り付いて気持ちが悪い。鬱陶しくて思わず舌打ちが出た。
夜の歓楽街は、金曜ということもあって騒がしい。雑踏の中は浮かれた気分が漂っていて、余計に耳障りだ。
どうでしょうか。舌打ちもさせてみました。Aの人柄も少し分かる気がします。
ちなみに、これは一人称視点です。「空気の中、」の後に「Aは」を入れると途端に俯瞰視点になってしまうので注意したほうがいいかもしれません。
俯瞰視点にしたいなら、以下のようになるでしょうか。
蒸し暑い空気の中、Aはネオンの光る道を歩いていく。汗で湿った髪が纏わり付くのか、鬱陶しそうに首元を払いながら舌打ちした。
夜の歓楽街は、金曜ということもあって騒がしい。雑踏の中は浮かれた気分が漂っていて、それが余計にAを苛立たせた。
どうでしょうか。大体思い浮かぶ風景は同じじゃないかな、と思います。
逆に文字数を抑えなければいけない、削らなければいけない場合は以下のような文はどうでしょう。
蒸し暑い中、Aは鬱陶しそうに髪を払いながらネオン街を歩いていく。金曜の夜という事もあってか、浮かれた声が耳障りなほど騒がしい。
これは三人称視点です。蒸し暑いと分かる、Aが歩いてると分かる、髪が鬱陶しいと分かる、日時が分かる、周りの雰囲気が分かる…って感じですね。
さらに文字数を削りたい場合は「蒸し暑い中Aはネオン街を歩いていく。金曜の夜ということもあってかガヤガヤと騒がしく、鬱陶しい」とかでしょうか?
最後に「文体の繰り返し」の話です。
私の場合、文末では「〜〜した。〜〜した。」と何度も文の終わり方が同じにならないようにも気を付けています。商業本だと作風としてやられてたりはしますが、相当上手くない限り読んでいて違和感になる気がして……。私はそんなに技術があるわけではないので……。
(でも過去回想だとそうなりがちなんですが……避ける方法、わからない……。)
文節と文末の組み合わせが繰り返される、というのもあります。
「歯磨きをし、口を拭いた。そして洗顔をし、脱衣所から出ていった」だとなんかつまらないなと思うので「歯磨きをして口を拭き、顔を洗ってから脱衣所を出ていった」に書き換えたりします。
短い文が続くのも、「〜し、〜た」「〜し、〜た」という形式の文が続くのも書き換えたくなる原因ですね。
「脱衣所から」を「脱衣所を」に変えたのは、「顔を洗って『から』脱衣所『から』」と続いてしまうからです。
1つにまとめず、2文のままにしたいのであれば「歯磨きをして口を拭く。そして洗顔をし、脱衣所から出ていった」でしょうか。「〜し、」「〜し、」ではなく「〜して、」「〜し、」の組み合わせに変えてみました。
似たような理由で「目的の場所への扉のノブを下げた」とかは「目的の場所へ繋がる扉のノブを下げた」とかに書き換えたりします。"の"がうるさい気がしてしまうので……。
ただ、わざと繰り返す時もあります。
例えば急いで料理をしてる時「食材を洗い、切り、鍋に入れ、火にかけ、沸騰したところで慌てて蓋を閉めた」とかだとなんとなくスピード感というか、慌ててる感じが出る気がします。「食材を洗って切り、それを鍋に入れて火にかける」だと手順通りに料理をしてるんだな、と感じるというか……。伝わりますかね……。
単語の繰り返しをしない、というのもあります。
先ほど出てきた「汗で湿った髪が纏わり付くのか、鬱陶しそうに首元を払いながら舌打ちした」という文。
もし「鬱陶しそうに髪を払い〜」にすると、1文の中に「髪」が2回出てきてしまいます。なので首元にしてみました。
私の気を付けている4つの事は以上です。
「気を付けてるとか言いつつオメーの小説守れてないよ」とかもあるかもしれません。過去のやつとかはほんと多いです。最近知った禁則もあります。まあ、ただの文字書きの端くれなのでね。
そういうこともありますよね!!!!
重ねてになりますが、ちゃんと文学を勉強したわけではない素人ですので、フーン程度でお願いします。
推しの小説、書きましょう。
おまけ
さて、一旦置いておいた「三人称一元視点」ですが、これは私もちゃんと理解できているかわかりません。当てにしないでくださいね。今までの話もそんなに当てにはしないでほしいんですが……。
三人称視点との違いは「視点主の主観や心の声が入ること」です。例えば、さっきの例で出てきたこの文。
蒸し暑い空気の中、Aはネオンの光る道を歩いていく。
汗で湿った黒髪が纏わり付くのか、鬱陶しそうに首元を擦りながら舌打ちした。
これは三人称視点です。
これを三人称一元視点にするならばこんな感じでしょうか。合ってるかは分かりません。
蒸し暑い空気の中、Aはネオンの光る道を歩いていく。
ーー暑い、疲れた。
汗で湿った黒髪が首に纏わり付き、肌に張り付いて気持ちが悪い。鬱陶しくて思わず舌打ちが出た。
これは三人称一元視点です(多分)。
何が違うかっていうと、一元視点の方にはAの気持ちが地の文に出ている、という所です。内心のセリフの他に「気持ち悪い」という気持ちも入っていますよね。三人称視点の方は「鬱陶しそうに」と、推測になっています(多分)。
この場合、三人称とはいえA寄りなので、Bの心情は書かない方がごちゃ混ぜにならない気がします(多分)。
一元視点ではない三人称視点は、その名の通り第三者が語っているものです(多分)。外から見ているだけなので、登場人物の心情は推測するしかできません(多分)。
ただ、完全な神の視点で「Aの心情もBの心情も分かる」という前提で書く方法もありますよね。もう何がなんだか分かりません。助けて。
・Aの心情もBの心情も書かない(三人称視点)
・Aのは書くけどBのは書かない(A寄りの三人称一元視点)
・AのもBのも書く(神視点)
とかでいいんでしょうか。分かりません。でも上記3つは「三人称視点」には変わりはないので「俺は〜」は使わない方が良いんだと思います(多分)。
A寄りの三人称一元視点の文の中に出てくる「Aは」を「俺は」に変換すると一人称視点の文になる……はずです(多分)。
私的な難易度は
一人称=神視点>三人称一元視点>三人称
でしょうか。心情を書かず、地の文だけで読み手に登場人物の感情まで伝えるのは私には難し過ぎます。
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