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242.布団夢

2020.12.21
知り合いの知り合いくらいの男の子から、「布団証明書」を発行してくれと頼まれた。
国民誰もが生まれたときからひとりずつ個別に必ず持っている布団。
その保管場所を裏書きする書類の発行。

布団証明書は、身分証明書の代わりとなるのだが、未成年の場合は、身元保証人の裏書きが必要となる。
その彼は、現在19歳で天涯孤独なのだと言う。
布団証明書の裏書きがなければ就職することも出来ない。

私が責任を取らねばならなくなるのは彼が成人するまでの約半年。
証明書の裏書きなどしてよいものか。
実は以前、彼を連れて来た知り合いの布団証明書にも裏書きしてやったことがあった。
その伝手で来たのだったが…。

私は布団証明書の発行を了承した。
もちろん手数料は貰う。
本来は営利目的で布団証明書を発行することは違法なのだが。

まず君のお布団を見せて、と布団を持ってこさせて、私の家の奥の空き枠に敷かせる。
布団に横たわると、そのまま、すぅと眠ってしまった。

しばらくして彼が、証明書は書けたか?と訪ねて来たので、書けたらこちらから連絡するので待ってくれと答える。
すると、以前に証明書を書いてやった男が、6番の枠は嫌だと言う。
お化けが出ると。
そんなはずは無いのだがなぁ。








戎橋筋の生地屋さん「とらや」の営業最終日。午後、通りかかると、もう無地の裏地みたいな生地しか残っていませんでした。私は洋裁する人ではなかったので、着分買い求めることはなかったけれど、ハギレコーナーの生地とか見るのは好きでした。それにいつ通りがかってもたくさんお客さんがいて活気があって楽しかった。寂しくなります。ドラッグストアとかになるのかなー。

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