173.コタツ夢
2019.6.22
母方の祖父母の家に泊まりに行った。
おじいちゃんもおばあちゃんも元気そうだった。
そこそこ広い家なのだけど、おじいちゃんもおばあちゃんも玄関入ってすぐ脇の居間に絨毯を敷いてコタツを置いて寝ていた。
私もそこでいっしょに寝た。
朝、起きて掃除をしていると、家の奥から男の人が出てきた。
おじいちゃんたちは奥の間にお巡りさんたちを下宿させているらしい。
奥に3室ある和室には何人もの警察官が暮らしていると。
へーぇ。
出てきた人といっしょに表に出ると、「ちゃんと表札も出してあるんですよ」と。
祖父母の表札は立派な木の表札だったけれど、郵便受けには下宿人の名前が書かれた紙がべたべたと貼ってあった。
退去した人らしき名前は墨で塗りつぶしてあった。
専用の郵便受けを用意している人もいた。
これだけの人たちがひとつ屋根の下にいてくれたら、おじいちゃんたちも安心だ。
「これが私の表札です」
と見せてくれた表札は、アルミで出来ていて「高岡」と書いてあった。
郵便も届きますね、と言うと郵便を送ってくださいと高岡氏が言うので、
「必ず」と答えた。
高岡さんは、いちばん最初から祖父の家に下宿していたのだと言う。
そのうち違う人たちが家から出てきてそれぞれ自己紹介を始めた。
私は他の人たちと話をしながら、帰宅したら必ず高岡さんにハガキを出そうと思う。
祖父母がずいぶんお世話になってるみたいだし。
誰かに高岡さんの下の名前を教えてもらわなくちゃ。
バレンタインにはチョコレートの大箱を送ってみんなで食べてもらおう。
…目が覚めて、高岡さんの下の名前を聞きそびれた!と思ったけれど、そもそも祖父母ともに40年以上前に亡くなっていて、祖父母の家はリフォームして叔父一家が移り住み、今はその叔父も亡くなっていたんだった。
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