日記 0208-0213
2月8日
起きて、シャワーを浴びて、すこし本を読む。天気がいい。電車の中でiPhoneを開くと、休養していた推しが元気そうに踊っている。花が咲いた時の気持。心がぱっと明るくなる。靴屋で気になるものを試し履く。店員さんがその場で足のサイズを測ってくれた。実寸22.6cm。23cmを履かせてもらうと、すこし窮屈。23.5は作りがないからと、24cmも履かせてもらう。ぶかぶか。ぶかぶかのまま姿鏡に向かって歩いてみたら、そもそもこれ、私には似合ってないのじゃないかと思いだしたから、さっさとやめにして店を出た。
ブックオフで料理本を買ってみる。料理本を買うのは初めてだ。ワタナベマキさんという料理家さんのもの。洒落ているのに、しっかり実用の料理という雰囲気があり惹かれた。ブックオフは5分だけ見て出ようと思っていても、入ってしまったが最後、何時間でも居れてしまう。恋人と二人で見たいねと話していた映画のDVDも買う。
2月9日
今日も天気がいい。ハライチのターンを流しながら掃除。今日は床の水拭きもした。キッチンとリビングの間をカーテンで仕切ったら、なんとなく部屋があたたかい。
昨日買ったDVDを二人で見る。冷め切った夫婦が喧嘩して、妻はいよいよ家を出ていって、友達の家に居候させてもらう。暫くしたら夫が迎えに来て、不器用そうに一緒に帰ろうと言う。それで妻も嬉しくなって、手を繋いで帰っていく、というような最後だった。私も喧嘩したらこれがやりたい。
夜ごはんを買うために外に出たら、空気がつめたくて澄んでいる。星がきれいに見えた。月もいつもより明るい。
2月10日
仕事終わり、日帰り温泉に行く。大きな観覧車のある遊園地が隣にあって楽しげ。併設のレストランで、カツ丼と天丼を分け合って食べた。天丼は銀座のなんとかと言う店監修の云々と書いてあったが、カツ丼の方が美味しい。恋人もそう言ってた。お風呂。寒い冬に足を伸ばしてお湯に浸かる瞬間の、全身をかけ巡るあの心地よさをなんと呼ぼうか。幸せではぜんぜん足りない。超超幸せだ。お風呂上がりに小岩井のコーヒー牛乳を飲む。
2月11日
朝、ファミマの「ザ・クリームパン」を食べる。「ザ」と謳っているだけあって、カスタードクリームが王道を突き詰めた感じでおいしい。隣の駅にバスで行く。今日は風がつよい。乾いた土が舞って茶色く煙った校庭で子供たちが野球をしているのが窓から見える。こんなにさむいのに!風の子は偉い。
お気に入りだった喫茶店が別の駅に引っ越すらしい。不用品を整理するためか、喫茶をお休みして、蚤の市を開いていた。青い柄のスプーン(大小セット)を買う。200円也。
・サラサーテの盤/内田百閒 読了
2月12日
家に帰ると恋人の体調がわるいらしく、元気がない。なにか、と思って使い途に悩んでいたレモンを輪切りにして、生姜とメープルシロップを溶かしたお湯に浮かべて飲ませてやった。蜂蜜があったら良かったのに。
ごはんを食べて、なんとなくいつもより静かに過ごす。恋人はベッドに丸まりながら本を読んでる。私は金井美恵子の「軽いめまい」を読んだ。主婦の取り留めのない考えごとはどこまでも平坦に延びてゆく。多すぎる読点と少なすぎる句点の文章には慣れが必要。読むのに疲れたら、仕事用コートのボタンを縫おうと思っていたけれど、億劫になったからやめた。同期からラインが来ていたけれど、返すのは明日の朝にする。
あ、と思って、干されたままだった洗濯物をバタバタと取り込む。夜のベランダの空気はつんと冷えて思ったより気持ちがいい。
2月13日
恋人が発熱。なにか栄養のあるものをば…と思って玉子とR1とオレンジジュースとリポビタンDを買っていく。ごはんを用意したらむっくり起きてきて「美味しい…」としおらしく言いながら食べてる。キャベツを炒めたやつはおかわりしていた。食欲はいつも通りだけれど、昨日よりちょっと小さく見える。風邪を引くと人はしぼむんだ。家事を済ませて、韓国語の勉強を久しぶりにやってみる。「社会人として責任感を持たなければなりません」とハングルで書く。書きたくないなあと思いながら書く。