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レアリティが上がってデバフがかかった話

常々「レアリティ☆2 土属性」を自称していた私だが、先日唐突に「レアリティ☆4 土属性」へと進化を遂げた。何か大層なことを成した訳ではなく、単純にとある疾患名が着いただけなのだが。

長らくご無沙汰していた産婦人科受診をキメた私に下された診断は、生理不順ではなく「多嚢胞性卵巣症候群」という疾患だった。
平たく言うとこの病気、普通の女性が持って生まれる卵子の数より大分多く持って生まれてしまったことが原因だそうだ。それにより、生理不順や不妊、PMS(月経前症候群)が長引いたり、糖尿病になりやすかったりするらしい。人より多く卵子があるなら、その分妊娠しやすいのかと思えばそういう訳でもないとのことで、人体はなかなか難しい。お陰様で、私は今のところ戸籍も子宮もクリーンラベルを貫いている。

多嚢胞性卵巣症候群は、日本では明確なデータがないものの欧米では5~10%の女性が罹患する大して珍しくもなんともない疾患だと、私を診察した女医は少し困ったような笑顔でそう告げた。確定診断を下され、どういう傾向があるか懇切丁寧に説明されたにも関わらず、私の頭の中では「なんかレアリティ上がったな」という感想しか出てこなかった。冒頭の「レアリティ☆2が☆4になった」のは、この瞬間である。

冷静に考えて、疾患名が着いたからといって何も変わることは無い。日々の勤労が無くなる訳ではないし、どん詰まりはどん詰まりのままだ。疾患なんてどう考えても神様が私にかけたデバフでしかないので、むしろレアリティが☆1に下がる方が正しいのかもしれない。それでも、原因の分からない体調不良や情緒不安定さ、もしかすると悪い病気なのではないか?という不安感を払拭してくれたのは紛れもないこの疾患名である。原因が分かれば対処も治療もしていける。これは大変心強いことであるし、現代医学の進歩に圧倒的感謝の念を抱くしかない。
健康優良児で何も病気とは縁がない状態が本来のレアリティ☆5であれば、体調不良を抱えていても疾患が特定され、治療法も確立している今の状態は確実にレアリティ☆4だと思っている。少なくとも排出率が5~10%なんだから、もうこれは☆4を名乗っても許されるはずだ。

今日も明日も明後日も、容姿も人生もレアリティ☆2の女のままだけれど、この先嫌なことがあった時には「そんな口をきいていいのか?我、排出率5~10%の女ぞ?」と心の中で中指を立てて生きていこうと思う。しぶとく強く泥臭く、生にしがみついて死ぬほど笑って生きてやるのだ。人生リセマラは出来ないけれど、☆2は☆2なりの戦い方でラスボスと対峙しようと思えたのだから。



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