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元5年ニートが上場企業に入るまで
婚活市場では「40代以上の成婚率はたった●●%」などと煽られますが、元ニートが40代で初めて上場企業に入社する率ってどれくらいなんでしょう。
しかもただのニートじゃないです。5年強です。
2000日も足踏みするなんて、王族のキリギリスでも考えないはず。
紆余曲折あって、僕はそんな道を選びました。
入社のきっかけになったひと
知人("シゴデキ君"とする)の紹介<リファラル採用>です。
彼は前職で同日入社した完全同期。
だけど、年はひとまわり以上も下の26歳。
歌舞伎町で伝説のキャッチとして名を馳せた営業の天才で、何気にトリリンガルというハイスペック人間です。
普段はぼーっとしたその辺の若者という感じなのに、もう奥さんも子供もいて、家のローンも組んで、いまどき珍しく「同い年には負けねえぞ!」と突っ走っている、ドラゴンボール好きの好青年。
下手したら筋斗雲乗れそうな、シンプルにいいやつ。
誘ってくれた理由
僕ら2人ともつけめんと格闘技が好き。前職ではそれだけの理由で一緒にランチを食べていただけなのに、まさか転職先まで誘ってくれるとは。それも上場企業というおまけつき。真正面から僕の履歴書を見せて入れるような場所ではないので、まったくありがたい限りです。
シゴデキ君いわく
「nemuさんはなんかおもしれえから呼びました!」
理由がまた感覚的でいいですよね~。
あの日以来、今後の人生は潔く若い人に頼って生きていこうと決めました。
ところが入社まで4カ月放置される
誘ってもらった時点で僕はとあるブラック企業で働きかけていたので、すぐに退職の意思を示して、シゴデキ君の会社(今の弊社)と即面談。
上長から「僕と同い年!こりゃ運命ですね!」的なラブコールをいただいたのに、その後えんえんと放置されました。
・中小企業と違って余裕があり、明日来て!みたいな感じじゃない
・とにかく手続きが煩雑
・冷静になると本当にこのオッサンが必要か迷いはじめた
後から聞くと↑みたいな理由だったみたい。ニート慣れしているとはいえ、もう40代だし、さすがにこの時期は不安でしたね。
シゴデキ君とは毎月サウナに行ってましたが、3か月目に「nemuさんいま入社確率半々です」と言われた時はさすがに殺意が。私たちつき合ってるのよね!?と路上で怒鳴りたくなりました。
条件付きでなんとか入社
内定が出たのは本当に突然。さんざん待たせたのに、「来週水曜でいい!?」とバイトみたいな連絡でびっくりしました。
僕の本分は広告ライターなのですが、直近雇った人が気難しかったらしく望み通りの条件とはいかず。
・未経験のカスタマーサポート職
・正社員でなく契約社員
とやや下積み感のある待遇となりました。
背景には、シゴデキ君がだいぶアクの強い人物っていうのもあったみたい。入社早々棒グラフぶっちぎりで成績1位を獲得し、それまでのエースとさっそくバチバチ。シゴデキ君からしたらただのスポーツ、天下一武道会感覚なのですが、まわりは一般の地上人なので色々ハレーションが起きてました。
そんなヤツが連れてきたんだから、僕も戦闘民族サイヤ人と思われてたんでしょうね。ただの心優しきチャオズなのに……。
なんだかんだモチベは高め!
と、いろいろありましたが、やっぱり人に頼ってもらって入社っていうのはいいですね!
ちょっとやそっと辞めたくなっても、自分ひとりの身体じゃないというか。(まだ恩返しできてないしな)とか踏みとどまれます。
周りの人たちも面白がってくれました。妻はステータスに興味がないのでそれほどでもないですが、親や友人は「あの会社入ったの!?」とテンション爆上がり。
10年ほど前には「お前やっと働くの!?」と驚かれていたので、色々感慨深かったですね。