
入院雑記④発声リハビリ何するの?
こんにちは根本です。
今回は手術後のリハビリはどんなことをするのかお話ししていきます。
実際に手術を受けたらどうするのか、どうなるのか知っていれば不安も減らせると思いますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
○術後1〜3日
絶対沈黙です。
何も喋っちゃダメ。
この三日間で粘膜がしっかり再生していきますので、咳には特に気をつけてください。
○術後一週間
沈黙三日間を経て一週間後に再度検査。
粘膜がだいぶ綺麗に治っていることがわかりました。
検査後、言語聴覚士の先生と一緒にリハビリをしていきます。
まず先生に提示されたことが、
・1日合計30分までお喋り可能(声を張らないで)
・1分間ラクな高さでハミング(30分〜1時間に1回)
これを続けることでした。
1日の中で短い言葉だけ喋って大丈夫です。
続けて喋ると喉が腫れてしまうので、あくまで短く返事をするだけとかが可能です。「うん」や「はい」などの合計で30分以内。
喋る時の声も、囁き声は絶対にNGです。喉が消耗されます。
歌うような、ハミングに近いような有響音でゆっくりと話しましょう。
コンビニでようやく袋が入らないことに関して「いりません」と言えるようになったので、お買い物も安心して行けるようになりました笑
歌手の皆さんは心配で喉が治り切るまで黙っていたいなという気持ちになるのですが、ハミングをしていかないと筋肉等も落ちてしまって嚥下能力が下がってしまったり、演奏への復帰が遅れてしまうので絶対にやりましょう。疲れたと思ったらやめましょう。
私は低いドの音でロングトーンをしていましたが、ロングトーンは負担が少なくて良いようなのでリハビリの際はお勧めです。ブレスのトレーニングにもなります。
○術後二週間
二週間後にまた検査とリハビリを受けに行くと、今度は少し高い音域でのハミングをしましょうとのことで。
今までは下のドの音だけだったのですが、その位置オクターブ上のドまでを自分の中で限度としてまたロングトーンを行なっていきました。
・1日合計1時間までお喋り可能(声を張らないで)
・1分間少し高めの高さでハミング(30分〜1時間に1回)
術後2週目のメニューは上記の通りです。
○術後3週間
歌えるまでもう少し!
三週間後もまた検査とリハビリがありました。
今週からはグリッサンドでの音の移行練習が可能に!待ってました!
グリッサンドとは音程をドーレーミーと決めないで反比例のグラフのようにウニョーと上がり下がりしていく感じです。
先生に確認したところ、ロングトーン、リップロール、巻き舌での練習も良いとのことでした。そうして以下のメニューが完成!
・1日合計3時間までお喋り可能(ちょっと張っていいし長く喋れる)
・1分間ラクな高さでハミング(30分〜1時間に1回)
・ハミング、リップロールでのグリッサンド音移動練習(1日2回時間を空けて)
割とこのメニューをこなしているうちにビブラートが帰ってきました。
おかえりあたしのビブラート。。。
この頃になるとちょっと安心します。
○術後4週間
いつも通りの検査とリハビリをして、、、
ついに!!!
よく耐えました!
今週からは普通の会話が解禁!!!
制限時間はありません!!!!
そしてハミングも高音域へ侵入していきます!
今週のメニューは、
・高音域も含めたハミング、リップロールでロングトーンとグリッサンドでの移行(1時間に一回5分くらい)
週の後半は上のラの音くらいまでは大丈夫でした。
それ以上上はちょっと怖くてまだ、、、という感じです。
根本はその週にリハーサルがあったのですが、声をあまり出さず動きや曲の確認だけさせてもらいました。
歌ってみようとしたら、あ、なんか喉ビロンビロンになるダメ、と思ってやめました。
○術後一ヶ月
おめでとうございます!!
ついに発声開始です!!!
よく耐えた!!!!
この一ヶ月間歌手としてこれからまた生きていけるのかとか不安なことが多かったと思います。病んだよね心。
でももう大丈夫!
もう、何も怖くない。
歌えます。
検査を経てリハビリへ。
リハビリの際に術前と同じような呼気料の検査だったりロングトーンの検査だったりいろいろあります。根本は手術前より術後の方がロングトーンが伸びてました。だって声帯が綺麗になってるから!
そして大切なことが一つ。
急にたくさん歌い出すのは危険です。
まずは1日の練習は最大30分を時間空けて2回くらいで。
少したったら時間を増やしていきましょう。
○完治したら
喉の粘膜が治ったとはいえ、
体の筋肉、そして口周りの筋肉も非常に落ちています。
なんせ言葉が喋りにくい。
口周りの筋トレを行った方がいいなと個人的には思いすぐに取り掛かりました。
・ベロで前歯の上下をぐるぐるとなぞる
・口をすぼめて両頬を限界まで吸う
上記はとても効きました。
やはりベロの動きが悪くなると歌唱にとても影響しますね。
それがわかったいい経験でもありました。
あとはもう普段のトレーニングメニューで生活して、自分の体の筋肉や使い方を再確認していきましょう。
○おわりに
前に自分ができていた歌い方を取り戻す、という方向も大事なのですが、新しい楽器に合った歌い方を再構築するという意識の方がリハビリは早いかなと思います。
自分ができていた技術をどのようにこの楽器で再現するか。
焦らずじっくりと、休息も良くとって向き合ってあげてください。
一応私という実験体で発声開始11日後にランメルモールのルチアは歌える!という検証結果が出ています。
大丈夫です。
技術はすぐに戻りませんが、絶対によりよくなって復帰できます。
歌手にとって声は自分の人生、アイデンティティです。
我が子のように慈しみ、酷使して苦しませず、ちゃんと義務教育(レッスン)に通わせてあげましょう。
その声がどういう方向性があっているのか、適性をみてあげましょう。
子供が健康に育つかどうかは、親にかかっているように。
声のお悩みがある方は是非根本にご相談ください☺️
ではまた。
謝。
いいなと思ったら応援しよう!
