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CANON「EOS Kiss」シリーズのCMソングだったビーイング楽曲に注耳せよ…!!
1990年代、ビーイング音楽がJ-POPシーンを賑わせていた背景に、テレビタイアップを積極的に活用し、認知を拡大させていくという販売戦略が取られていたことは、音楽誌のみならず東洋経済とかNewsPicksあたりのビジネスメディアでも紹介されています。
テレビが最大主要メディアだった時代、ビーイングが自社の制作した楽曲をドラマの主題歌、アニメ主題歌、CMソング等に採用してもらうことで、幅広い視聴者の耳に届けて消費喚起を促し、莫大なCDセールスへと繋げていたわけです。
アニソンタイアップのビーイング楽曲といえば『名探偵コナン』『スラムダンク』、『ドラゴンボールGT』の主題歌がそうですが、CMタイアップにおいて代表的なものといえば“ポカリスエットのCMソング”ではないでしょうか。
ポカリ×ビーイング音楽×黒髪の美少女=致死量の青春!
織田哲郎の『いつまでも変わらぬ愛を』、ZARDの『揺れる想い』『心を開いて』、DEENの『瞳そらさないで』、FIELD OF VIEWの『突然』…ガキの頃に茶魔語を使っていた世代感涙の楽曲群をBGMとして、一色紗英、中山エミリなどの眩しく透明な姉ちゃんたちが躍動する青春ミニドラマ。
爽やかなビーイングサウンドと瑞々しく健康的なヒロイン、そして我々の乾いた身や心を潤してくれるポカリスエット…CMソングは軒並みミリオンセラーを記録し、出演ヒロインらも当CMを出世作として活動の幅を広げ、ポカリスエットもまた商品イメージが高まった…関わったものすべてが幸せになっている、まさにポカリを飲んだあとのイオンバランスぐらい、成果物として三者理想的に保たれています。
あと、Letit goの『200倍の夢』みたいにビーイングのフリをしている、全然関係のない楽曲も潜んでいたりしますが、良い曲なんでサラリーマンの傍ら90年代J-POPを中心にかけるサブカル系DJになりたい人なんかはしっかり履修しておきましょう。
ポカリスエット以外にもDEENの『このまま君だけを奪い去りたい』が当時ポケベルのCMソングに起用され社会現象を巻き起こすなど、ビーイング楽曲がテレビCMに広告効果以上のものを付与したケースは少なくない。
その中でも1990年代におけるCANON「EOS Kiss」のCMソングはビーイング楽曲を何本か起用し、ポカリスエットのCMぐらい高い親和性を見せている一方であまり知られていない気がするので、違法アップロード動画を貼り付けていることによる法律云々に怯えつつ、声高に主張していきたいと思います(※参考資料としての掲載ですが、削除等ご指摘いただければ即時対応いたします)
CANON「EOS Kiss」シリーズとは
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大手精密機器メーカーCANONが1993年9月に発売したファミリーユース一眼レフカメラ「EOS Kiss」シリーズ。初心者でも操作しやすく軽量でありながら高性能を誇り、30年以上経った今もデジタル版として後継機種が展開されている。
携帯電話やスマホのカメラでしょーもないもんを撮りまくっている昨今であるが、それ以前は各世帯にこの手の家庭用カメラを一台は持って、行事ごとの思い出を残すというのが当時のライフスタイルであった。
そんな1990年代、一眼レフによって思い出を高画質かつ鮮やかに残したいという消費者の願いを叶え、女性でも扱いやすいサイズと軽さである点を示しながら背後で流れるビーイング楽曲が感動的な付加価値を与えているショート映像…それが以下に紹介するCANON「EOS Kiss」シリーズのテレビCMなのであります。
俺は疲れているのか…!?CANON「EOS Kiss」シリーズの幸せなCMに感動しちゃう今日この頃…
みんな、すっごい幸せそうな分、独り身の俺には鋭く刺さるものがある
ビーイング楽曲からはDEENの『思いきり 笑って』『ありったけの笑顔』、ZARDの『永遠』が起用されている。ポカリと同じCM制作会社なんでしょうかね。とにかくたった15秒や30秒で商品価値と家族の温かみを伝えるのが上手すぎるでしょっていう。
『ありったけの笑顔』(0:30〜)はDEENのライブ中盤あたりに差し込まれるアコースティックコーナーで披露されることが多い。2ndアルバム「I wish」に収録されているが、長期記憶に繋がりやすい印象的なサビで、もし俺がビーイングのDEEN担当社員だったら進退を掛けてでもシングルカットを提言していたことだろう。
特筆すべきは(1:01〜)の相撲部編。彼女が「ちびまる子ちゃん」に出てくるたまちゃんのお父さんと化しているが、高校生のカップルなんて成就するわけねぇと思っている腐りきった俺でも、ZARDの『永遠』をBGMで流すことによって爽やかさが際立ち、二人は永遠に続いてほしいと素直に洗脳されました(最後のスリムな彼氏の白黒写真も“Kiss”の恩恵か勇ましく、千代の富士に見えるね!)
世界ではアマゾンの先住部族までもがスマホを持ち出し、カメラは時代とともに実用品から嗜好品へと移り変わっている中で、皆さんもCANON「EOS Kiss」で撮影した渾身の一枚を、CMの人たちさながらに拡大させて額縁に収め、部屋の目立つところに飾ってみてはいかがでしょうか。
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