進撃する"巨人"から目をそらすな
戦術分析や機体研究をしている身としては、環境期待と呼ばれる存在は無視できない。それが自分の持っていない機体であっても、仮想敵としてどうするのかを検討することは十分有意義であるからだ。
だからこそ、○○を修正しろ、と安直にいう事は許されない。
思考放棄と同義の言葉を棄て、メタゲーム研究をする人の矜持だろう。
"アトラス"対策、してますか?
はっきり言えば相手がアトラスだからってあきらめてませんか、って話。
アトラスガンダムがもたらした環境の変化
アトラスガンダム(以下:アトラス)のことを語る前に、まず私が言いたいことは私はアトラスを持っていないということである。そのため私から言えることは冒頭にあるようにアトラスへの対策をしていますか?というその1点である。アトラスの操作の難しさなど、所有者が持つ悩みについては知らんので、今回は対策という点に絞って話を進めることにする。
★4として実装されたからにはやはり破格の性能であるのは間違いなかった。特に特筆すべきはレールガンで、ビームが多用される環境で対策されにくい実弾属性でありながら、良好な弾速と支援機を思わせる射程500というスペックだ。これがとてつもなく厄介である。
高水準のバランスステータスでありながら、射撃武装にも恵まれ、格闘コンボも見込める。サブレッグの分大きい図体になるからか、防御性能も決して悪くはない。すべてが高水準でまとまったのがアトラスという傑物だ。
それゆえにアトラスが強すぎるという意見がやはり見られる。
私も厄介な相手だなぁとは常に思っている。
ただ一つ言えるのは、フライト機は昔ほど落とすのが難しくないということだろうか。かつてよりは十分に調整がされている。
アトラスの強さはずばり射程
射程は防御性能という考え方
射程が長いと敵の攻撃が届かず、一方的に射撃をすることが可能になる。この射程の差異はつまるところ攻撃を食らう頻度に直結する。
装甲や耐性、体力にばかり防御のハナシは行きやすいが、これは数値が明確になっていることも大きいだろう。隣接して表示されていることがあるから、防御といえばコレで射程を防御性能という考え方はしにくい。
射程が長くなると競技性を失い、ゲームが陳腐化しやすい
さて、一方的な攻撃が利点ともなる射程だが、この射程が優れた武装が高回転や広範囲を攻撃できるようになると射撃環境ということになる。
例えば格闘機が格闘をひっかける前に溶けてしまうといった事象はハイリスクハイリターンとして用意されていた格闘というジャックポット要素は爽快感とともに意義を失ってしまう。
それゆえに、長射程の武装は範囲が狭かったり、回転率が劣悪に設定されていることが大半で、長射程の攻撃を継続的に火力投射できる機体は火力以外を劣悪にされるというトレードオフでバランスをとっている。
最近のプレイヤー機運的に狭いステージの評価が高い
たびたび配信でも話しているが、長距離を必要とするステージを嫌う傾向にある。前項にも少し重なる部分があるが、格闘という爽快感のある要素を排除とまではいかないが、接敵する前の攻撃でストレスを与えるという戦術はすなわち格闘を生業とする人たちにとっては避けたい要綱である。
しかし長射程やAIMの精度を生業とする人たちより、格闘を生業とするような人達が多く、またそこに爽快感を置いているがためにステージは閉所や狭所を多く用意されたステージが今ランダムでも重用されている。
…港湾基地がランダムから外されて久しい。
長射程による火力投射と支援機の存在意義の薄弱化
これが一番きつい。端的に言えばアトラスを一方的に屠る支援機がいない。
現状の支援機というロールは火力バカにすらなり切れていない。フルバーストすればギリ強襲機を溶かせるor8割コンボがあるとかでは一切なく、射程が400と削られて、味方と並走し、味方が作った転倒やチャンスに対して追い打ちをかけることで味方の処理速度を上げるレーダーで味方の視野をいじれる鈍足機体でしかない。割とまじな話である。
Ex-Sガンダムをいつぞやに語ったことがあるが、支援機の上位互換になる汎用機がいる。射程が400あってダメコンついてて変形して変形最適化がついててインコム2種連携で打ち出せて…あれー?みたいな感じ。
この時点で射程400でとことこ歩いてついていく支援機の存在意義が薄れてしまうわけである。そりゃ支援機不要論にもなるわ。
かくいうアトラスもこの領域に踏み込んでいる。★4だからいくらか許されるべきというのもわかるが、そうであっても最大射程500は驚異的だ。随伴支援機が多くリリースされがちなのを考えると、500という射程を持つ機体自体がかなり稀有な存在になってしまった。汎用機に射程を与えたら、機動性も装甲も劣る支援機はどうなってしまうというのが本心だ。
射程500というのは現環境では間違いなく長射程である。
最近すっかり汎用機に渡されることの多い射程ではあるのがもどかしい。
火力投射は通常のよろけ取りのほかに敵の後列への威圧すなわちアンチスナイプを片手間に行うことも視野に入る。しかもアトラスにはほかに射撃武装があり、それらも即応性に富む。なんならARのアンダーグレがあるので即よろけについては3種(メデューサ)込みあるようなものなので、レールガンは気軽に味方のカットにも使える。
レールガンは奥の支援機を牽制するのにに撃ってもいいし、その支援機は射程500なんかないことは先述の通りである。射程300程度でまとめられているアドバンスド・ヘイズルからしたら苦しい相手だ。味方からはアトラスを溶かせってつつかれるし、アトラスは近寄る前から圧をかけられる。
ここで前述したことを思い出してほしい。
★4であるからこそ、この部分については大きく緩和されているという考え方ができるため、デメリット要素を限りなく弱火にしたものというとらえ方ができる。ポテンシャルとしては強いというのは同意したいところだ。
フライト機体の追い風
アトラスが出る前にデルタガンダムの一件があった。
攻撃全振り防御オブラートを地でいくとは言え、射程・火力・性質がすべて合致したがゆえに調整対象となってしまったわけだが、この副兵装の問題点は4バーストとは名ばかりでほぼ1発あてるくらいのエイムで止めれるというところも大きかっただろう。また高性能のデメリットが防御面だったが、熟達してきたプレイヤーはこの射程をきちんと防御性能として使い、一方的な射撃からきっちりと削り、相手が到達する前に倒し切るという運用をしていた。射程を防御性能として扱っていた証左であろう。
話はそれたが、この当てやすかった4バーストが対空においては要だった部分であるが、それをきっちり削られてしまい対空に対してのハードルが上がっていることは間違いない。それでもデルタのあとにはきちんと遺志を継ぐ性質を持った機体は出てきていた。
このゲームのプレイヤーのメタゲームが――
――浅い。
バトオペ2の歴史の中で「古参検定」といじられてて面白いんだが、ガンダムMk-Ⅱの時代のメタ編成議論は面白かった。
何せMk-Ⅱの対策になぜか支援機ではなくMk-Ⅱをぶつける話しかされなかったからだ。
当時からもそうだが、格闘のコンボまで走り切るのが絶対であり、相性不利だろうが格闘ねじ込めば支援機を屠れるという点でこのMk-Ⅱという機体は評価されていた。なので機体という性質をメタるのではなくMk-Ⅱ同氏をぶつけ、機体や編成の差異を削ったうえでなかのプレイヤー技量だけで優劣が決まるような構図を作っていた。これはメタゲームではなくて武人の考え方だ。選択肢を自ら削ったうえで相手をマウントする理由が本来ならないはずだが、それを個人に対するマウントで賄ってしまった結果ともいえる。
なんで同じ機体をぶつける話になるのか。
単純に考えることが少なくていいから
メタゲームを考えるってすごい大変なのだ。
機体の対面を想定し1機のメタを探し出すために何機も何機も練習しないといけない。そんなに労力かけるのが馬鹿らしい、だからSNSで情報収集しようとする。だって練習するよりはるかに楽だから。
ゲームにマジになっちゃって、って揶揄の仕方ありますが疲れるためにゲームしたくない!っていう人が体感として多い。でしょう?
結果低きに流れてメタゲーム(笑)で同じ機体をぶつける、と。
加えて同じ機体同士だからスコアが高ければ俺のほうがうまいとも言いやすいマウントまで備えてSNSで誇示しやすいワケ。最悪の副産物だ。
Mk-Ⅱを採用しなかった人に対して、環境わかってる?と煽ることで攻撃性も完備。採用しなかった人を徹底的に個人攻撃をする口実(もちろんそんなのは何の免罪符でもないので、単なる内輪の中での道理の特例)ができる。
Mk-Ⅱの数で試合が決まるのなら、少ない側が勝った時の分析をきちんとしましたかって話になる。上記のように「Mk-Ⅱを採用した枚数」なんていう逃げ道を作っておくことでMk-Ⅱを採用しても下手な人がいた、とかそんな理屈でのらりくらり逃げてましたよねって感じ。目的が試合に勝つためとか言っちゃっておきながら、実質相手を馬鹿にすることに特化しちゃってる。
このように自ら選択肢を削ることを美徳とし、その道からそれることを害悪というロビー活動を併せて行うことで、立場を確保していたという点は番外戦術の巧者ではあるけども、褒められた立ち回りではないとだけ言っておきたい。きちんとしっぺ返しを食らってほしいものだ。
当時、今のアトラスのようにMk-Ⅱの調整がへたくそ、みたいな意見が散見したのもゲーム性を自ら狭めて運営のせいだっていう事へのすり替えによって運営を敵にして団結しようとしていたっていう見苦しさですよ。だせぇ。
――とまぁ、思い出語りになってしまったけれどもアトラスの事
メタゲームにおいて同じ機体をぶつけてナンボで思考停止というのは過去の事例がこのように教えてくれるわけなので、結論から言うとアトラスに対しての対策についてはここで持っているノウハウ以上のことはなく、アトラス対策はある意味ではブラックボックス化している。逆に言うとここがバレるとアトラスを出し抜けないので…まぁ仕方ないよね。
アトラスの強さから対策を立ててみよう
とはいえ、アトラスに関していくつか方策をとって私は何となく結果を出しているので、対策を組み立てる時のアイデアをご紹介。
アトラスの接近を許すな!間合いを確保せよ!
間合いの確保というのは実はcost600においてはちょっと面白いことになっている。というのも『変形』を前提とすると、必然的に自身は敵対機に接近することになる。フライトと違って強制前進するのは間合いを詰める行為だ。
変形武装はスラスター消費を伴うことから疑似的な時間制限があるため、その時のみ使用できる[変形]武装は蓄積値が高かったり、強よろけをうちこめたりとかなり強力になっている。反面一部の機体――具体的に言えばスキル:変形機構最適化がついていない機体はオーバーヒートを覚悟した動きとなる分、大きな隙をさらす。もちろん自ら前身、接近するということはアトラスからすれば接近してくれれば次の手となるアサルトライフルなどレールガン以外の選択肢を増やすことになる。
自ら接近するという選択肢である変形武装はかなりリスキーなものだ。ここを主軸にして戦術を組み立てたくない、というのが本心である。
2つ以上の武装で圧をかけられるかどうか
射程500あるレールガンが脅威だが、こちらも同程度かそれ以上の射程からある程度の火力投射が見込めるほうがよい。極端な例だがレールガン1発撃ち込んだら、こっちは5発返してやるぞくらいの形を作っていくと、アトラスは接近をあきらめることが多い。これは射程の長さのあるレールガンを初手に使いたいのもあるが、他の武装の間合いがレールガンに比べて劣るため、格闘に繋げられないのなら諦めるほうが得策であると考えるからだ。
したがって、対アトラス「だけ」を考えるなら高回転長射程を達成できる3つないし2つの武装を主軸に戦う方が現実的である。
アトラスが狙う最終地点は格闘2種フルコンボ
強襲へは相性有利、汎用へは等倍だが格闘補正の高さでごり押し、支援へは耐格闘の低さをついてこれまたごり押しというのが汎用格闘機の特徴である。文面で書いていて思うが三竦みとはいったい、と思わせる性質だ。
したがってダメージソースとして格闘をねじ込むところまでが終着点。
アトラスのしたいことは射撃戦ではないからして格闘に持ち込まれた時の返しが欲しいとなると、必然的に近接戦闘性能がある程度高いことが求められる。高い旋回性能や高回転蓄積よろけ武装なんかがあると大変良い。
また、対症療法となってはしまうがアトラスの格闘を食らった後を考えるのも大事だろう。捕まらないことが大前提だが、捕まってから返しがあるのならそれもまた一つのポイントになる。がっちり受け切ってから手痛い反撃をカマしてやるのだ。
練習を怠らないこと
空に逃げる相手に格闘は不利。AIMの精度で先手を取れ。
機動性が高いということは接近してのダメージソースはちょっと現実的じゃない。なのできっちり削ってからの格闘という感じで格闘に偏重しないような立ち回りや機体を選択しよう。
アトラスが止まる=ほかの機体にも使えるノウハウいっぱい
強よろけを動く敵に充てるなどのノウハウは別にアトラスに限らず自分を救うだろう。的確な射撃を的確にねじ込むということはとても重要だ。
それこそ皆が言うカットをしろ、という点で精度が上がれば味方の損耗も減る。ガバ射撃を減らそう。私も頑張ろう。
2枚受けは現実的に厳しいが、1.5人分くらいの活躍を目指そう。
このゲームは枚数有利不利が言われるように枚数はかなり大きな要素である。1.5人分うまくというのではなくカットだけ放り込んで自分は別の敵と1on1すれば味方のペース握り返しとなって1.5人分といえるのではないか。視野の広さはスコアとして明示されにくいが、重要なテクニックだ。
終わりに
機体について書いてないだって?
だって今その対策で生き残ってるからそれをメタられたくないもん
とはいえ、さすがにそれではnote読んでくれてる人に対してちょっと不誠実なので少し書いておきましょうか。
ヒント
強襲・汎用であればフライトを叩き落として格闘までつなげられるようにしたいが、アトラスは孤立して動くことが少ないので、メインで回す即よろけ武装とは「別に」フライトを面倒見れるような武装が欲しい。
支援機であれば長射程1つ中射程1つあるとよいが、そうでなければ近接戦闘を視野に入れた立ち回りや武装が必要。
アトラスに対して1-1交換を仕掛けて、他の戦場で勝つという考え方も必要。それに向けて必要なのはアトラスが格闘を仕掛けた際にはレールガンが飛んでこないことを逆手に取り、味方が攻撃を受けている際にきっちり倒し切ること。味方が死んでもアトラスを倒し切れば1-1交換となり損にはならないという大局的な計算をすること。
アトラスからの損耗を減らそうと考えた場合には装甲を高くしておくのも重要。ただしcost600という特性上、ビームも飛んでくるため全部の装甲を高水準にすると火力が落ちてしまう。ここをどう折衷案を取るか。
フライト機体のため、部位破壊は効果的ではない。そのまますり潰せ。
立ち回り的には飛んだりスラスター吹いていない歩きを徹底的につぶしたいので、ある程度の射程と弾速が担保されている武装を持っていたい。
配信もぜひ
配信でいつもしゃべってます。聞かれたら答えますので、よかったら是非。
今回は機体の対策の立て方を記事にしていますので、他の対策も同じロジックで考えています。この考え方で自分を生かせるメタゲーム分析をしましょう。自分の好きな機体を生かす。自分の乗れる兵科で勝つ。創意工夫で戦うことは大変ですが、感動はひとしおです。
配信で聞かれれば普通に答えちゃいますので()