kojikojiが証言をサンプリングしていることの是非 1 つけめん 2020年10月13日 23:14 「自分に影響を与える物を自分で選んでいては都合の良い自分にしかなれない」という山口一郎氏の訓戒に忠実でありたい私、映画でも音楽でも、人から薦めてもらったものは基本的に全て試してみるようにしている。この度、kojikojiのEP『127』を薦めてもらったので試してみたら思いの外発見があったので以下、感想と解釈。kojikojiといえば、空音との共作だったり、BASIの『愛のままに feat. 唾奇』カバーが有名だと思う。雑に言うなら「甘めのチルポップ」を歌う女性シンガーであり、私が勝手に苦手意識を持っている界隈で人気を獲得したアーティストだ。本譜はたった4曲だけのEPなので聞きやすく、それでいて十分満足感を味わえる中身だった。「聞き手に全くストレスを掛けない」という特性はこの手の音楽ジャンルが持つ強みだと思うし、このEPは特にそれが顕著だと感じる。EPの締めは韻シストのBASIが作詞を手掛けたという『いつかのDays』。この曲の歌詞中には「笑ってたいから踏む韻」というフレーズが登場する。HIPHOPを齧った人間なら皆ご存知の通り、これは日本語ラップのクラシックど真ん中、『証言』verse 3のサンプリングだ。正直、誰得なのか。別にこれは苦言でもなんでもなく本当に疑問だ。kojikojiは確かにHIPHOPというジャンルに近い存在だが、HIPHOPそのものではない。加えて、何人のリスナーがサンプリングを意識しているのかも定かではない。しかし、そもそも音楽というのは作り手が好き勝手にこねくり回したフェチズムの集合体であるべきで、BASIがどういうつもりでこのリリックを提供したのか推し量ることはできないまでも、サンプリングのライン一つを取ってあげつらって分かった気になるのは傲慢だし、それこそ失笑ものだろうと思う。とはいえ、”享受する側として”ストイックでありたい一リスナーとしては作り手の痕跡に思考を凝らすことに生産性を期待したい。無駄ではないと思いたい、、けど実際はどうなんでしょうね、わからん。 いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #証言 #127 #kojikoji 1