ラッパー、後藤正文

アジカンボーカル後藤正文、ソロプロジェクトとTwitterでの名義はGotch。

12月2日、彼の誕生日に出た新譜『Lives By The Sea』を聞いた。

前から彼が日本語ラップに傾倒しているのは知っていたし、アジカンでは『新世紀のラブソング』の時既にラップっぽいことをしてる訳だが、もはやそういうレベルじゃない。

もうほとんどラッパーと言っていいのではないか。

彼自身がそう語っていたように、本来彼の歌唱法のルーツはバンドとか、延いてはフォークとかその辺なんだろうと思う。

しかし今作、上で述べた『新世紀のラブソング』での”それっぽい”ラップや『解放区』でのポエトリーリーディングとははっきり異なっている。

Gotchがフローしてる。メロ感あったりアジカンぽい節回しもしてるけどフローしてる。ラッパーじゃん。

唾奇、BASI、JJJといった現在の日本語ラップ界で名を轟かせているラッパーたちが参加していることでより雰囲気がそっちに寄ってると言えなくはないが、トラックもHIPHOPだしもうこれはジャンルで言うとロックより日本語ラップと言ったほうが正しい気がするのだ(ジャンルレスの時代にわざわざする議論ではないかもしれないが)。

この曲については言及したいことがある。

唾奇。いつ、誰の、どの曲で聞いても最高にdopeなラッパー唾奇。

彼はゲットー育ちで、HIPHOPのいわゆるストリート的な要素として「底辺から成り上がってやるぜ」みたいなモチベーションも当然持っているし、それがリリックで感じ取れる時もある。しかしそれと同時に悟り世代的な世の中に対する諦観というか、「世界はこんなだけど俺らは楽しくやってるしもうこれでよくね?」的なイズムも見え隠れしている。

後者の方は最近のGotchの思想とかなりマッチング率高い。全く同じではないかもしれないが食い合わせは間違いなく良い。

アジカンの『ホームタウン』ツアー沖縄公演で前座を張っていたのが唾奇。

あの時やっぱ行っとけばよかったよな、ってこの曲聞く度に私は思い出すんだろうな。

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