一村、温(いろ)と配置と大画面、最後まで愛された画家
上野にある都立美術館にて開催されている「不屈の情熱の軌跡 田中一村展 奄美の光 魂の絵画」に行ってきました
以降、所感
まず点数が圧倒的
小さい色紙もあれば、屏風、襖なんてものも持ってきてあった
展示会は数あれど、ここまで点数が多いのは中々なさそう
実は展示会まで一村を全く知らなかったので、結構びっくりした
絵の特徴は巧妙な配置と色、そして温度感
幼少の頃は大きくダイナミックな色と筆遣いで、青年期を経て次第に穏やかに、繊細に小さく変わっていっていた
多くの点数の絵が残っていたことや、生活に根付いた襖や天井絵などを依頼されていたことから、一村は「村」の画家というイメージを持った
特に歳をとる事に賞などから遠ざかっていたとの事だったが、戦時を経てもこれだけの作品が残っていること、そして、展示会のキュレーションの力の入り方から、とても愛されていたことが窺い知れる
特に自分が気に入ったのは初期の紅白の梅が描かれた扇子で、色使いと構図が上手いなと思った
また、晩年は温度感が色で伝わり、紙が変色しているにもかかわらず、湿度まで伝わってくるようで凄い
一村の展覧会の始まりは三回忌、3日間だけのものだった
これが東京の美術界ど真ん中の上野にて時を経て展覧会が開かれるというのはよっぽど人間的にも好かれていたんだろうなと感じた
これを書いているのは週末のハロウィン行事真っ只中だったが、来れて良かった