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TOKYO GALACTICA PHANTOM、あるいはバリバリバルカンパンチの大気圏で

先頃、一番星の生まれ変わりであるお笑いコンビが誕生した。
タケイユウスケ氏とモリタセイヤ氏が組んだKINSEIである。
3月の終わり、タケイさんの新コンビ結成を伝えるツイートを拝見した。コンビ名を知った時、卒倒するかと思った。あまりにも好きなタイプのコンビ名だった。
【KINSEI】
良すぎる。どう考えても良い。縁起も良い。
大文字なのも良い。覚えやすくてかっこいい。口に出して心地よい。
金星から付けたのだろうか。恐らくそうだろう。
一際輝く巨大な質量、落ち着いたカラートーン。お2人の雰囲気にぴったりだと思った。

そして先日6月24日、KINSEI自主ライブである「TOKYO GALACTICA PHANTOM Vol.1」が開催された。
タイトルにVol.1とついている。これは幸先が良い。間違いなくVol.2もあるという事だ、しめしめ、などと考えていたら早速次回があるらしい。
9/3(日)何か予定を入れたい方は是非行かれてみてはいかがだろうか。
https://twitter.com/sionjksk/status/1673284479333584899?s=20

Vol.1のアーカイブは7/10まで見れるとの事で、おすすめなので是非!
通常配信チケット
https://twitcasting.tv/c:shinshin38/shopcart/245059
応援チケット(お礼動画付き)
https://twitcasting.tv/c:shinshin38/shopcart/245060

端的に、このnoteを通してお伝えしたいことは『本当に面白くて衝撃波が出てるのでぜひ体感してみて欲しい』ということに尽きる。
KINSEIはどちらも声がデカく、知的なのに感情的で、落ち着いた風貌なのによく叫ぶ。そして何より、どちらも演技がとても上手なのにも関わらず、終始しゃべくり漫才である。恐ろしい事に、本当に最初から最後までしゃべくっていた。これまでのネタがそうだった様に、2人はコントをするコンビなのだと思っていた。
開催も迫ったある日、タケイさんが「漫才のみ、新作を6本やる」という内容をツイートした。卒倒に次ぐ卒倒。コントをしないなんて事があるのだろうか。あんなに凄いコントをいくつもやるのに、全部漫才です!なんて事があるのだろうか。
もはや狂気のように思えた。どういったつもりだろうか。

梅雨の夜のはじめ頃、会場には早速素敵な歌が流れていた。
余計な知識になるが私には音楽のセンスも知見も全くないため、本ライブで掛かっている曲が見事に分からなかった。ただ、相変わらず素敵な歌が流れていた。
知識ゼロの私でも良い気分になるので、音楽が好きな人は選曲も楽しいだろうと思う。

ライブは下記のように進んだ。
-OP
-「初期」
-「ジャンル」
-シティホテル3号室のコント
-「映画」
-「悪口」
-ニュークレープのコント
-「鳥」
-「良さ」
-ED

KINSEIの漫才は、はじめましての6本で既に「KINSEIの漫才とはこういうものです」が出来上がっていた。
とても混乱した。早すぎる気がするがどうなのだろうか。才能をまざまざと見せつけられた気がした。全てもれなく面白かった。
テレビで何となく見かけた後しばらくしてあの人達なんてコンビだったっけとなってもすぐに探し出せる、と一緒に行った友人と帰り際に話したりした。

ここではあえてモリタさんのことをせーやくんと記載させていただく。
なぜならタケイさんは漫才中、100回に迫るのではと思われる勢いで「せーやくん」を連呼するのだ。ここで慣れておいた方が良い。どうしようもなく、タケイさんはせーやくんに問いかける。
答えを聞く気もないのに問いかける。
時には自分を肯定させたいがためだけに問いかける。

どう思うせーやくん!
聞いてくれせーやくん!
そうだろせーやくん!

お願いだからせーやくんを解放してやってくれと思ってしまうほど、タケイさんはせーやくんに語りかける。KINSEIの漫才は会話の極地かもしれない。迫真の「せーやくん」を聞くだけでも価値がある。

タケイさんがボケて、せーやくんがツッコむのだが、漫才中、タケイさんは良いことを思いついても不安なことを相談していても、いつでもひっ迫していて支離滅裂ながら、何となく言いたい事が分からんでもない絶妙さを持った人だった。計算されたヒステリーでせーやくんがどんどんとノイローゼになってゆく。せーやくんの優しさも対話も叱責も虚しく、しまいにはお互いが錯乱してゆく。あまりの報われなさにどう転んでも笑ってしまった。

最初から最後まで、言葉の洪水、あるいは濁流。そう思うほどに言葉が溢れて止まらない。
お2人とも良い声で、音量が近いのでステレオ感があるように思う。これも没入感を得た理由の一つかもしれない。
また、お2人とも凄い演技力で、メリハリがあってすぐに時間が経ってしまう。
ここから語彙力無くしますがオチ上手い!!!さっとしてすっとしてる!!オチうま!!!頭良いーーー!!!オチうまーーい!!!後味すっきりしてる!!!すごい!!!みんなにもオチ味わってみてほしいなぁ!!!

タケイさんは我儘な子どものようでもあり、メンタルが泣いちゃいがちな彼氏彼女のようでもあり、ダル絡みしてくる1番面白い友人のようでもあり、拗らせた内面を表に出せずじっと我慢している自分自身のようでもある。
つまりは、あなたの親愛なる隣人、であった。
自身の内外にある特殊なひっ迫感や拗れを、あらゆる形で模倣し解消してくれる。そんな多種多様な暴投を、せーやくんは真っ直ぐに、打って打って打ってゆく。

ストレスを吹き飛ばすような衝撃波をくれるライブだった。最後はつき物が落ちた様な爽快感が残った。

これからもKINSEIの半径10mは息がしやすいだろう。その巨大な重力に身を任せていれば、終わる頃にはすっきりした気持ちで劇場を後にしている。そして今後、10mがさらに広がり、2階3階へと拡がることと思う。
宇宙は常に膨張しているという。
これからも心置きなく拡大して欲しい。



(ここから先、ゲスト2組のネタに少し触れています。ネタバレなしで見たい方は、先に配信をご覧ください)

そんなこんなでオープニングとエンディングではゲスト2組を交えたトークがありました。終始和気あいあいとして面白く、とても楽しかったです。前も思ったけどトークだけでも2時間見たい。

-シティホテル3号室のコント
売れてない?役者のコントでした。
売れてない系の業界にハマりすぎた亮太さん。そう言われたらそうとしか見えなくて笑いながら感動してました。ずっと面白くて、後半少し焦ります。それ以上はハマりすぎてる!ってなります。
エンディングで話題に出た押田さんのラジオは絶対に気になるやつでした。

-ニュークレープのコント
歓迎会のネタでした。
ナターシャさんの上司、キャラ濃!!って笑ってたらそれを上回り全てを破壊する新人くん…。リーダーさんのキラキラした目と笑顔が恐怖なのでみんな見てみて欲しいです。
個人的にデビさんのテンションがツボでネタ中もトーク中も目が離せませんでした。

全体通して、とても濃くて笑いっぱなしのライブでした!
ちなみにせーやさんの衣装候補が3種類あり迷っているとの事で、どれが良いかなアンケートがあったのですが、個人的には1番最初の水色?銀鼠?のスーツが一推しでした。
キラキラがいいじゃん絶対!!星だし!!
爽やかでとてもお似合いでした。

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