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モーツァルト! 2024/8/26夜 帝劇

完全に自分用&観劇後向けメモ!



1階1桁列上手サブセンより観劇。
下手の方が大我くんが近くに来るように思ったけど、上手は表情がよく見えるシーンが多く感じて、特に最後の作曲シーンのあの表情を上手から角度つけて観られただけで本当によかったです…

京本ヴォルフはとにかく人間界に馴染まない、馴染めない、人間の行う営み(勤労や生活、愛と家庭…)が何ひとつまともにできない天使。
社会からはみ出し愛してるパパも認めてくれない。
彼の才能を承認してくれるヴァルトシュテッテン男爵夫人とコロレド大司教猊下(なんか歌のうまさとか音程とか考えながら聴くのはつまらなくなるようなvividな魅力があった。笑)は彼を愛してはくれず、承認という彼の欲しいものを使って彼の自由を奪う。

彼の才能である(のよね…?)アマデちゃんは可愛らしさもあるのだけど気高く厳しい。

「気高く生きる」と歌っていたとおり、ヴォルフはアマデちゃんを大切にしたいとも思っているはずなのに、人間界がそれを利用して破滅へと向かっていくように思えた。

母を亡くし父を亡くし人々に利用され堕ちていくモーツァルト。

アマデのせいだと憎しみをぶつけていたけど、アマデとふたりピアノを机に向かい合わせで作曲する姿はこどもの遊びのようで幸せにも見えたよ。
才能って社会で活躍するためのものだと思っていたけど、ヴォルフは才能の箱を自分のためだけに開けられたのなら幸せになれたのかな。
悲しくて仕方ない。
夫人の星から降る金が1回目は自立への励ましに聴こえていたのに、2回目は魂の抜けたヴォルフを魔法の力で連れ去っていくようで怖くて残酷でもうやめてあげてと思いながら泣いていた。香寿さん好きです…

レクイエムを書く終幕にかけての時間、京本大我の真骨頂。純粋な狂気。心臓を刺すのが自然な流れにすら感じる。

あとナンネール…家族と弟が好きで、弟の幸せを喜んでいて。
でもヴォルフの才能とヴォルフ自身に振り回され、女性であることが枷になり。
自分には手に入らないものを生まれつき与えられているのにそれを無駄にするヴォルフへの妬みも強く感じた。
彼女が最後ヴォルフの才能の箱を開けた時の笑みが、ヴォルフの残した才能のきらめきを愛おしむ表情にも、強烈な才能を手にとってこれがこのままわたしの手に入ったとしたらどうだろう…という欲望の瞳にも見えて、なんだか震えてしまったな。

話は大我くんに戻り。
大我くんって、ソロももちろん惹きつけられるものがあるのだけど、誰かと共に歌うと相手の良さを引き出しつつ自分の主役性が爆発するタイプに今回感じた。
誰と歌ってもハーモニーが綺麗だし、最後とかあんなに大勢の中のコーラスとともに歌っているのにどんどん大我くんの歌声に耳が吸引されていった。

歌唱にまだ課題がある部分もあるなーとは正直えらそうにも思ったのだけど、声質に加え高音やロックみもいける魅力と、演技力とある意味魔性の純粋さみたいなものの質感は唯一無二なんじゃないかな。

舞台装置も衣装もすばらしくて見応えあった…
あの回転する大ピアノ装置すげぇ。

古川ヴォルフも9月上旬に観るので、どんな姿が観られるのかとても楽しみ!

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