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想像するということ

私が使うSNSの堂々第一位はTwitterなのですが、普通に現実世界では関わらないような人々の思いを見ることができてとても楽しいですよね。
以前にもどこかで書いたような気がするのですが、小児科医の先生たちをフォローしていると時期によってライフハック・注意喚起をお届けしてくださるので非常に助かっています。

ですが、助かる反面、あまりいい気持ちにならないつぶやきを目にすることも多々あります。
妊娠、出産、子育て、仕事、責任、重圧、生活、性・・・10人いれば10通りの生き方や辛さ楽しさがある訳であって。自分が経験したことのないことに対して批判する人が私は不思議でなりません。
今子育てをしている関係で流れてくるツイートも妊娠や子育て関連が多いのですが、最近見てて辛かったのが悪阻関連ですね。

悪阻ってね、本当に人によって違うんですよ。似たような症状はあれど誰一人として同じ程度の人はいません。そして耐えられる度合いも違います。
今回twitterで見たのは「悪阻でほとんどの食材を受け付けられない中某ハンバーガーショップのポテトはいけた」と言うことに対する批判です。
これ、本当によく聞きます。不思議ですよね。笑
この事に対してそれだけじゃ栄養面で良くない、甘えている等の批判が寄せられていました。イヤァ片腹痛いですね。
見るからにジャンキーなポテトのみを食べることが栄養面で良くないことくらい、妊娠できる年齢の女性は皆わかっているんですよ。それでもこれはいけるんです。なら食べるしかない。という当たり前の選択をすることが何故そんなに批判されないといけないのでしょう?食べられるものを食べられるだけ食べてくださいと医師にも言われます。専門家が言っていることに、なぜ素人が口を挟めるのでしょうか?ど素人のお気持ち表明など誰も求めていないのですよ。

悪阻に関して、私はかなり恵まれていてほぼ悪阻はありませんでした。(というと語弊がありますが、体調不良になって休んだのは3日間で他はピンピンしていました。)ホルモンバランスの乱れでとにかく眠かったくらい。これは寝悪阻と言うらしいですが、私はそこまで酷くなかったです。仕事に支障もなかった。ひどい人は仕事にもならないようです。
なので、悪阻がどのようなものなのか全くわかりません。ご飯もしっかり食べていたし、何の匂いがだめ、これは食べられるという偏りが生まれることもなく生活ができていました。本当に幸せなことです。でも、これはあくまで私の場合であって、大多数の妊娠を経験された女性は多かれ少なかれ体の不調を経験しているんですよね。
同時期に妊娠をした会社の同僚は和食全般がダメになっていました。なんでも醤油の香りで吐き気を催してしまうと。想像できますか?悪阻って聞いて、醤油がダメって。炊き立てのご飯の香りがだめとかは聞いたことあったんですが、醤油って・・・調味料として少しでも醤油を使っていると、敏感になっている体はそれを察知してしまうそう。家ではバケツと友達だよと少し痩せた体で話していました。
また、今妊娠している友人はとにかく温かいもの全般受け付けず、頑張って少し食べても気持ち悪くなり動けなくなってしまうと言っていました。
もう理解できないですよね。私もわからないです。ひとくちに悪阻と言っても色々な種類があって、おそらく悪阻を経験したことがある人ですらそんなパターンもあるんだ?という悪阻もあると思います。そして悪阻を経験したことがない人なら、ポテトしか食べられないのも理解できないでしょう。

だから、だからですよ。わからないから、理解できないから、丁重に慎重にするんです。私は悪阻の辛さはわかりません。だって経験してないもの。でもだからって「(私が平気だったから)あなたも大丈夫でしょ、妊娠や悪阻は病気じゃない。甘えてないで仕事しろ」なんて言いませんよ。わからないから、少しでも体調悪くなったら帰ってね、休んでね、ここは自分に任せてね。なんです。もしその人に無理をさせて何かあったら責任取れないですもの。

「少しの気持ち悪さなら耐えられる」「自分の妻は大丈夫だった」「悪阻があったけど家事してたよ」「私は平気だったけど」「甘えてる」

言語道断です。経験ができない方や経験されてない方は何も言うでない。そして自身が経験しているのにそんなことを言ってしまう人は、自分と違う個体であることを理解しましょう。誰一人、しんどくてそうなっているわけではないのですよ。

辛いといっている人に対して、心無い言葉をかけられる人たちに足りないのは理解力であり、想像力や共感力です。そしてこれは私が例に挙げた悪阻だけではありません。よく話題になる女性の生理妊娠出産への批判、そして多くの男性の家庭を持つことへの責任感・仕事へのプレッシャーにも同じことが言えます。
自分がその立場になれないのなら、ご意見番のような発言はすべきではないし、まずその人の立場や状況を見て、自分が同じような立場ならどうかを一度考えてみるということが必要です。
そして何より、辛いと言っている人にはまず寄り添うことが一番重要です。

今の時代、顔を突き合わせなくても意見交換ができる(しかも匿名で!)非常に便利な世の中になりました。私はそれをとても良いことだと思っているし、助けられています。しかし、ポンっと文字を打ち込むだけで素性のわからない相手に言葉を届けられるようになり、様々な弊害も同時に生まれています。
自分が学生時代の時よりも、目の前の小さな電子機器に傷付けられている人が多くなっていると感じています。

便利なツールです。楽しく、有効に使っていきたいですね。

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