コンビニの雑魚弁当
ざこ-べんとう【雑魚弁当】
・おにぎりと少量のおかずで成り立っている弁当のこと。おにぎりの具はだいたい鮭と何か。
・在庫が少なく、なかなかコンビニで見かけることができない。おそらく人気がない。
私は雑魚弁当を愛する。
別に美味くはない。
あの質素さがちょうどよい。
なんかそんな口の時がある。
あの決められた枠の中に収められているおにぎりと
雑魚弁当協会で定められているのであろうおかずのバリエーションの無さとチープさ。
蕎麦とかめっちゃ好きなんだけど
落ち着いた蕎麦屋のいいせいろとかじゃなく
ラジオが流れる狭い蕎麦屋でおじおばが作るようなかけそばが異常に恋しくなる時がある。
それと似たような感覚なのがコンビニの雑魚弁当。
普通の弁当の冷えたご飯とかのチープさとかもなんか好きなんだけど、それ以上にあのパッケージ内に収められているチープな世界に惹かれる時がある。
チープチープと先程から言っているのですが、
十分の量である。
ただそこに自由さはない。
海苔もパリパリではないし、米も柔らかいとはいえない。おかずもおかずだ。
それの何がいいのか。
なんか昔のお弁当を思い出す気がする。
朝に作ってもらって、午前中を過ごして昼過ぎに食べる。
その頃には朝の出来たてからは程遠い。
でもあの頃は美味しい美味しいと平らげていた記憶。
そんな感情が少し後押しするのがコンビニの雑魚弁当。
雑魚とはいいつつ思い出に似た感覚を含んでいるのかもしれない。
最も美味しくはないけど、ちょうどいいって大切です。
何とはないけど、強い憧れとか惹かれるものがある。
でもそれじゃなくってちょうどいい心地よさのものに気づいたら途端に素敵な存在になる気がします。
心の隙間を埋めてくれるかもしれない雑魚弁当。
見かけたら声かけてあげてくださいね。