北関東サ旅2023(サウナレポ)
ふるさと納税でもらったらサウナの無料券があった。一度行ってみたかったサウナだったので軽率に申し込んだら、思ったよりアクセスの悪いところにあって、無料券の期限ギリギリになってしまった。なので、連休を利用して、行くことにした。
場所は北関東。群馬と茨城(チラリと栃木)。
要約
「毎日サウナ」は薪ストーブの高温サウナと、ぜいたくな外気浴スペースがすごい!アウフグースも独特で必見。しかも安い!
「蔵サウナ」は蔵をまるごとリノベしたサウナ。静かな雰囲気の中で楽しめるチルアウト体験。水風呂もグッド。しかも安い!
本編
毎日サウナ
北関東には行きたいサウナがもう一軒あり、せっかくなのでそちらも回ることにした。
「毎日サウナ」は昨年ごろにオープンしたサウナで、前橋からバスで少し行ったところにある。
東京から群馬や栃木は、湘南新宿ラインが運んでくれる。時間はかかるが、片道2000円程度でいけるので、行こうと思えば、という感覚だ。
(余談だが、英語にしばしばみられる"This road will take you to xxx"、すなわち「この道があなたをxxxまで運んでくれる」という表現が好き)
国道沿いの巨大チェーン店やTSUTAYAが並ぶ道を一本入ると、これまた巨大なプレハブのような外見の建物があり、それが「毎日サウナ」だ。
入ってみると、清潔なジムのような受付で、なんと値段が2時間で1800円。
は?!やっす!!!!
東京でサウナ施設に入ろうと思ったら、1時間半で2500円とかが相場だ。それを2時間で1800円とは!土地が安いからか?すごいことだ。
タオルなどは用意されていないので、自前のをもっていくとよい。
浴室に入ると、さっそく目に入ってくる広い外気浴スペースと、水がドボドボ注がれている大きな水風呂が期待感を煽る。浴槽はない、サウナ特化の施設だ。(注意として「あたたかい風呂はありません」と書いてあったのがウケた)
シャワーで体を洗い、いざサウナへ。
うわっ!!!「薪ストーブ」だッ…これッ!
暗いサウナ室の中央に鎮座している鉄製の箱。その中では炎がめらめらと燃え上がり、穏やかな灯りと強烈な熱を放っている。さながら暖炉がそのまま置かれているような。ここまで大きな薪ストーブは、お目にかかったことがない。
東京で薪ストーブを体験できるのは、池袋「かるまる」か、あとはたまにやっているテントサウナイベントぐらいのものだが、そこにもここまで大きな薪ストーブはない。さすが群馬、スケールが違う!
しかも、薪ストーブの周りにはサウナストーンがびっしりと装備されている。セルフロウリュもバシバシできようというものだ。
鉄と石に覆われて炎を讃えてどっしりとした様は、なんかMtGの赤のクリーチャーみたいだ。4RRとかの。
肝心のサウナとしての性能も、これまた素晴らしい。かなり高めのセッティングで、薪ストーブらしくけっこう頻繁に薪の投入のために扉が開くが、いっこうにぬるくなる気配がない。
セルフロウリュ用のアロマ水も2種類用意されていて、ラドルがしっかり長いのも好印象。たっぷり水をかければ、優しい音と共に蒸気が供給されてたまらない。
サウナ室はストーブを中心に両側にひな壇があるが、座面の幅が広くて、あぐらをかいたり足をあげたりできる。新しいサウナ施設ではこれがスタンダードになっていて嬉しい。
照明や音楽の類がほとんどないところに、ストーブの灯りと薪の弾ける音がするのがとても良い。
満を持して水風呂。2つある水風呂の大きな方は、入ってみるとかなり深く、冷たい!水温はなんと13度。普通に考えたら冷たすぎるぐらいなのだが、不思議なことに一度入ってしまうと案外ちょうどいい。サウナのセッティングが高めだからだろうか。
もう一つの水風呂は温度を見損ねたが、体感でもっと冷たいように感じた。これは入った瞬間「つめたっ!」となり、もう一方の水風呂に連続して入れて、大変良い。
おそらく冷たく感じすぎないのは水質が良いからで、深さと温度がサウナと相性抜群に作られているのだ。
そして外気浴。外気浴スペースが広いのも素晴らしく、土地の広さを感じる。ととのい椅子はもちろん、デッキチェアが5つも、そして床に寝転がれるようになっているスペースもある。ととのい放題だ!
本当の意味での外気浴がないな、と少し残念に思ったが、よくみるとととのい椅子のちかくに窓が空いている場所があり、そこに座ると外気の温度と風を感じることができる。こういうバランス感覚も素晴らしい。
寝転がって強めのセッティングで負荷のかかった体を休めていると、いつのまにかぼんやり過ごしてしまい時間の進み方が早い。素晴らしい施設だ。
しばらく楽しんでいるとアウフグースの時間になった。「毎日サウナ」では1時間ごとのアウフグースが行われていて、高頻度でありがたい。
音楽を流しながらクルクル器用にタオルを回して熱波してくるのは面白かったが、「まぁ少し物足りないかな…」とか思っていた。
後半に入り、店主らしき男に担当が変わってから、様子がおかしくなった。
「ミンナイッチャイマスカラ!!」
「ホントニアツイカラ!!」
そう言いながら、巨大ラドルで大量の水をストーブにかけていく。1,2,3,4杯…!明らかに多すぎる!過剰だ!ヤバい!多分合計でバケツひとつぶんぐらいかけていたと思う。
そこから容赦なくタオルで扇ぎ、熱波を送り出すと、特に熱い上段の客は「ギャッ!」とかいいながらサウナ室の外に逃げ出していく。上段がいなくなると下段に!執拗に熱波!やりすぎ!!いつのまにか謎のネオン発光仮面をつけた熱波師が増えている!対面の段の最後の一人になった人相手に、これでもかと執拗に熱波!なんなんだこれ?!
筆者は「ヤバい」気配を感じて先に護身完成していたので最後までいられたが、絶対にこのサウナ室から追い出すという異様な迫力のアウフグースだった。本当になんだったんだ?
サウナが見せた白昼夢だったかもしれない。
総じて、「毎日サウナ」は巨大薪サウナと水風呂のセッティングがよく、外気浴も充実、アウフグースも気合いが入っていて、なのに安い!素晴らしいサウナだった。
蔵サウナ
今回の群馬遠征はこの「蔵サウナ」に入るためだった。
「蔵サウナ」は茨城の結城にあるが、群馬の前橋とほぼ緯度が同じ位置関係にあり、電車でもアクセスがいい。
東京への帰り道も上野東京ラインで一本と共通しているので、ついでに群馬にもいかない理由がないのだ。
(ちなみに、前橋→結城までのルートは、前橋(群馬)→小山(栃木)→結城(茨城)と、平行移動しているだけなのに3つの県をまたぐ。有名な三県境の近くを通るのだ)
というわけで、結城に来た。蔵が立ち並ぶ古い町並みで、趣がある。
そのうちのひとつをサウナにリノベーションしたのが「蔵サウナ」というわけだ。
古い町並みの中にいきなりあらわれる謎の扉。この中に蔵サウナがある。
入ってみると、思ったよりも蔵!大きな建物だ。その周りに外気浴スペースや水風呂がある。
水風呂は樽のような外見をしていて面白い。
軽い説明を受けた後、いよいよサウナへ。蔵の一階部分が更衣室、二階部分がサウナになっている。
扉を開けて入ると……。
出た!薪ストーブ!!
外見からしておそらく「毎日サウナ」にあったものと同じ機種だろう。より近くで見ることができる。
ごつごつとして金属的な外観はどこかかわいらしく、薪が燃えている内部が丸い窓から見えることもあってモノアイのスチームパンクメカといった感じだ。
サウナ室はそこまで広くないが、一度に入る人数が制限されているので常に余裕がある。
椅子がいくつか壁際に並べられており、奥には1段高いスペースがあってあぐらをかいたりもできた。
薪の追加頻度は「毎日サウナ」より低い(というかやっているのを見なかった)のだが、サウナ室が狭く人の出入りが少ないことためか、蔵の断熱性が優れているためか、
特段ぬるくなったりはせず、薪ストーブらしい熱を間近に感じられる。
ロウリュももちろんできて、ものすごい勢いで水が蒸発していくのが見られる。
しっかり温まってから階下の水風呂へ向かう。
アウトドア施設の水風呂は当たりはずれがあるが、ここのは当たりだ。水が常に供給されていて、かなり冷たく感じるのに長く入っていられる。
おそらく水質がよく、水嵩がちょうどいいためだ。たってはいると心臓より下あたりに水面がくるので、急速に冷やされるという感じがなく、ゆったりつかれる。
樽型水風呂のへりにもたれかかって、周囲の音を聞きながらのんびり水風呂につかると、静かな結城の町を行く車の気配や、店の流しているBGMが聞こえてチルアウトする。
もちろん外気浴への導線も完璧だ。
水風呂から数歩でインフィニティチェア。これがありがたい。
ちょうど風も気候もすばらしく、外気浴には完璧な日だった。
町にもサウナにもそこまで人がいないので、静かで、素晴らしい。サウナも大事だが、この環境も都会では得難いものだ。
これだけあって平日は3時間2500円というのだから、やはりこの旅のサウナ価格は安すぎる。
ドリンクやアルコール、さらにはシーシャまで追加で注文することができ、リラックスには事欠かないホスピタリティだ。
まとめ
「毎日サウナ」も「蔵サウナ」も、施設ごとのこだわりがあり、素晴らしい施設だった。
「ここでサウナをやるぞ」という気概に満ちた施設であり、その気概に見合ったサウナ体験を提供してくれる。
それに安い。ちょっと考えられないぐらいの値段で楽しめる。東京からのアクセスも悪くないので、気分を変えてサウナを楽しみたいときにはもってこいだろう。