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次世代ネットの鍵は「AIメタバース時代のアイデンティティ」!? ねむ×崎村夏彦 緊急対談【Digital Space Conference 2025】

次世代インターネットの扉を開く「AIメタバース時代のアイデンティティ」とは!?

インターネットのID基盤の権威であるOpenID Foundation理事長「崎村夏彦」先生と「AIメタバース時代のアイデンティティ」と題して大規模カンファレンス「Digital Space Conference 2025」で公開対談をさせて頂きました。短い時間でしたが、AI・メタバース・IDの観点から次世代インターネットの在り方を考える非常に有意義なセッションとなりました。私の究極目標である「分人経済圏」についても確立に向けたヒントが得られました。対談の模様はYouTubeの配信アーカイブで視聴できます。

この記事では、イベントの概要・配信チャプター・議論のポイント・みなさんから頂いた感想を紹介します。

※追記:たくさんのコメントを頂いたので追記しました。崎村先生がブログに議論のポイントを整理してくださったので追記しました。


2.27 緊急対談「AIメタバース時代のアイデンティティ」ねむ ✕ 崎村夏彦

2025年2月27日 (日) 11:15~11:45
ねむ×崎村夏彦 AIメタバース時代のアイデンティティ
※バーチャル美少女ねむのYouTubeチャンネルにて配信あり


AIとメタバースの発展で激変するインターネットで新人類のID/アイデンティティはどこに向かうのか!? OpenID Foundation理事長「崎村夏彦」とメタバース住人のアイデンティティ調査を実施した「バーチャル美少女ねむ」 IDに熱い二人の"緊急対談"から目が離せない!

出演:
■崎村 夏彦(NATコンサルティング合同会社代表 / OpenID Foundation 理事長)
デジタルアイデンティティおよびプライバシーに関する国際標準化を専門とし、全世界で30億人以上に使われる一連の関連国際規格のほか、「デジタルアイデンティティ」(2021, 日経BP社)を著す。米国OpenID Foundation理事長を2011年より、MyData Japan理事長を2019年より、公正取引委員会デジタルスペシャルアドバイザーを2021年より務める。
ISO/IEC JTC 1/SC 27専門委員会(情報セキュリティ, サイバーセキュリティ及びプライバシー保護 アイデンティティ管理とプライバシー技術)委員長。OECDインターネット技術諮問委員会委員。総務省「プラットフォームに関する研究会」、デジタル庁「本人確認ガイドラインの改定に向けた有識者会議」を始めとして、多数の政府関連検討会にも参画。
X : https://x.com/_nat

■ バーチャル美少女ねむ(VTuber/作家)
黎明期の仮想世界で生きる「メタバース原住民」にして、その文化を伝える「メタバース文化エバンジェリスト」として活動。「バーチャルでなりたい自分になる」をテーマに2017年から美少女アイドルとして活動している自称・世界最古の個人系VTuber。ボイスチェンジャーの利用を公言しているにも関わらずオリジナル曲『ココロコスプレ』で歌手デビュー。メタバースの革命性を論じた著書『メタバース進化論』(2022年、技術評論社)で「ITエンジニア本大賞2023」ビジネス書部門”大賞”を受賞。国連の国際会議「IGF京都2023」でも登壇。アバター文化への貢献が認められ、一般社団法人VRMコンソーシアムよりキズナアイ以来史上二人目となる「アバターアワード2022 特別功労賞」受賞。
X : x.com/nemchan_nel

※出典:「Digital Space Conference 2025」豪華登壇者・展示詳細・サイドイベント決定! | 一般社団法人日本デジタル空間経済連盟のプレスリリース

配信アーカイブ

イベントの配信アーカイブにチャプター機能を付けました! 時間クリックで該当箇所を一発再生できます。ぜひ「オススメ」パートだけでも御覧ください。

  • 00:00 配信開始:ねむ ✕ 崎村夏彦 - AIメタバース時代のアイデンティティ

  • 03:00 崎村夏彦先生と見るバーチャル美少女ねむのメタバース生活

  • 12:47 自己紹介:バーチャル美少女ねむ(VTuber/作家)

  • 14:05 自己紹介:崎村 夏彦(OpenID Foundation 理事長)

  • 16:39 なぜAIメタバース時代にアイデンティティが大事なのか ← ねむオススメ

  • 22:05 大規模定性調査から読み解く「メタバースでのアイデンティティ」

  • 41:28 次世代インターネット”分人経済圏”確立のためのID基盤を創りたい ← ねむオススメ

  • 47:30 Q&Aセッション

登壇者の感想

議論のポイント(崎村先生ブログより)

崎村先生がブログに議論のポイントを整理してくださったので紹介します。

主要ポイント
1. メタバースの現状と可能性

メタバース環境の説明:
・VRゴーグルとフェイストラッカー等を使用した没入型体験
・物理的制約を超えた活動が可能(サイズ変更、重力無効化など)
・実際の書斎のような環境をVR上につくり、その中でも様々な活動が可能
・Meta Quest 3s等の低価格ヘッドセットの登場により普及が加速
・「魔法が使える世界」として例えられる(瞬間移動、物の生成など)
VRの技術的利点:
・光学的には遠くを見る状態になるため、目の疲れが少ない
・物理的な制約にとらわれない創造性
・複数のアバターを使い分け、異なる自己表現が可能
日本のVR人口:
・過去1年で約倍増
・世界的に見ても日本人ユーザーの成長の割合が高い

2. デジタルアイデンティティと複数人格(分人)
アバターの種類と選択理由:
・人間型アバターは現実との近さで没入感を求める人が選択
・ファンタジー系は現実では表現できない特性を求める人が選択
・時間経過と共に人間型が減少し多様なアバターが増加傾向
デュアル・アイデンティティ:
・約57%のユーザーがバーチャルIDと現実の自分を意図的に分けている
・分ける理由:偏見を避ける、現実と仮想を区別したい
・公開する理由:ネットワーク拡大、現実と仮想の繋がりを求める
「分人(ぶんじん)経済」の概念:
・一人の人間が複数の人格・アイデンティティで活動する経済構造
 ・ちなみに、2011年に発行されたISO/IEC 24760-1ではすでに人々がコンテキストごとのアイデンティティを使い分けるとして、identity と partial identity を同義語として定義している。
・現在は約13%がVR内のアイデンティティをメインと考え、27%が将来メイン化を望む
・アイデンティティ切り替えによる自己表現と心理的効果

3. デジタルアイデンティティとプライバシーの課題
IdP(Identity Provider)の役割:
・オンライン認証の標準化(OpenID Connect等)
・コンテキスト毎の適切なアイデンティティ管理
・「混ぜるな危険」の原則:異なるアイデンティティは分離すべき
現在の制度的課題:
・バーチャルアイデンティティでの経済活動の困難さ(確定申告、金融取引など)
・プライバシー保護と本人確認のバランス
・全方位的アイデンティティの強制が問題
・理想は「コンテキストごとの関係性に応じたアイデンティティの使い分け」
解決策の方向性:
・関係者に見える情報を必要最小限にする仕組み
・事業者別識別子を国税庁にわたして税務用アイデンティティ(識別子はマイナンバー)に変換して処理する仕組み
・パーソナルAIによる自動処理の可能性

4. 日本の可能性と今後の展望
日本の優位性:
・クリエイティブ活動への低いバリア(同人文化等)
・VTuber文化やメタバース活動への高い受容性
・メディアでのバーチャル存在の可視性が高い
今後の展望:
・技術的には実現可能な仕組みの社会実装
・立法・行政への働きかけの必要性〜それには選挙民の声が必要
・高齢化社会における新たな社会参加の形態
・IDの仕組みの抜本的見直しによる新たな経済発展

結論
メタバースにおける複数アイデンティティ(分人)は技術的に既に可能だが、それを経済活動や社会制度と結びつけるための実装と法制度の発展が必要。日本はVR文化への親和性が高く、この分野でリーダーシップをとる可能性がある。メタバースを通じて「より自分らしく生きる」ための環境整備が今後の課題となる。

※出典(崎村先生メモ):2月27日【緊急対談】ねむ ✕ 崎村夏彦 – AIメタバース時代のアイデンティティ【Digital Space Conference 2025】 – @_Nat Zone

みんなの感想

https://x.com/v8vn9/status/1895297314652397739?t=1D3WGUJOmNFUXlk8F3eBVA&s=19

参考:次世代インターネット「分人経済圏」に向けたID&取引&納税システムの整備について

参考:大規模定性調査「メタバースでのアイデンティティ(Nem x Mila, 2024)」レポート無償公開中

ソーシャルVRユーザーのアイデンティティの在り方を調査した定性レポート「メタバースでのアイデンティティ」を公開しました。自由回答による定性データの分析によりメタバースで広がる”自分らしさ”の多様性が解像度高く浮かび上がりました。人類とメタバースの未来に向けたオープンな議論を活性化させるため、全71ページ無償公開します。ぜひ感想をお寄せください。

「Digital Space Conference 2025」とは!?

日本デジタル空間経済連盟様が2/27に東京ミッドタウンホールで開催する大規模カンファレンス「Digital Space Conference 2025」に出演します。トークセッション「デジタル空間×AI最前線!2045年の未来はどうなる?」でAIエンジニア「安野貴博」さん・お笑い芸人「NONSTYLE 井上裕介」さん・モデル「松井愛莉」さんと対談します。さらに、緊急対談「AIメタバース時代のアイデンティティ」でOpenID Foundation理事長「崎村夏彦」先生と対談します。

おまけ:ねむ、最近の講演歴

バーチャル美少女だけど、講演や対談、授業等の依頼受付中です。以下、最近の講演歴まとめました。

筆者:バーチャル美少女ねむ

私・バーチャル美少女ねむは「メタバースで生きていく」をテーマに人類の進化を促すべく、VTuber/作家として活動しています。昨年のMoguLive VTuber Award 2024「今年最も輝いたVTuber」では"4位"に選出して頂きました。2025年もまったり頑張っていくので、ぜひXnoteYouTubeの「フォロー」や「いいね」お願いします。また、私は昼間は一般社会人として普通に働いており、趣味の範囲で活動しています。FANBOXを始めたので、もし良かったら無理のない範囲でスポンサーになって頂けると助かります。


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バーチャル美少女ねむ/Nem⚡メタバース文化エバンジェリスト
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