優秀作品発表!「仮想現実での生き方」を考えよう【VRライフスタイル調査】
2023年12月18日から2024年1月20日にかけて募集した「note投稿企画「仮想現実での生き方」を考えよう【VRライフスタイル調査】」に33件ものご応募を頂きました! どの作品も個性的で、素敵で、かけがえのない「生き方」が詰まっていて胸が震えました。仮想現実という無限の荒野でこれから人類は一体どんな人生を送るのか? なにを望むのか? それはまるで、未来への切ない祈りのようでした。みなさんのおかげで未来の人類の「生き方」が垣間見えるような投稿企画になったとおもいます。たくさんの投稿ありがとうございました。今後の私の活動の参考にさせて頂きます。
この記事では、私が選考した5つ改め8つの優秀賞・特別賞として選考させて頂いた作品を紹介させて頂きます。悩みに悩んだのですが、どうしても当初予定の5つに絞れず「最優秀賞1作品・優秀賞5作品・特別賞2作品」の8作品の表彰とさせてください(特別賞は賞品はありません)。力作の数々の中でも、特に私の心に響いたものです。きっと皆さんの心も揺さぶるなにかがあるのではないかと思います。ぜひ読んで、コメントやいいねをお願いします。選考基準は「ねむにとって驚きや発見があったかどうか」の一点。私と知り合いかどうかや、文章の上手さや長さなどは一切関係ありません。
また、賞品提供頂いた技術評論社さま、告知協力頂いたnote様、ご協力本当にありがとうございました。
最優秀賞:No.⑥ とらおさん:『矛盾』を抱えながら/仮想現実での生き方
今のメタバースには、たしかに矛盾があります。誰しも好きな姿で人生を生きる自由が与えられることで、現実では気づくことのできなかったような、自分自身の新たな可能性に目覚めることができる。しかし、その一方で、残念ながらそこにもやっぱり自分の限界は存在して、本当の意味で「何にでもなれる」わけじゃない。誰しもが自己実現ができるとは限らない。濃密な人間関係が築けるからこそ、人間関係のトラブルも起こる。そこは、可能性を広げる世界ではあるけど、完璧な理想の世界ってわけじゃない。
2年半かけて「仮想現実で過ごす」のが日常になった「とらお」さんが、この決して答えのない命題に真正面から挑んでくれました。仮想現実も、日常になってしまえば一つの"現実"に過ぎない。期待と現実との間で揺れ動きながら、自問自答を繰り返して、辿り着いたシンプルな「答え」は、"生きた証"。
仮想現実を"より良い世界"にするものはなんなのか? 静かで、深い優しさに溢れた文章が胸を打ちます。メタバースの本質に深く迫った洞察ではないかと思います。
※最優秀賞の「とらお」さんには私から「直筆サイン入り"初版"本」の『メタバース進化論』を贈らせて頂きます。技術評論社の担当者様からTwitter DMで連絡来ると思うので、返信をお願いします。
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以下、「優秀賞5作品」エントリーナンバー順です。
※優秀賞の5名には私から「直筆サイン入り」の『メタバース進化論』を贈らせて頂きます。技術評論社の担当者様からTwitter DMで連絡来ると思うので、返信をお願いします。
優秀賞:No.④ユルシュルさん:仮想現実の王は貌がない-ソーシャルVRライフスタイル調査2023の先を見る-
仮想世界における人類の"貌"というテーマで、人類の根源的な"渇望"に迫る無言勢「ユルシュル」さんのエッセイ。
私も、メタバースが当たり前になった世界でも、人は新たな渇望から逃れられないと考えています。生きていくのがやっとだった太古の昔でも、科学技術で豊かになった現代でも、より豊かになりたい、より人間らしくありたいという、無限の渇望こそが人間の性だからです。それはメタバース時代でも留まることはないでしょう。
現在は、メタバースで「今私達が望むことのうち、どんなことが可能になるか、どう便利になるか」という視点で語られがちですが、メタバースが当たり前になったとき、その望みが叶ってしまった時、「それでも私達に残る渇望」は果たして何なのでしょうか? それこそがメタバースの真の論点です。
次のステージで私たちを突き動かす行動原理になるものは何か? 私達は何になりたいのか? それは「互いに認め合うこと」? 「他者からのリスペクト」? 人の渇望の行き着く先にこそ、私達がこれから形作るであろう、社会のヒントがあると思います。
優秀賞:No.⑪お茶さん(VirtualCampers):VRで焚火を感じる~ファントムセンスで変わるシミュレーションの質~
VRでの焚き火の魅力とファントムセンスの可能性を淡々と語るVキャンパー「お茶さん」の論考。私もファントムセンスで温度感覚を感じやすい方なので、焚き火で熱さを感じる感覚、とてもよく分かります。火は人類の文明の原初の感覚、たしかに感じやすいものがあるのかも知れません。メタバースの原住民も焚き火から感覚を感じ始めるというのは、物理現実の人類の歴史と符号しているようで、とても興味深いです。
ただ、アウトドア好きの方が仮想空間でキャンプイベントを定期開催しているというのは目からウロコでした。アウトドアとVRという一見正反対の趣味が、「火と向き合うゆったりとした時間」という部分で繋がっているというのはとても面白く、考えさせられました。
優秀賞:No.⑰若宮和男さん(福岡女子大客員教授):メタバースがもたらすライフスタイルの未来 〜物理的制約からの4つの解放
福岡女子大客員教授・若宮和男先生による、包括的な考察記事です。メタバースが物理的制約から人間を解放した時なにが起こるか? ①「自分自身」の解放、②「コミュニケーション」の開放、③「仕事」の開放、④文化の解放、の4段階に整理して具体的な事例や予想をまとめており、非常に読み応えがあります。
私も「オンラインにも関わらず濃厚で深いコミュニケーションができる」という所がメタバースの本質ではないかと思います。「メタバースは現実と競合するものではなく相補的にシナジーを生むもの」というのもまさしく。こういった点もまだまだ世間的にはあまり理解されていないところですよね。地道ですが、結局はこういった認識を一つ一つ変えていくことが、革新のトリガーになるのかなと思っています。
優秀賞:No.㉒まきなちゃん:お砂糖6年目を迎えた私の考える「VRにおける恋」と「お砂糖」の可能性
私がVRChatで初めて仲良くなったお砂糖カップルで『メタバース進化論』にも登場するまきなちゃん。当事者ならではの6年間に渡るお砂糖生活のリアルや、「お砂糖」という言葉への想い、巻き起こる色んな感情を、これでもかと詰め込んだ脳汁100%のnote記事。
「お砂糖」というと、なにか特別なものという感じもしてしまいますが、まきなちゃんの「最も安心していられる居場所」という解釈は、お砂糖をしたことのない人や、VRを体験したことのない人もしっくりくるものではないでしょうか。
優秀賞:No.㉓ねむりさん:仮想空間にて、脳を浮かせられるか
脳脊髄液減少症の「ねむり」さん。当事者観点でメタバースへの期待と展望を論じて頂きました。
残念ながら現在のVRは健康な人にとってもまだまだ様々な技術的なハードルがあるのが現実です。誰でもメタバースを自在に簡単に使いこなせるような世界が来るにはまだもう少し時間がかかると考えています。ただ、障害や病気の種類によっては既にメタバースで活躍されている人もいます。例えば、空中に文字が書ける魔法のペンがあることで、聴覚障害の方とも現実ほど不都合なくコミュニケーションがとれたります。
強い需要があることは確かですから、多少機能が限定されても、「横になって装着することが前提になった設計」のVRゴーグルなどは確かにあるとよい気がしました。頭全体をホールドするのではなく、アイマスクのように、仰向けの状態の頭に載せるようなものなど。VR睡眠などにも良さそうです。
既に私は日常的にそうしていますが、長時間メタバースに入っていると、狭い部屋から一歩もでなくても全く閉塞感を感じないですし、物理的には人と会っていなくても寂しさを感じなくなります。メタバースで時空を超えて人に会ったり色んな所にいけることは既に私にとって現実と変わらない体験だからです。眼鏡が当たり前のものとして普及したことで視力の低い人が障害者として扱われなくなったように、メタバースが真の意味で「そこで人生を送ることのできる空間」になることで、バリアのない世界を打ち立てていきたいですね。
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さらに追加で「特別賞」を作りました。以上の優秀賞とは別で、2作品を表彰させてください。
※特に賞品はありませんが、私からの愛を送ります。
特別賞:No.㉔はがねさん(Web3ライター):メタバースは「リッチなサードプレイス」でしかない
Web3ライターのはがねさんが、非VRユーザー視点でメタバースの価値を色んな角度から徹底分析! 現実世界の肉体を脱ぎ捨てて、「自分自身すらも休める」って凄くいいですよね。 よく取材で、わざわざVRゴーグルかぶって飲み会やるってどういうモチベーションなの? ってよく聞かれるんですけど、結局はこれこそが本質じゃないかって思ってます。
「自分自身すらも休める」って最高にリッチな「サードプレイス」でしょ?
特別賞:No.㉙Love/旅川愛ちゃん:「かわいいムーブ」というメタバースの文化についての現状と考察 ~VRChatイベント「かわいいムーブ講集会」の主催経験を通して~
かわいいムーブ講習会「Love」ちゃんの「かわいいムーブ」論文2万字! 圧巻です。「かわいいムーブ」に賭ける熱い想いが詰まりすぎててとんでもないことになっています。
真面目な話、アバターによって誰でも姿かたちは簡単に可愛くなれるのが仮想世界です。しかし、アバターの可愛さを限界まで引き出すのは誰にでもできることではありません。それを引き出す技術こそが「かわいいムーブ」です。そう考えると、メタバース時代では、「見た目の美醜」よりも「かわいいムーブが上手いかどうか」の方が人として遥かに重要な要素になるかも知れません。その時Loveちゃんは、偉大な先駆者として歴史に名を残しているのかもしれません。
全33件作品リスト
他の作品も素晴らしいものばかりです! ぜひ、あなたの胸に刺さる「生き方」見つけて下さい!
【投稿企画】仮想現実での生き方を考えよう