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麻雀補完計画⑨「手牌を構成する組合せを定義する(前)」

8条 和形
和形は「1将4馬」 馬は「刻」と「順」からなる 刻は天と数が同じもの3枚からなる 順は天が同じで数が連続する3枚からなる 将は天と数が同じもの2枚からなる

 麻雀にあって他のラミー系ゲームに無い要素と言えば「雀頭」の存在。「雀頭を1つ作る」ことを要求されるだけで、手作りが複雑かつ面白いものとなり、未だに正解を出すことが難しい問題も多々あります。

 その「雀頭」がかつては「麻雀」と呼ばれていた(今でも中国麻将では「麻将」あるいは「将牌」と呼ばれる)ことを知る方はどれほどいらっしゃるでしょうか。麻雀が日本に伝来した時に、ゲームの名前と手牌の組み合わせの名前が同じではややこしいので、「麻雀頭」と頭を付け、麻雀頭の麻を略して「雀頭」と呼ぶようになったという経緯があります。確かに雀頭のことを麻雀と呼ぶのはややこしく聞こえますが、マリオが登場するゲームだからマリオであり、ポケモンが登場するゲームだからポケモンなのですから、麻雀に麻雀が登場しても不思議でない気もします。

 「雀頭」の「頭」も本来は頭身の「頭」ではなく先頭の「頭」。和了形を表記する際に雀頭を先頭に持ってくることが多いことから、そのイメージで「頭」と付けられたのでした。現麻では雀頭が無い牌姿を「ヘッドレス」(当時のネット麻雀強豪間でそう呼ばれていたので拝借させていただきました)と表記しましたが、実際は「ヘッド」の意味ではなかったのです。

 馬将では雀頭を「将」、門子(面子)を「馬」と表記することにしました。将が先頭に立ち、馬を率いて和(和平)を目指す。ゲームとしてのイメージにも合致した名前となっているのではないでしょうか。

 麻雀では門子は順子と刻子(槓子は刻子の一部)からなり、一手で順子が完成するものを搭子、刻子が完成するものを対子と呼びますが、135や223のような複合系は搭子とは呼びません。麻雀の手作りの話を書いていて、「搭子または対子を表す用語、あるいは複合系まで含めて一手で門子を完成させる組み合わせを示す用語」が欲しくなることが多々あります。

 これについては現在では「ブロック」という用語が使われることが多いのですが、ブロックでは門子そのものも含みます。よって現麻本では門子(面子)候補としましたが、この表現でもやはり門子そのものが含まれる場合があります。

 また、「5ブロック打法」と表現される場合は、1雀頭に4つの門子または門子候補を想定し、強い門子候補を固定し弱い門子候補を補強するように打つのが一般的ですが、これが0雀頭に5つの門子または門子候補であれば雀頭を作りやすい組み合わせを残して弱い門子候補を切るのが一般的になるように、ブロック数が同じでも打牌構想はむしろ真逆になります。

 壁のことをブロックと呼ぶのは偶然の一致ですが、ブロックに限らず麻雀用語には、「高みに登る為には必要だけどそこから更に前に進む為には障害」となるものが多いように思います。公式が存在しないまま普及が進んだ麻雀においては用語の統一は困難なので、麻雀のような架空のゲームを作ってその中で用語を統一させる。これが本計画の狙いです。手札を構成する組合せを具体的にどのように表記するかについては、次回改めてまとめることにいたします。

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