雀魂キャラと学ぶ馬将(令和麻雀)入門その1
杏樹「まずは馬将で使用する『馬将札』から説明します。」
陽菜「『札』。『牌』じゃないんだね。」
杏樹「『牌』は常用漢字ではないですからね。日本で日常的に使う単語で牌の字が使われているのは麻雀牌と位牌くらいですが、中国では文字を書いて掲示する札のことを『牌』と呼びます。故人の名前を書いた札を位牌と呼ぶのはそのためですが、『門牌』と言えば家の表札のことで、『骨牌』と言えば紙で出来た札、トランプやカルタのことを指します。」
陽菜「馬将札も紙で出来ているのかな?」
杏樹「現在『馬将』をオンラインゲームの形で遊べる計画が進行中ですが、もしテーブルゲームの形にするなら、麻雀牌のような厚みのあるタイル状の牌としてだけでなく、紙札の形でも製品化したいですね。麻雀牌は持ち運ぶのが大変ですから。」
陽菜「陽菜は学校でも麻雀で遊びたいけど、麻雀牌は重いから皆で遊ぼうとなったらやっぱりトランプになっちゃう。紙でも遊びやすい麻雀ゲームが出来て欲しいな!」
杏樹「本題に戻ります。麻雀牌は萬筒索の数牌36種108枚と字牌の7種28枚の136枚(もしくは花牌を加えて144枚)ですが、馬将札は以下のような4色の数牌144枚からなります。
陽菜「青赤黄緑の4色の四角に、筒子みたいな青赤黄緑の4色の円が描かれていて1枚1枚が別々になっているんだね」
杏樹「四角の色と円の数が同じものは基本的に同じ札として扱いますが、麻雀の赤五筒が五筒と同じ性質を持ちながら和了時に1飜つくように、円の色によって和了時の得点が変わる場合があります。それについては後ほど説明するとして、札の種類を1枚1枚違うものにすることで選択肢を増やし、より奥の深いゲームにするのが狙いです。」
陽菜「赤5筒とかハートのエースみたいに札の呼び方ってあるのかな?」
杏樹「KR-976は四角が青で円が赤で数が1なら赤1青と呼んでいたのですが、それだとどちらが四角でどちらが円なのかが分かりにくいことに気付いたので、馬将札にも萬筒索字のようにスートに名前を付けることにしました。雀魂の皆様からアイデアを募ったのですが、四角の色が青なら空、赤なら日、黄なら月、緑なら星とする案を採用することにしました。つまり四角が青で円が赤で数が1なら赤1空になります。占い師のカーヴィさんからの提案です。」
陽菜「青がお空、赤がお日様、黄色がお月様なのは分かりやすいけど、緑がお星様なんだね。」
杏樹「緑は自然、生命の象徴。緑の星…つまり私達が住んでいる地球のことを表しています。青の空も言うなれば宇宙のことですね。『空日月星』馬将札は4色144枚で宇宙の全てを表現しようとしているのです。」
陽菜「宇宙の全て!何かカッコいいな!」
杏樹「勿論これは単なる後付け設定ですが、麻雀は萬子=金。筒子=金。索子=金。雀士として少し恥ずかしくなってしまうので、宇宙全体森羅万象を表していることにしておいた方がよいのではないでしょうか。ただでさえ、麻雀打ちは何かと世間から冷たい目で見られがちですので。」
陽菜「麻雀は牌以外に点棒とかサイコロとか用意するけど、馬将にもそういうのがあるのかな?」
杏樹「馬将札以外は点数を記録する筆記用具だけあれば十分です。簡単に遊べるようにするという観点からも、可能な限り用具は少ない方がよいと考えます。もっとも麻雀のように牌を積み、半荘終了までに複雑な点数移動を何度も行う形式だと、牌山を無作為化するためのサイコロ、点数管理の為の点棒が必要になってくるので、この辺りの問題をどのように解決するのかについても後ほど説明いたします。」
陽菜「用具の説明が終わったから次はゲーム進行の説明だね!」
杏樹「馬将規則では青赤黄緑、すなわち空日月星のつかみ取りで席決めをするとしましたが、もう1通り方法が考えられます。144枚の札全てに順位をつけて、上位の札を引いた人から東南西北の順番に着席するというものです。順位は以下のようになります。」
① 空>日>月>星
② ①が同じなら、1>2>3>4>5>6>7>8>9
③ ①②が同じなら、青>赤>黄>緑
陽菜「う〜ん。少し覚えるのが大変かも。」
杏樹「そうですね。ですから4枚のつかみ取りでいいと思いますが、この方法なら4枚を選んだ後で無作為化する手間が省けます。もしテーブルゲームの形で製品化するなら、馬将札は将棋の駒袋のように、箱だけでなく札を入れるための袋を付属させたいですね。馬将札は144枚あるので、40枚の将棋よりは大きな袋が必要になりますが。」
陽菜「将棋の駒袋ってちょっとおしゃれだよね」
杏樹「インテリアとしての意味合いもありますが、最大の利点は札の無作為化、麻雀で言うところの洗牌の手間が大幅に省けることです。」
陽菜「くじ引きの箱をシャカシャカするみたいな感じで洗牌すればいいんだね。確かにあれなら簡単だ!」
杏樹「更に言えば、ツモるための山を作る、麻雀で言うところの築牌も必要なくなります。」
陽菜「陽菜知ってるよ!鷲巣麻雀方式だね!この前魂天神社で皆と遊んだんだけれど、卓の中から猫ちゃんが出てきてびっくりしちゃった!」
杏樹「馬将規則では、競技としては山札が固定されていた方が望ましいという発想で洗札、築札のやり方を記載しました。ですが皆で遊ぶ分には、無作為化されているのであれば山札が固定されていない方が面白いでしょう。ババ抜きで毎回取る札を選べなかったら、ゲームとして途端につまらないものになってしまいます。」
陽菜「陽菜は小学校でみんなとよくババ抜きをするんだけれど得意だよ!特に雛桃ちゃんはババを引いた時すぐに表情に出るから分かりやすいんだ!」
杏樹「そういうわけで、馬将で使う用具は馬将札と筆記用具だけと言いましたが、正確には札箱と札入…更に言えば馬将を遊ぶためのテーブルも必要ですね。『袋』『卓』が教育漢字外なので、ここでは札を入れる袋を札入、馬将を遊ぶ卓を馬将台と呼ぶことにします。」
陽菜「次は配牌…札だから配札か。」
杏樹「配札は麻雀同様13枚です。札が無作為化されているならどのような順番で取ってもよいでしょう。馬将台を図示するとこのようになります。」
陽菜「青赤黄緑…あっ、麻雀とは進行方向が逆なんだね!」
杏樹「そうです。麻雀は反時計回りですが、世界のテーブルゲームのほとんどは時計回りに対局が進行します。馬将は世界中…否…宇宙中で遊ばれるテーブルゲームを目指していますので、数多のテーブルゲーム同様時計回りで進めることにします。そうすれば東南西北が実際の方角と一致しますからね。」
陽菜「陽菜みんなでトランプやっている時によく自分の手番を間違っちゃうんだけど、その度みんなから『麻雀じゃないんだから』って突っ込まれちゃうよ!」
杏樹「麻雀は東南西北が実際の方角と一致していませんが、一致してないのは逆回りというだけではありません。麻雀は局が進む度に東南西北が入れ替わりますが、実際の方角はそんなことはなく東南西北は常に固定です。麻雀も以前は東南西北固定の『定座制」で遊ばれることがあったそうですが、現在では『変座制』で遊ばれています。」
陽菜「東場南家みたいに東南西北が2回出てくるのってややこしいよね。陽菜よく南場なのに東をポンして後からしまった!ってなっちゃうよ!」
杏樹「馬将は東南西北固定の定座制。そして麻雀の東1局は『1年春』とします。春は東から、夏は南から、秋は西から、冬は北から対局開始です。」
陽菜「春夏秋冬なら分かりやすいね。東家とか南家とかはそのまま呼ぶのかな?」
杏樹「それでも問題ありませんが、変座制と区別するために規則では単に東、南、西、北と呼ぶことにしました。常用漢字外になりますが、漢字一文字で格好良く呼ぶなら、東=龍、南=鳳、西=麟、北=亀でもいいですね。それぞれ中国の伝説上の霊獣を指します。泰平の世、世の中が平和に治まっている時に現れるとされます。」
陽菜「黄色がキリンさんで、緑色がカメさんだから色のイメージもぴったりだね!」
杏樹「ゲームの準備段階については以上になります。次回からゲーム中のルールについて、日本麻雀との相違点を取り上げていきますが、その中でも最も重要な採用役について解説することにしましょう。」
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