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真宗坊主が語るヘブバンAngel Beats!コラボ①「コスモスが咲き続けた場所」
【リマインド】
— ヘブンバーンズレッド公式 (@heavenburnsred) January 26, 2025
AngelBeats! コラボガチャは、それぞれ2月2日21:59までの開催です。
期間限定スタイル SS[Stir Soul Song]芳岡ユイ(CV #喜多村英梨)、SS[Dreamlike Days]岩沢雅美(CV #沢城みゆき)が登場中!#ヘブバンAngelBeatsコラボ #ヘブバン pic.twitter.com/nb6FKNyLMw
ヘブバンAngel Beats!コラボ開催中。シナリオの詳細は実際にプレイしてもらうとして、この機会に私しか書かなそうな本作の世界観について、思うままに書き連ねることにしよう。
Angel Beats!は死後の世界の学園を舞台にした青春ドラマ。学園の名前は「天上学園」。表向きは楽しい学園生活が繰り広げられるが、その実体は仏教で言うところの「地獄」である。根拠は以下の通り。
①死ぬほど痛い目に遭っても死ねない世界である
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閻浮提(地上の世界、人間界)の地下、1千由旬にある。縦広斉等にして1万由旬ある。この中の罪人たちは互いに敵愾心を持ち、鉄の爪で殺し合うという。また、獄卒や鬼の料理人に身体を切りきざまれ、切り裂かれ、粉砕され、死ぬが、涼風が吹いて、また獄卒の「活きよ、活きよ」の声で等しく元の身体に生き返る、という責め苦が繰り返されるゆえに、等活という。
Angel Beats!第1話。敵役として登場する少女に心臓を貫かれるも保健室のベッドの上で目覚め、そこでまた鬼の形相をした少年に身体を切り刻まれてしまう。まさに等活地獄の再現である。
②親より先に亡くなった子が集まる世界である
地獄に関するエピソードとして特に有名なものの一つが「賽の河原」。賽の河原は親より先に亡くなった親不孝な子が集まる世界。本作の登場人物もまた、事故や病気が原因で子供のうちに亡くなっている。
③地獄に堕ちたものさえ救われるのが仏教の世界観である
賽の河原では親より先に亡くなった子が父母供養のために石を積んでは仏塔を作るが、すぐに鬼がやってきて塔を崩してしまう。そのためいくら続けても無駄な努力を「賽の河原」と表現されるが、この話には続きがあり、子供たちは地蔵菩薩に救われてまた石を積むのだという。
地蔵菩薩は地獄の主、閻魔大王を同一人物。また閻魔大王は、人類の中で一番最初に死んだ人物とされている。地獄に堕ちても救いがあり、地獄の主が一番最初に死んだ人物なのであるから、全人類がやがて救われるというのが仏教の世界観である。
本作は、現世で青春を全う出来なかった子供たちが、楽しい学園生活を通じて死後の世界から卒業…即ち「成仏」する物語。主人公たちは当初、自分たちが理不尽な死を遂げたのは世界を造った「神」のせいで、死後の世界で神に復讐しようと抗っていた。死してなお救いの手に気づかずに拒む。最も救われ難い存在が救われるのだから、本作もまた、全人類が救われる世界であると言える。
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Angel Beats!の世界観をおさらいしたところで本題に入ろう。ヘブバンAngel Beats!コラボ第1弾「コスモスが咲き続けた場所」の主役である入江みゆきは、死んでいるのに幽霊が苦手な女の子。その理由は生前の彼女の死因に由来する。
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彼女が生前生徒会長を務めていた学校で流行っていた「サトコちゃん」という遊び。見れば分かるように「こっくりさん」のことである。
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ヘブバンをプレイする以前から、創作目的でこっくりさんの話を調べていたことに縁を感じずにはいられない。こっくりさんで硬貨が動く理由は「筋肉疲労」「潜在意識」で説明がつく。参加者の中にこっくりさんの問いかけの答えを知り、なおかつこっくりさんの存在を信じている(あるいは、誰かに信じさせようとしている)人が居れば、硬貨が正解の文字を指し示すのだ。彼女も最初は幽霊のような非科学存在を信じていなかったのだが、彼女の視点からは起こるはずのないことが起こったことで幽霊を恐れるようになり、やがてそれを起因として不慮の事故で亡くなってしまうのであった。
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無明長夜の灯炬なり 智眼くらしとかなしむな
生死大海の船筏なり 罪障おもしとなげかざれ
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彼女の死をきっかけに、生徒会メンバーは壊れてしまう。彼らもまた霊的な存在など信じてはいなかったし、信じていなかったからこそ「サトコちゃん」で遊ぼうと言い出したのだが、どんな死生観の持ち主であっても、身近で親しい人物が、まだ若くして亡くなったとなれば動揺せざるを得ない。
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メンバーの一人は罪悪感から「怪しいセミナー」に入信してしまう。「智眼くらし」「罪障おもし」だから貴方はこの宗教に入信しなければ救われない…まさに「宗教嫌いな人がイメージする宗教」であり、実際こうした宗教は現実にごまんとある…しかし、そのような宗教は断じて本物ではない。智慧なきもの、罪深きものが救われなければ、それこそ宗教の存在意義が無いではないか。
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壊れてゆく生徒会メンバーを繋ぎ止めたのは、罪を償うなどゴメンだと、彼らと真っ先に縁を切ったはずの少年だった。怪しい宗教はいつも、表向きだけは人に優しい。本当に人を救いたければ、嫌われ者になることを覚悟しなければならない。まるで表向きは地獄の主として、生前浮かばれなかった子供たちを救う地蔵菩薩=閻魔大王のようではないか。
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しかし彼もまた人間であった。彼をそこまで突き動かしたのは、入江みゆきに初めて出会った時から抱いていた恋心だった。死んだ人のことなど気にするなと言い放った彼こそが、一番彼女に囚われていたというのが何とも切ない。
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やがて彼らは大人になってゆく。だから彼らは入江みゆきが「死後の世界」に往き、そこで青春を全うして救われたことを知る由もない。私たちもまた、先立った人がどうなったかを生前に知る術はない。死後の世界は、どこまでいっても不可知な話だ。
私はそれでも、全ての命が救われる世界が既にもう用意されていることを皆様にお伝えしたいと思うが、一人の宗教者としてあまりにも力不足。だからこそ私は宗教の壁を取っ払って、この現実世界に「全人類が救われる物語」を提供してくれる、Key作品がこのうえなく好きなのだと改めて気付かされた。
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