麻雀を学ぶうえで本当に必要なこと
「楽しく勝つための現代麻雀技術論」は拙著『天鳳完全攻略読本』の内容を引用したものですが、第20回(特上編)までの内容については、以前公開されていた「統計に基づく中級者麻雀講座」を参照しています。中級者と言っても定義がまちまちですが、「これさえ身につけば天鳳六段レベル」とあるので、中級者はそれより低い水準が想定されていると言えます。
麻雀講座のレジュメから2ページ、「一姫現麻」にて引用させていただきました。コンセプトだけ聞くと、「上級者にとっては意見の分かれない牌姿」ばかりが扱われているような認識を受けがちですが、実際は上級者でも意見が分かれそうな牌姿が多数あります。手組や押し引きの基準についても、今の観点からは正しいと言えるか微妙なものも少なくありません。
では本講座が役に立たないかと言われれば決してそんなことはなく、むしろ昨今の「初心向け」講座にありがちな、「確実に正しいことだけを扱っている」麻雀講座を読み飛ばしてでも参考にして欲しいと思ったからこそ引用させていただきました。
実戦は上級者でも意見が分かれがちな難しい牌姿、局面の連続。確実に正しいところまでしか踏み込まなければ、そうした難しい問題に対して、「完璧は無理でも少しでも正着に近付ける」力を身に付けるのが難しくなります。身に付ける必要性が薄いのはあくまで「上級者の引き出し」であり、重要となる「土台」を固めるためには、上級者でも意見が分かれがちな問題に対しても向き合っていく必要があります。
土台に関して言えば、ここ20年間でも結構な変化があり、「どの土台を基にするのが適切か」については、未だに何とも言えないというのが正直なところ。ですから上級者であっても誰も確かなことは言えませんが、内容そのものは麻雀のルールさえ知っていれば誰でも理解可能なものばかりです。
確実なものばかり取り入れるというスタンスでは、ただでさえ不確定要素の多い麻雀で高みに登り詰めるのは難しいもの。私が麻雀を学んだ当時よりもずっと優良な麻雀講座は増えているはずなのに、賢明で勉強熱心にも関わらず伸び悩む打ち手が少なくない理由はここにあるのではないのでしょうか。
私は麻雀講座はあくまで一つ、打ち手の力量によって変えるのは教える内容ではなく教え方というスタンスを取ります。何かと分かりづらい内容も多くなるかとは思いますが、御質問がありましたら何時でもお申し付け下さい。
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