サイド計算に学ぶ麻雀ルール作り
現行の日本麻雀ルールには存在しないが、以前は存在していたと言われるのが「サイド計算」。アガリ点の精算終了後、今度はアガらなかった3人の間で、自分の手牌の状況によって点数の精算を行うルールです。
サイド計算の具体例としては上記リンク先のようなルールが挙げられています。満貫が得点の上限だった時代に役牌をポンしたらアガれなくても1飜。役牌の価値が高い故に「役牌は絞って無闇に鳴かせない」、ポン材の価値が高い故に「シャンポンよりカンチャンの方がアガリやすい」といった、現行ルールでは一般的に正しいとは言えないセオリーが生まれたことが伺えます。
このルールは計算が余りに複雑である為、日本では昭和初期に消滅(その為「包」と異なり「報知ルール」に取り込まれることもなかった)したと解説されていますが、成立当時の麻雀はツモ和了もロン和了も和了者以外の三人払い。和了者以外は結果に差がつかないというのは、四人で勝敗を競うゲームとしては寂しいものですから、非和了者間でも結果に差をつけるルールとして「サイド計算」が生まれ、それが日本でより計算が簡潔に済む「放銃一家包」あるいは「不聴罰符」に取って変わられたとも考えられるのではないでしょうか。日本ではロン和了に対して放銃者以外も得点を支払うのが納得いかないという理由で「放銃一家包」が採用されたと解説されがちですが、中国古典麻雀に「役満に対する『包』」や「サイド計算」が存在していたことを踏まえると、非和了者間でも結果に差をつけるルールは当時から存在していて、より簡潔なものに置き換わったと考えられます。
こうして日本麻雀ではサイド計算が消滅しましたが、「四川ルール」で採用される、「三人まで和了可(ただし既に和了していれば被ツモの失点無し)」がその名残であると気付かされます。四人中三人まで和了できるようにすることで、最初の和了者以外の結果にも差がつけられます。
「四人中三人(対局者N人ならN-1人)まで和了できるルール」。「牌交換ルール」と合わせて、現在考案中の「馬将」でも取り入れたいですね。四川血戦はルールの都合上降りる選択が取りづらいので守備面で差がつけにくいですが、日本麻雀は一度降り有利な局面になると安牌同士の切り順で結果に差が出づらい、あるいは押し有利でも放銃してしまうと最初から手を作らなかった場合より悪くなるので結果がブレやすいという問題点があります。最後までアガリを目指しつつ、他家のアガリ牌を予測して打ち回す必要もある。そんなゲームに仕立て上げたいですね。
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