第十期天鳳名人戦牌譜検討第40回
第三節四回戦卓2
北家が5pを切る前の牌姿が仮に22455p45567sだとすれば、西家の5pをポンしてテンパイに取る一手なのでこのケースで36pが当たることは考えにくいですが、実戦では北家の手出し5pは2455pのカン3pテンパイから2pを引いて36pテンパイに手変わりしたものでした。
問題は今回のようなケースを、「レアケース」と断定してもよいかと言うこと。どんなに有り得なさそうな限定的なケースでも、それ以外のケースはなおのこと有り得なさそうならむしろ本命ということになります。今回は5p手出しを「5pが通ったので合わせ打って現状ノーテン」のケースが容易に想定できるので流石に止まらなそうです。
自分で2pを切っているので四暗刻変化はほぼ無し。リーチで出アガリ4800、ツモって2600オール以上の親なら降りるほどではないとみてリーチでしょうか。
アガリ逃しになる白が出てもポンしてリーチの両スジ4sを切りつつ69s待ちに受けられるのが利点。実際にその手順で満貫ツモアガリとなりましたが、5s残り2枚、4sと白のシャンポンなら少なくとも降りとの比較なら明確に押し有利の手牌。降りる権利を残すメリットは薄いので6sの放銃率込みでも打6sリーチを選択しそうです。一発裏3の倍満は流石に結果論としても、点数上乗せのメリットは天鳳名人戦のフィールドでもやや過小評価されがちに見えます。
現時点で西家北家は南家の仕掛けに対して降りている公算が高い。ダマでも7p出アガリで跳満とはいえ、ダマでもアガリ率に差がつかないと判断できる以上点数上乗せ狙いのリーチでしょうか。こちらはリーチしなければ南家が9pツモで待ちを替えずにツモ切りして結果的に9pでの放銃を回避できた可能性がありますが、致し方無しとみます。
7mの放銃率自体はさほど高くないとみますが、アガっても3着のままオーラス。5sをスルーしても手広い1シャンテンでメンゼンリーチでアガればトップに立てる手。ラス目北家もヤオチュウ牌を切るのみでアガリまで遠い可能性が高く、5sスルーに分があるように思われます。