第十期天鳳名人戦牌譜検討第36回
第三節四回戦1卓
ポンしやすいシャンポンとやや薄いリャンメンとの比較でも基本はリャンメン残しがよいとみます。打4sツモ25sは完全にロスですが、打2mツモ1pは手広くなりますし、ドラ6mを引くようならトイトイにせずとも1pポンでも7700の手になるというのもあります。
6mが見た目1枚しか残っていないので聴牌料の取りやすさとハイテイずらし優先。69mがまずまず残っているのであれば鳴かずに満貫アガリの抽選を受けにいった方がよいでしょう(フリテンなのでツモでしかアガれない)。
結果的には3pを残すことでアガリに結びつきますが、39sに加え4s引きでテンパイ逃し、ツモ2sも1枚切れカン6sよりカン4sを選べる方がよいので打3pでしょうか。
トイトイになった時の鳴きやすさ意識と思われますが、流石にドラ7p受けを残して北から切ります。
のみ手の段階では2翻アップの手変わりもあるのでダマにするところですが、まさにその手変わりを引いたところではリーチでしょう。確かにカン5pはいかにもアガリづらそうですが、ツモってトップの親を逆転、押し返しから放銃してもドラ中を持っている他家がいないとなるとダマ有利になるとは考えにくい。リーチしていればおそらく西家から一発で満貫のアガリとなっていました。
あえて3枚切れを残して危険牌を先切りすることで、後手を引いた場合に安牌を切りつつチートイツで追いつく手順を残すのは一つの手筋ではあります。しかしチートイツドラドラ1シャンテンでやることでもないでしょう。そもそもドラ表示牌の7mを先に切るタイミングが無かったかも気になります。
確かに早々とドラ表示牌を切ればチートイツが読まれやすくなり、字牌タンキ等のメンツ手で使いにくい牌になった場合にリーチしても出やすいという利点を最大限に活かせなくなるという側面はあります。しかし今回はダマでも6400あるうえにトップ目。河が弱くなることをさほど意識せずともよいとみます。最序盤の9sはともかく、中のかぶりは避けられたのではないでしょうか。
アガらずからのポンしてホンイツ狙い。チャンタまでつけば1000→8000もあるうえにラス目となれば当然の一打。西北が残り1枚以下でなければ、先に6mトイツを落としているところです。
3p4枚切れにつき、誰の目からも1p2pはシュンツが構成できず字牌相当。つまり字牌単騎の特性である、「生牌より1枚切れがアガリやすい」が適用されると考えられます。よって打2pとして1p単騎に受けますが結果はアガリ逃し。1pは2枚とも王牌でした。
アガリ逃しは結果論としても、トップ目でダマ6400とはいえ絶好の単騎とみて2p単騎リーチも有力だったと思われます。その場合はツモ裏裏で倍満になってましたね。
ドラのリャンメンが出来るよりトイツができて四暗刻1シャンテンになる方がずっと価値が高いのでドラ表示牌の5m切り。
結果的にはどちらの手順でも役満になっていましたが、チートイツや刻子手狙いの際は重なりやすさを特に意識するようにしたいものです。