第十期天鳳名人戦牌譜検討第41回

第三節一回戦卓3

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 西家はホンイツでないとしても最低5200、役満のケースもありますが、親でカン8p役無しドラ1、テンパイ打牌が現物。超高打点の可能性がある仕掛けに対する押し引き判断を正確に行うのは難しいですが、親かぶりがある以上リーチの一手とみます。

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 86pのカンチャンより5mを残してリーチ。135mからの5m切りは結構ありそうです。ピンズのカンチャンを落としているならマンズでメンツ候補が2組以上ある可能性も高く、233455mからの5m切りも想定されますが、1mと2mなら少なくとも1mの放銃率が有意に高いということもないので、通ればもう1巡切れるだけ1mに分があったように思われます。

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 一見ソーズが場に高くタンヤオがつくので打9sとしそうですが、打7mとしても3467pツモはテンパイ外しの打9sでいずれにせよ同じ牌姿。7mと8s9sなら流石に枚数差で後者を引く可能性が高く、打7mツモ6mも3メンチャンを逃す代わりに456三色がつくのでさほどロスにならない。打7mがよさそうです。

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 鳴いてタンヤオドラ3テンパイですが片アガリ4s待ち。リャンメン×2の1シャンテン、先に4sツモならダマでも跳満となると、特に条件無しの5巡目ならややスルー寄りとみますが、今回はトップ目東家がマンズホンイツ傾向で4sでも直撃を期待しやすい。倍満をツモったところでまだトップに届かないと鳴き寄りの条件が揃っていると言えます。

 赤5pを見せずに鳴く手もありましたが、序盤でそれほど薄くもないリャンメンをチーして中張牌の出が早いとなると、天鳳名人戦のフィールドならドラが固まっているうえにアガリに近いと読まれてしかるべきところ。これなら赤を見せて他家の裏をかいた方が打点や待ちの範囲を絞られづらい分有力と言えそうです。

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 枚数が同じなら打2sとして3sで跳満にすることも考えられますが、残り1枚でもドラ3sと、2s3s3枚見えで使われづらい2sではアガリやすさに結構差が出そうです。先述の通り満貫と跳満にあまり差がない点数状況なのもあり打4s。結果的に2巡後に2sをツモって満貫のアガリとなりました。

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 放銃を避けていればトップを守りやすい北家が、遠いクイタン(ドラ東なので高打点の可能性も低い)で早々とリャンメンから鳴くのはやや不自然。途中でリーチが入っても降りやすい役牌仕掛けの可能性が高いとみてよいでしょう。

 東家は親が流れると上位を狙うのが厳しくなるが、ラス目とはまずまず点差のある3着目。北家のアガリに関しては放銃でも横移動でも大差ないとみてテンパイまで中を絞ったというところでしょうか。もちろん4pを先切りすることで4pによる放銃回避、2pが出やすくなる等のメリットもあります。手広く受けるのが原則とはいえ、実戦的にはどちらが有力が判別をつけづらいものが多々あることに気付かされます。

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 1シャンテンに取れるのは3m7m4s6s。そのうち唯一リーチに通ってない4sを切って放銃。打4sの理由を考えてみることにします。

 67sのリャンメン落としからの北切りリーチ。チートイツもありそうな河ですが、チートイツだとすれば北より優先する待ちは1枚切れの南西発。この場合は4sは通り、5sは南家の手牌に使われていない可能性が高く、西は最後の1枚が南家に使われている可能性があるのですから、4s西のシャンポンよりカン5sを固定する打4sがよいということになります。

 メンツ手だとすれば北切りリーチの前は2メンツ2ターツの1シャンテンで、ターツはいずれも赤5s受けのある67sより強いターツ。5s以外の赤ドラは自分の手牌にあるので、ドラ3pか手役絡みということになります。

 タンヤオがつく手牌なら14sより67sが残されます。他の手役の場合も、4sが当たり牌で、なおかつ4sが高目になる手は考えにくい。先述した通り、テンパイした場合は4s西のシャンポンよりカン5sがアガリやすそうで、リーチしてきた相手が僅差のラス争いをしている対門。仮に4sが当たり牌だとしても、ここで止めたところでテンパイすれば4sを勝負する手で、止めている間に1sの高めをツモられるかもしれないという判断があったのかもしれません。

 どこまで読まれていたのかは推し量りかねますが、対門は実際に高め1sの14s待ち。しかし123三色やチャンタのような高め安めが大きい手牌ではなく、ドラ3p2枚使いの平和高めイーペーコーで7700放銃となりました。

 もし4sが通っていれば次巡ツモ赤5sでテンパイ。現物4mを降りている他家が合わせていないことから、カン6mより1枚切れカン4mを選んでいたと予想されます。もしそうなれば4mをツモって裏1のハネ満ツモ。視聴者を大いに湧かすファインプレーとなっていたことでしょう。しかし結果的にはいかにもミスに見える放銃。待ちの強さ重視で67sより23sを残した可能性もあるので打7mが無難ではあると思われますが、打牌評価の難しさを改めて痛感させられます。

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 6p6s6m。世にも珍しいリャンメン固定先切り三連発。着順を上げるために跳満ツモか対門からの満貫直撃が必要となれば、567三色に絞りつつ、対門からの直撃チャンスを少しでも高めたいところです。

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 ツモが噛み合って跳満のアガリ。余談になりますが、全色の456牌を切って字牌切りリーチとなると、「先切りでない無スジ」自体が非常に少ないので、先切りのまたぎスジが当たりになるケースが珍しくありません。今回は早い段階で2枚切れになった西が宣言牌なのでチートイツの可能性も少ないです。先切りされる理由としてドラ固定や高め三色が想定されるので、受ける側としては放銃時に高打点になりやすいのも注意しておきたいですね。

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