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がんばれ藍住さん29「第2回三麻魂天何切る」

 第1回(三麻)はこちら。前回回答者として参加した私としては、今回の方が解きやすい問題が多かったです。私なりの解答解説をこちらに記すことにしましょう。

問1 

打8p 55667889や55667899の形を、「ノベ頭形+2枚の8枚ウイング形」と認識しているのは私くらいなものでしょうか。34456778の形ばかりが有名ですが、どちらもノベ頭形からの発展。44556778と44556788なら9受けの差で前者が手広いですが、今回は端にかかっていたので後者が手広くなります。

 8枚ウイング形は「3枚+2枚(雀頭)+2枚+1枚」に分割されますが、34456778については「3枚+3枚+1枚+1枚」とも分割され、8枚ウイング形+3枚(順子)+2枚(リャンメン)の13枚に受ける以外の選択肢が有力になる場合もあることも押さえておきましょう。例えば334456778p12356sは打7p、34456778p123566sは打5sが三門張や一盃口になる「より良い受け入れ」がある分有利なのですが、良形率が100%であることを理由に打3p、打6sを正解にしている記述が後を絶ちません。私が「良形率」ではなく、「より良い受け入れ」なる人口に膾炙しない言葉を延々と使い続けているのはこの為です。

問2

打2s 和了率が「現在のカンチャンテンパイ」≒「5巡後のリャンメンテンパイ」につき、四麻では34/5=6.8種、三麻では26/5=5.2種が良形変化の為に手変わりを待つ基準の一つ。今回は良形かつ高打点変化も複数あり、打点を上げる利点も大きい点数状況につき基準に多少満たない程度なら手変わりを待ちます。

 これが良形変化だけの手変わりであれば、基準をギリギリ満たす程度ならリーチ推奨。何故なら先制リーチによって他家の和了率を落とす効果も期待できるからです。ここで初めて「他家に自由に打たせない」「リーチで押さえつける」といった発想が有効になるので、これもまた私が人口に膾炙する言葉をあまり使わない理由です。

問3 打4s 実戦譜なので仕方ありませんが、「ドラが1pでない(七対子発単騎の可能性を高める)」「9sが4枚見えでない(一通をみてカン5s固定の可能性を高める)」と打4sの説得力がより増します。任意の牌を切った時の放銃率は、(任意の牌が待ちになる頻度(分子))/(待ちとして考えられる牌の組み合わせ全体(分母))。今回は分母がかなり小さいので、多少分子が小さい程度では放銃率があまり下がらない(よって聴牌料の為だけに2s切らない)ことにも注意します。

問4

打9s 三麻の手役の出現率の影響か、三暗刻受けの見落としは少なかったですがタンヤオ変化は見落としやすい。打9sツモ8sは打東でタンヤオに移行できるだけではなく、そこからツモ679sで手広くなる変化も残ります。

問5

打1s くっつき一向聴として比較が難しい牌姿。私は将来東家に聴牌が入った場合に2pが通りやすいことも踏まえて打1sを選びました。

問6

打1s 純粋な「より良い」受け入れ優先なら索子清一色狙いですが、点数状況より打点より和了率重視。他家に和了される牌を切らないのも和了の必要条件。三麻はとかくこのような局面になりやすく、それがまた三麻の面白いところです。

問7

打9p 

 雀頭より搭子を落とす方が手変わりしやすく、1枚切れカンチャンにつき即リーチより手変わり待ちがアガリやすい。前回の四麻魂天何切る問6に類似しています。あの時も正解率が極めて低かったので、昨今の麻雀環境では身に付きづらい知識であることを再確認させられました。

問8

打東リーチ 私も前回メタ読みで答えを外してしまいました。3pの放銃率について議論がありましたが、24pよりリャンメン変化が多い57sを落としてリーチしていることからカン3pの可能性も下がっていることから、リャンメン以外にもあらゆる待ちに放銃する可能性があることを想定している『データで勝つ三人麻雀』の値よりは低いことが想定されます。

問9

打3p 手牌(リャンメン聴牌)と局面(通っている牌が少ない)的にはかなり押し寄り、点数状況(放銃以外のリーチ者の和了でほぼトップ終了)的にはかなり降り寄り。案の定意見がかなり分かれました。私は降りても安牌が生まれにくい(安牌が生まれにくいということはその分3pの放銃率がさほど高くないということでもある。)ことから押し寄り。

問10

打7p 誰も選んでいませんでしたが私はドラ表示牌の7p切りで七対子一向聴維持。

 良形が揃っていかにも二向聴戻しが有力に見える手牌ですら、七対子一向聴維持が有力という結論になったケースが多々ありました。今回は牌種の少ない三麻なので四麻以上に七対子で聴牌する可能性が高く、対戦相手が一人少ないことから東ポンの可能性が低くなります。(尚、昨今取り上げられることの多い「何切るシミュレーター」の一般手評価は打4sや打7pを選んでも二向聴として評価され、七対子評価は七対子に決め打つものとして評価されるため、両天秤形の評価には不向き。)

 打4sでないのは7pがドラ表示牌であること以外に、4s単騎で聴牌した場合「リャンメンで当たらないうえにリャンメン以外で当たることも想起しづらい両筋待ち(それこそ今回のような七対子との両天秤でたまたま待ちとして残るケースくらい)」になる為。こうした背景があるので、私は七対子一向聴の評価を高く見積もりました。

 参加者の皆様お疲れ様でした。これを機に私もこれからまた私の麻雀に対する考え方を書き連ねていくことにいたしましょう。それではまた。

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