カルボシステインについて 宮古島のきわめて健康コラム vol.232
風邪などで病院にかかったときによく出される薬に「カルボシステイン」というものがあげられます。商品名としては「ムコダイン」や「C-チステン」と呼ばれていますので、こちらの名前を出した方がピンとくる方もいるでしょう。また市販の風邪薬にも配合されています。
カルボシステインは一言でいうと痰(たん)を出しやすくする去痰薬(きょたんやく)です。痰だけではなく鼻風邪のときなどの鼻水も出しやすくしてくれます。そこで今回は、この風邪のときによく使われる「カルボシステイン」について詳しく見ていきたいと思います。
カルボシステインは、粘り気のある「たん」や「鼻水」の粘りを少なくし、外に出しやすくする、いわゆる痰きりの薬です。
痰というのは外からのウイルスや細菌などを体内に入らせないようにするためのもので、痰がウイルスなどの異物をからめとって外に運び出してくれるのです。そのため痰の色で病気や状態がわかり、「痰の色が黄色なら細菌感染している」など、病状の目安にする場合もあります。市販薬や処方薬としてもよく使われており、子供から大人まで幅広くの年代に用いられています。
カルボシステインは風邪のときによく使われる薬ですが、具体的な効能効果は以下のようになっています。
上気道炎(鼻や喉の炎症を伴う風邪)や急性気管支炎、慢性気管支炎、気管支喘息、気管支拡張症、肺結核などの疾患の去痰
カルボシステインは痰の成分の構成比を正常化し、痰の粘り気をとって外に排出しやすくします。また気道炎症抑制作用や、気管支粘膜の正常化作用も持ち合わせています。これが去痰の効能です。
また、副鼻腔炎についてですが、これは蓄膿症(ちくのう症)ともいわれ、鼻の奥の副鼻腔という空洞に炎症が起こり膿が発生した状態のことです。
副鼻腔炎の症状としては、
鼻詰まりで息苦しい
粘り気のある黄色・緑色の鼻水がでる
頭や顔面、鼻の周りが痛い
などあげられます。
この膿を排出するために「カルボシステイン」は用いられます。また膿を排出する以外に副鼻腔粘膜を正常化する効果もあります。
カルボシステインは比較的副作用の少ないお薬で、処方薬のシロップなどは0歳の赤ちゃんにもよく出されます。まれに腹痛・下痢・食欲不振・嘔吐・口渇等の副作用が報告されていますが、気になるようなら処方してくれた先生、またはドラッグストアの薬剤師に相談しましょう。
重大な副作用については以下の3つが報告されています。
アナフィラキシーショック:蕁麻疹・呼吸困難などを伴うアレルギー反応。カルボシステインを服用後、このような症状があらわれた場合、カルボシステイン含有の処方薬・市販薬は以後服用しないこと。
肝機能障害:肝機能が低下して、黄疸や白目が黄色くなる、だるくなるなどの症状があらわれる。
皮膚粘膜眼症候群・中毒性表皮壊死症:高熱や目の充血、皮膚の広範囲の赤み唇のただれなどの症状。
処方薬だけではなく市販のお薬にもカルボシステインは入っており、主に風邪薬や去痰薬、咳止め薬として販売されています。以下に有名な薬についてまとめました。
パブロンSゴールドW錠(大正製薬)
カルボシステインと、痰を出しやすくするアンブロキソールの二つの去痰成分がはいっています。その他に咳止め、解熱鎮痛、鼻水・くしゃみ止め成分とビタミンも含有されている使いやすい風邪薬です。
ストナ去たんカプセル(佐藤製薬)
カルボシステインと、もう一つの去痰薬であるブロムヘキシンも入った薬で、二つの成分しか入っていないため持病がある方などでも選びやすい去痰薬です。
新エスエスブロン錠エース(エスエス製薬)
カルボシステインの他に、鎮咳成分、気管支拡張成分、アレルギー性の咳を抑える成分も含まれており総合的な咳止め薬です。
まとめ
カルボシステインは、赤ちゃんから老人まで幅広く使われている成分です。風邪になったときに一度は服用されている方も多いのではないでしょうか?
また飲み合わせの悪いお薬なども特になく、副作用も少ないため非常に使いやすい薬です。市販薬にも含まれていますので、痰が絡むときなどは是非使ってみてください。